全国の神々が出雲に集結する「神在祭」が本日から始まる
旧暦10月10日にあたる本日11月29日(土)、出雲大社では全国から集まった八百万(やおよろず)の神々をお迎えする「神迎神事(かみむかえしんじ)」が営まれます。夕刻19時から稲佐の浜で執り行われるこの神事は、出雲に伝わる神話の世界を現代に引き継ぐ、日本を代表する宗教行事です。
約6年ぶりに実現する神職の行列
出雲大社での神在祭は、旧暦10月10日から17日まで執り行われる伝統的な神事です。本年は特に注目されているのが、神職による行列が6年ぶりに実施される点です。
神迎神事が終わると、龍蛇神(りゅうだじん)を先導とした神職と参拝者の行列が稲佐の浜から出雲大社へと向かいます。両側を絹垣で覆われた神籬(ひもろぎ)が運ばれ、高張提灯が明かりを灯す中、奏楽が奏でられながら延々と続く行列は、出雲の古き良き伝統を象徴する光景です。この行列は、新型コロナウイルスの影響で中断していましたが、本年の復活により、より一層の参拝者を見込んでいます。
稲佐の浜での神事では、参列者が白御幣(しろみぬさ)の授与を受けることができます。これは神々を迎える際に使用される神聖な道具で、参拝者が神事に直接参加できる貴重な機会となっています。
神々が宿泊される十九社と本殿での祭典
本日夜間に稲佐の浜から出迎えられた神々は、その後、出雲大社の拝殿で「神迎祭」が執り行われた後、宿社である東西の十九社に鎮まられます。
明日11月30日(日)の朝9時には、出雲大社の御本殿で「神在祭」が執り行われます。この祭典は祭典への参列が出雲大社からご案内いただいた方のみとなりますが、御本殿での儀式が進められます。その後、期間中は毎日、神々の会議場となる上宮(かみのみや、仮の宮)でお祭りが日替わりで斎行される予定です。
さらに、11月30日から12月5日までの間、毎日午後5時には出雲大社神楽殿で「夜神楽祈祷(よかぐらきとう)」が開催されます。神職により祝詞が奏上され、参加者のお名前と願い事が読み上げられ、巫女舞が奉納される予定です。
JAL、出雲大社の神在祭に合わせて機材大型化とイベントを実施
日本航空(JAL)は、出雲大社の神在祭に合わせた利便性向上の取り組みとして、東京/羽田~出雲線の機材を大型化することを発表しました。この決定により、より多くの参拝客が効率的に移動でき、全国から出雲を訪れる観光客の受け入れ態勢が強化されます。
また、JALは単なる機材の大型化にとどまらず、神在祭に合わせた出迎えイベントの開催も予定しています。これにより、飛行機で到着した参拝客が出雲の文化と歴史を感じながら、神聖な季節を体験する環境が整備されることになります。神在祭は全国の神々が出雲に集まる特別な期間であり、この時期の訪問客増加に対応するための航空業界の支援は、地域の受け入れ体制の充実を象徴しています。
神在祭期間中の交通規制と混雑対策
予想される交通状況と規制日程
出雲大社周辺では、神在祭期間中の大規模な人出に対応するため、複数日にわたり交通規制が実施されます。規制実施日は11月29日(土)、30日(日)、そして12月6日(土)の予定です。
特に、出雲大社への最寄り駅である大社線(出雲大社前~川跡)を中心に大変な混雑が予想されています。神迎神事から本格的な神在祭の期間となる11月29日から12月6日にかけては、道路の渋滞や公共交通機関の混雑が想定され、訪問を予定されている方は早めの移動や時間的ゆとりを持った計画が重要となります。
利用者への呼びかけと対策
交通機関や観光関係機関では、この期間の利用者に対して十分な注意を呼びかけています。混雑による列車の遅延や道路の渋滞は避けられない状況が想定されるため、可能な限り神在祭期間外の訪問や、朝早い時間帯での移動が推奨されています。
また、臨時列車の運行なども検討されており、交通機関各社は通常以上の輸送力を確保する準備を進めています。神在月全体(2025年11月20日~12月19日)にかけて、出雲地域全体が大勢の参拝客で賑わうことになるため、訪問を検討されている方は事前に情報を確認することが大切です。
神在祭の由来と文化的意義
神在祭は、日本古来の神話に基づいた祭りです。全国の神々が一堂に集まる唯一の場所が出雲であり、この時期に神々が出雲に集結して、国中の出来事や人々の営みについて会議を開くとされています。このため、全国他の神社では同じ時期を「神無月(かんなづき)」と呼び、出雲では「神有月(かみありづき)」と呼ぶという独特の文化が形成されてきました。
出雲大社の西方1キロメートルにある稲佐の浜は、国譲り神話の伝承地であり、古来より神々の上陸地点とされてきました。この地で執り行われる神迎神事は、全国の神々を迎える最初の儀式であり、日本の神道文化を代表する行事として、また観光資源として、年々その重要性が増しています。
本年の神在祭への参加方法
本年の神在祭に参加を希望される方は、稲佐の浜での神迎神事(本日19時~)から参加することが可能です。斎場での参列はもちろん、神事後の「神迎えの道」における行列への供奉(おとも)も可能となっています。
ただし、翌日30日の出雲大社御本殿での神在祭への参列は、出雲大社からのご案内を受けた方のみとなります。一方で、拝殿の外からの参拝は可能であり、夜神楽祈祷への参加を希望される場合は、当日に出雲大社神楽殿での申し込みが受け付けられています。
全国から集まる神々を出迎えるこの特別な季節に、出雲の地を訪れることは、日本の伝統文化と神聖な精神世界に触れる貴重な経験となるでしょう。



