「カービィのエアライダー」Ver.1.2.0配信開始――強キャラ「リック」ついに弱体化、制作チームは近く解散へ

任天堂は、Nintendo Switch 2向けレースアクションゲーム「カービィのエアライダー」の最新アップデートとなる更新データVer.1.2.0を配信しました。
今回のアップデートでは、プレイヤーの間で“強すぎる”と話題だったライダー「リック」の性能が下方修正されたほか、いくつかの不具合修正やマシンバランスの調整が行われています。
さらに、本作のディレクター・桜井政博氏からは、「バランス調整はあと1回ほど」「制作チームは近いうちに解散する」といった発言もあり、ファンの間で大きな注目を集めています。

「カービィのエアライダー」とはどんなゲーム?

「カービィのエアライダー」は、『星のカービィ』シリーズに登場するカービィたちがエアライドマシンに乗ってレースを繰り広げるアクションレースゲームです。
ニンテンドーゲームキューブ向けタイトル「カービィのエアライド」の続編にあたり、誰でも遊びやすい簡単操作と、相手を攻撃しながらスピードを稼ぐといった戦略的な駆け引きが特徴です。

プレイヤーは、カービィデデデ大王メタナイトなどおなじみのキャラクターをライダーとして操作し、個性的なエアライドマシンに乗ってレースや「シティトライアル」などのモードを楽しめます。
レースゲームでありながら、アイテムやスペシャル技、マシンごとの特性を活かした駆け引きが重要で、対戦プレイでも高い人気を集めています。

Ver.1.2.0アップデートの主な内容

今回のVer.1.2.0では、大きく分けて次の3つのポイントが注目されています。

  • ライダー「リック」の性能が弱体化
  • 各モードで発生していた不具合の修正
  • 全マシンおよび一部テクニックに関するバランス調整

強キャラ「リック」がついに弱体化

これまでコミュニティで「強すぎる」「環境トップ」と話題になっていたライダー「リック」が、今回のアップデートで名指しで下方修正を受けました。
リックは『星のカービィ2』で初登場したキャラクターで、地上での高い機動力や安定した走破性能を持つことで知られています。

「カービィのエアライダー」におけるリックは、最高速度攻撃力耐久力、そして重量がとくに優れている一方で、空中での性能は控えめという、地上特化型ライダーとして設計されていました。
その高耐久と火力を活かし、とくにシティトライアルで多くのライダーをなぎ倒せる“強キャラ”として、プレイヤーから強力すぎるとの評価を受けていました。

また、スペシャル技の「リックだいばくそう」も、マシンから降りてリック自身が高速で走り回り、接触したマシンやキャラに大ダメージを与えられる強力な技として知られていました。
この技により、レースだけでなくエアライド全体でも強すぎる存在になっていたことが、今回の弱体化の背景にあります。

リックの具体的な弱体化内容

Ver.1.2.0におけるリックの主な調整点は、攻撃・防御面のマイルド化です。

  • 耐久力の下方修正
  • 防御力の下方修正
  • スペシャル技「リックだいばくそう」攻撃力を下方修正

これにより、以前のように「当たり負けしないタフさ」と「高火力スペシャル」の両立で相手を圧倒するスタイルはやや控えめになり、全体的に攻守ともにマイルドな性能へと調整されています。
ただし、リックの地上走破性能そのものは変わっておらず、地上コースや特定のシチュエーションでは依然として活躍が見込まれるとのことです。

シティトライアルなどでの不具合修正

今回のアップデートでは、プレイヤーから報告されていた不具合の修正も行われています。

  • シティトライアルのイベント「怪鳥ダイナブレイド飛来!!」の発生率が、想定より低くなってしまう問題を修正
  • 長時間フリーランを行った際に、タイマーの進行がおかしくなる不具合を修正

「怪鳥ダイナブレイド飛来!!」は、シティトライアルのなかでも人気の高いイベントですが、従来はなかなか発生せず「ほとんど見られない」との声もありました。
今回の修正により、想定された頻度でイベントが発生するようになり、より多くのプレイヤーがダイナブレイドとの遭遇を楽しめるようになります。

