関西テレビが伝える“年の瀬の音風景” 各地で釣り鐘のすす払い

年の瀬を迎え、日本各地のお寺では、新年に向けて釣り鐘(梵鐘)のすす払いが行われています。関西テレビのニュースでも、滋賀県大津市の「三井の晩鐘」をはじめ、雪の舞う中で行われた秋田県大館市の玉林寺、能代山本地域の寺院での梵鐘磨きの様子が相次いで紹介され、静かでありながら心温まる「年越しの風景」として注目を集めています。

滋賀・大津「三井の晩鐘」 日本三名鐘を新年に備えて清める(関西テレビ)

滋賀県大津市の三井寺(正式名:園城寺)では、毎年恒例となっている釣り鐘「三井の晩鐘」のすす払いが行われました。関西テレビのニュースによると、この釣り鐘は約400年前に造られた歴史ある鐘で、その澄んだ音色の美しさから「日本三銘鐘(日本三名鐘)」のひとつに数えられています。 また、近江八景の一つとしても有名な「三井の晩鐘」として、古くから多くの人に親しまれてきました。

境内では、僧侶たちが笹の葉が付いた青竹を手に、鐘にたまった1年分のホコリを丁寧に払い落としていきました。 青竹と笹の組み合わせは、やわらかく鐘の表面を傷つけにくい一方で、細かなホコリまでしっかり落とすことができる昔ながらの方法です。映像や写真からも、鐘の表面をなぞるたびに細かいホコリがふわりと舞い、徐々に銅の落ち着いた輝きが現れてくる様子が伝えられています。

すす払いのあと、お堂の周りは提灯やしめ縄で飾り付けられ、一気に新年を迎える雰囲気に包まれました。 こうした飾り付けは、単なる「演出」ではなく、「神仏を迎える準備」を整える意味があるとされています。三井寺の「三井の晩鐘」は、元日には清められた美しい音色を響かせ、新しい一年の始まりを告げます。

三井寺は、天台寺門宗の総本山として知られ、境内には国宝や重要文化財も多く残されています。 観光ガイドでも「残したい日本の音風景100選」に選ばれた鐘の音として紹介されており、普段からその音色を求めて多くの参拝者が訪れます。 そうした鐘を一年の締めくくりに丁寧に清める作業は、寺にとっても、地域の人々にとっても、欠かすことのできない大切な行事となっています。

秋田・大館市 玉林寺 雪の中でのすす払い「来年は平和な一年に」

ニュース内容2として伝えられているのは、秋田県大館市にある玉林寺での釣り鐘のすす払いです。こちらでは、雪が舞う中、住職や檀家の人たちが協力して鐘のホコリを落とし、新年を迎える準備を進めました。厳しい寒さの中での作業ですが、参加した人たちからは「来年は平和な1年になりますように」といった声が聞かれたと報じられています。

雪の中で行われるすす払いは、同じ「鐘の掃除」であっても、地域ならではの情景を感じさせます。冷たい空気の中で澄んで響く鐘の音は、温暖な地域とはまた違った趣きがあり、冬の東北ならではの風景と言えます。釣り鐘についたすすやホコリを落とすことは、「1年間の穢れを払う」という意味合いも持つとされ、新年を清らかな心で迎えたいという人々の思いが込められています。

秋田・能代山本地域 大みそか前の「梵鐘磨き」

ニュース内容3では、秋田県の能代山本地域の寺院でも、大みそかを前に梵鐘を磨く様子が伝えられています。こちらも、年末恒例の行事として、住職だけでなく地域の人々も手伝いながら、鐘の表面に付いたホコリや汚れを一つひとつ取り除いていきます。

「梵鐘磨き」は、見た目をきれいにするだけでなく、鐘の音色を整えるという意味もあります。表面にホコリや汚れがたまると、わずかながら音の響き方にも影響が出ると言われています。そのため、除夜の鐘や元日の初打ちに向けて、丁寧に磨き上げることは、とても大切な工程です。

能代山本地域の寺院でも、人々は「一年の感謝」と「新しい年への願い」を胸に、鐘を磨く作業に取り組んでいます。子どもたちが手伝う姿が見られる寺もあり、「地域ぐるみで受け継がれる年末の風景」として、静かながらも温かな時間が流れています。

なぜ「釣り鐘のすす払い」をするのか

こうした各地のニュースに共通しているのが、年末に釣り鐘(梵鐘)のすす払いを行うという、日本ならではの風習です。どうして、年の瀬になると鐘の掃除が行われるのでしょうか。その意味や背景を、分かりやすく整理してみます。

