清瀬市長が選挙公約を断念、旧中央図書館の解体工事を再開へ

東京都清瀬市の原田博美市長は2026年4月6日、記者会見を開き、中断していた旧市立中央図書館の解体工事を継続することを表明しました。これにより、市長就任前の市長選で掲げていた「図書館の存続」という公約を断念することになります。

選挙争点から一転、解体工事の再開へ

原田市長は3月の市長選を通じて、前市長の図書館削減方針に反対し、廃止対象図書館の存続・復活を重要な公約として掲げていました。しかし、実際に現場を視察し、担当者から詳しい説明を受けた結果、工事の再開を決断しました。

旧中央図書館は清瀬市梅園の中央公園内に位置し、老朽化などを理由に廃止が決定されていました。同公園内には新たに図書館を含む複合施設「まつぼっくる」が2026年2月にオープンしており、新しい図書館機能はすでに移行されていました。

解体継続を決めた主な理由

原田市長は会見で、以下のような理由から解体工事をやむを得ないと判断したことを説明しました。

  • 解体が想像以上に進行:現場視察の結果、すでに解体工事が構造部分にかかる直前まで進んでいました
  • 都市計画上の制限:中央図書館を存続させた場合、都市計画公園内の建築物の面積制限を超過することになります
  • 多大な改修費用と工期:図書館を復活させるには3~4年の工期と膨大な費用が必要です
  • 工事中断による経費:工事の中断に伴い、人件費や重機のリース料として1日約100万円の費用が発生しています

原田市長は「とても悔しく残念。再開を願う声をたくさん受けてきたので、市民の皆さんには本当に申し訳ない」とコメントし、声を詰まらせながら市民への謝罪の意を示しました。

図書館サービス向上への新たな取り組み

公約を断念する一方で、原田市長は図書館サービスの向上に向けた新たな施策を検討することを表明しました。「元の図書館に戻すのではなく、より利用しやすく魅力のある図書館を目指したい」とのことです。

具体的な検討課題としては、以下の項目を挙げています。

  • 駅前図書館の機能充実(中央図書館の機能移転により、現在不十分とされている)
  • 竹丘市民センター及び下宿市民センターでの本の貸し出し復活
  • 廃止された地域図書館の再開に向けた検討

旧中央図書館を含む市全体の蔵書・資料のうち、約6割が閉架書庫に所蔵されています。この点についても、より利用しやすい図書館サービス実現のための課題として認識されています。

市民の関心の高さを反映した会見

この日の記者会見には、市民100人以上が参加しました。報道関係者からの質疑の後、参加した市民からも原田市長に対する質問や意見表明が相次ぎ、図書館問題に対する市民の高い関心が改めて示される形となりました。

解体工事は4月7日にも再開される予定です。当初の予定が大幅に遅れることになっていますが、工事の再開により、清瀬市の公園再整備事業も次のステップへ進むことになります。

今後の図書館施策への期待と課題

原田市長は「図書館サービスの向上を公約した立場として、廃止された地域図書館の再開に向けた検討などをしっかり進めたい」とコメントしており、公約の断念に伴う代替施策の実現に向けた決意を示しています。

市民の多くが利用しやすい図書館環境の実現を期待する中、駅前図書館の機能充実や地域センターでの貸し出しサービス復活といった施策がどの程度実現されるか、今後の対応が注視されます。

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