また、フリーランで長時間遊ぶとタイマー挙動が不自然になる問題も、安定したプレイ体験の妨げとなっていましたが、こちらも修正されています。
長時間プレイを前提とした検証やタイムアタックを楽しむユーザーにとって、嬉しい改善と言えるでしょう。

マシン全体のバランス調整―クイックスピンの反発弱体化

Ver.1.2.0では、ライダーだけでなくマシン側の挙動にも調整が加えられています。

  • 全マシン共通で、クイックスピンで壁にぶつかった際の反発を弱くするよう調整
  • 一部マシンの各種ステータスを個別に調整

従来のバージョンでは、クイックスピンで壁にぶつかった際でも、高い速度を維持しながら走行を続けられるケースがあり、これを活用した「スピンダッシュ」と呼ばれるテクニックが一部で使用されていました。
今回の調整は、このスピンダッシュを含む「壁反発を利用した走法」の影響を抑え、より多くのプレイヤーにとって公平なレース展開を実現する目的があると見られます。

また、詳細な数値はパッチノートで案内されていますが、複数のマシンタイプに対し、最高速度加速ハンドリングなどの能力値が細かく見直されています。
特定のマシンのみ極端に有利・不利にならないよう、全体としてバランスをとる方向のアップデートとなっています。

制作チームは近く解散予定、バランス調整は「あと1回ほど」

今回のアップデートと同時期に、本作のディレクターである桜井政博氏から、本作の今後について気になるコメントも出されています。

  • DLC(追加コンテンツ)の予定はないことを明言
  • バランス調整のアップデートは「あと1回ぐらい」を予定していると発言
  • 制作チームは近いうちに解散する予定であるとコメント

これらの発言から、「カービィのエアライダー」の開発体制が、すでに終盤段階にあることがうかがえます。
今後も、少なくとももう一度はバランス調整の機会があるものの、新キャラクターや新コースといった有料DLCの追加は予定されておらず、Ver.1.2.0以降は最終調整に向けた仕上げの段階に入っていると考えられます。

制作チームの解散予定というニュースは、ファンにとってはさびしくもありますが、その一方で、限られた期間の中でも最後までバランス調整を続ける姿勢が示されている点は、多くのプレイヤーから評価されています。

プレイヤーコミュニティの受け止め方

ライダー「リック」の弱体化については、長らく“環境トップ”として君臨してきたこともあり、コミュニティ内ではさまざまな声が上がっています。

  • 「ようやくリックが調整された」「対戦が遊びやすくなりそう」と歓迎する声
  • 「リックらしさは残してほしい」「好きなキャラだから複雑」と、寂しさをにじませる意見
  • 「まだ十分強いのでは?」「地上ステージなら現役」と、今後の研究に前向きな反応

ゲーム全体としては、全マシンのバランス見直しや不具合修正も行われているため、「環境が一度リセットされる」「また新しい戦術やマシン構成を試せる」と、アップデートをきっかけに再びプレイを再開するユーザーも増えています。

今後のアップデートに期待できること

桜井氏のコメント通りであれば、今後予定されている「あと1回ほど」のバランス調整が、本作にとって大きな一区切りとなる見込みです。
DLCの予定はないものの、今回のVer.1.2.0で得られたデータやプレイヤーの反応を踏まえ、最終的なキャラクター・マシンバランスの調整が行われる可能性があります。

とくに、「リック」弱体化後の環境で、新たに台頭してくるライダーやマシン、テクニックなどがどのような形になるのかが注目されます。
また、シティトライアルやフリーランといった人気モードにおけるプレイ感覚が、今回の不具合修正を経てどれだけ快適になるかも、コミュニティの関心を集めています。

制作チームは近く解散予定とされていますが、その前に「もう1回」は調整のチャンスがあるとされているため、プレイヤーとしては、自身の体験をもとにしたフィードバックを発信しつつ、ゲームがどのような最終形にまとまっていくのかを見守る時期と言えるでしょう。

今回のVer.1.2.0は、「リック」弱体化という大きな話題だけでなく、ゲーム全体の完成度を一段と高めるための重要な一歩となっています。
「カービィのエアライダー」をすでに遊んでいる人も、これから始める人も、このタイミングで一度プレイ環境を見直し、新しいバランスの中でお気に入りのライダーとマシンを探してみてはいかがでしょうか。

参考元