  • 1年の「穢れ」を落とす意味
    仏教では、ホコリやすすは「心の曇り」や「迷い」を象徴することがあります。1年間でたまったホコリを落とすことは、「今年1年の心の曇りを取り去り、清らかな気持ちで新年を迎えたい」という願いの表れとされています。
  • 鐘の音色を守るため
    梵鐘は、材料や形、厚みなどが計算されて作られており、わずかな違いで音色が変わります。表面のホコリや汚れを落としておくことで、その鐘が本来持っている深く澄んだ音を保つことができます。三井寺の「三井の晩鐘」が「日本三銘鐘」に数えられているのも、美しい音色を長く守り続けてきたからこそです。
  • 地域の人々が集う「年末行事」
    僧侶だけでなく、檀家や地域の人たちが参加する寺も多く、「すす払い」は、年末に人々が集まる貴重な機会にもなっています。そこで交わされる「よいお年を」というあいさつや、何気ない会話も、地域のつながりを確かめる大切な時間です。

除夜の鐘と「新年の音」につながる作業

年末に梵鐘を磨く・すす払いをする行事は、除夜の鐘元日に鳴らされる鐘と深く結びついています。多くの寺では、大みそかの夜に108回鐘を突く「除夜の鐘」が行われ、「人間の108の煩悩をひとつひとつ消していく」と言われています。滋賀県内でも、京都・知恩院などでの除夜の鐘の「試しづき」のニュースが同じ時期に報じられており、鐘の音は「年越しのシンボル」のひとつとして広く親しまれています。

三井寺の「三井の晩鐘」のように、元日に美しい音色を響かせる鐘もあります。 そうした鐘の音は、単に年越しの合図というだけでなく、「新しい一年が穏やかでありますように」「家族が無事で過ごせますように」といった、人々のさまざまな願いが込められた音でもあります。秋田・玉林寺で聞かれた「来年は平和な一年に」という声も、そのような思いの一つです。

関西テレビが伝える「音風景」としてのニュースの意味

今回のニュース内容1として挙げられた三井寺のすす払いは、関西テレビのニュースサイトでも大きく取り上げられています。 交通事故や事件、災害などのニュースが目立つ中で、このような静かな年末行事のニュースは、視聴者にとって心を落ち着かせてくれる存在でもあります。

関西テレビでは、「全国・関西の最新ニュース」を伝える中で、地域の伝統行事や季節の風物詩も積極的に紹介しています。 三井寺の「三井の晩鐘」のすす払いも、その一つです。ニュース映像では、僧侶たちが青竹を手に黙々と作業を続ける姿や、飾り付けを終えたお堂の様子が、落ち着いたナレーションとともに伝えられています。

テレビやインターネットを通じて、遠く離れた地域の人たちも、こうした行事の雰囲気や意味を共有できるようになりました。大館市の玉林寺や能代山本地域の寺院での梵鐘磨きのニュースも、「自分たちの地域の姿」として地元で見られる一方で、日本中の人々が「ああ、もうすぐ一年が終わるんだな」と感じるきっかけにもなっています。

年の瀬に聞く「鐘の音」に込められた願い

年末のすす払いと、その後に続く除夜の鐘や元日の鐘の音には、共通して「新しい年への願い」が込められています。

  • 今年一年、無事に過ごせたことへの感謝
  • 来年が、争いの少ない平和な一年となるようにという祈り
  • 家族や友人、大切な人たちの健康と安全を願う気持ち

大館・玉林寺の住職や参拝者が口にした「来年は平和な1年に」という言葉は、多くの人の心に共通する願いでもあります。能代山本地域の梵鐘磨きでも、子どもから高齢者まで、さまざまな世代がひとつの鐘を囲み、一緒に新年への準備をすることで、「ここに暮らす仲間」としてのつながりを改めて感じていることでしょう。

滋賀の三井寺で清められた「三井の晩鐘」が元日に響かせる音は、400年の歴史の中で、何度も時代の節目を見つめてきました。 戦争や災害、社会の大きな変化を経験しながらも、そのたびに人々は鐘の音に耳を傾け、新しい年への希望を胸に歩き出してきたのです。

静かなニュースが教えてくれる「日常の大切さ」

今回取り上げられた3つのニュースは、派手さこそありませんが、どれも「日常を大切にする心」が感じられるものです。すす払いそのものは、単なる掃除とも言えます。しかし、そこに「感謝」や「祈り」、「次の世代へ伝えたい思い」が加わることで、ひとつの大切な行事になっていきます。

関西テレビのニュースで紹介された三井寺のすす払いをきっかけに、視聴者の中には「自分の家も、しっかり掃除して新年を迎えよう」と思った人もいるかもしれません。大館や能代山本で鐘を磨く人々の姿から、「地域の行事に少し参加してみようかな」と感じた人もいるでしょう。

年末の忙しさの中で、ふと立ち止まって鐘の音に耳を傾ける時間は、自分自身と向き合う、ささやかなきっかけにもなります。ニュースで映し出されるすす払いの様子は、その「静かな時間」の大切さを、そっと私たちに思い出させてくれているのかもしれません。

参考元