久石譲、戦後80年の今と初のハリウッド映画音楽—「音楽で伝える戦争と愛」

はじめに―久石譲という存在

久石譲は、日本を代表する作曲家・音楽家です。宮崎駿監督作品での名曲や多彩な映画音楽で知られ、世代や国境を超えて多くの人々の心に残る音楽を生み出してきました。その久石譲が2025年、戦後80年を迎えた今、「今はもう戦前」とも言われる社会情勢の中、音楽を通じて平和と愛、そして戦争の記憶を伝え続けています。

戦争と平和――音楽で何を伝えるか

戦後80年を迎える日本。社会の変化や国際情勢の不安定さから、「今はもう戦前」という言葉が多くの議論を呼び起こしています。久石譲は自身の音楽活動を通して、「戦争は“過去の出来事”ではなく、私たち一人ひとりと今もつながっている問題」と語ります。
2025年には、平和の大切さと戦争の非情さを再認識する音楽プロジェクトに関わり、「音楽は言葉にならない思いを伝えることができる」と自身の使命を語りました。

  • 音楽は時代を超え、感情や記憶を呼び起こす力を持つ
  • 戦争を体験していない世代にも、そのリアリティと思いを伝える役割
  • 争いを“他人事”にしないために、音楽を通じた啓発とコミュニケーションの大切さ

久石による平和へのメッセージは、「一人ひとりの心に響く“祈り”を、これからも音に託す」という姿勢に集約されます。音楽が持つ予言的・警鐘的な側面にも注目されており、戦後生まれの音楽家としての責任を強く感じているようです。

ハリウッド進出――『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』で世界へ

2025年12月19日、日本全国の映画館で公開される映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』(原題:A Big Bold Beautiful Journey)は、久石譲にとって初のハリウッド映画音楽挑戦となります。本作は、ハリウッドの実力派俳優マーゴット・ロビーとコリン・ファレルが主演し、監督は韓国系アメリカ人のコゴナダが務めています

  • マーゴット・ロビー:「バービー」「スーサイド・スクワッド」などの話題作で知られるハリウッドトップ女優
  • コリン・ファレル:「イニシェリン島の精霊」ではベネチア国際映画祭最優秀男優賞を受賞した実力派
  • 監督コゴナダ:「アフター・ヤン」等で国際的評価を受けている監督

物語は、友人の結婚式で出会ったデヴィッドとサラが、レンタカーのカーナビに導かれて“大草原の赤いドア”“植物園の青いドア”など、時空を超える不思議な扉へと向かうことから始まります。その扉を通過すると、2人は“人生で一番やり直したい日”へとタイムスリップします

「人生をやり直せる不思議なドア」―物語とメッセージ

映画の核心は、人生の後悔や大切な思い出、愛にまつわる出来事。それぞれの主人公が後悔や未練のある過去、例えば「初恋のやり直し」や「最期を看取れなかった母との時間」など、自分自身と深く向き合い、“最悪な思い出”から“最高の愛”を再発見する物語が描かれています

  • 過去へ戻ることで「許す」「感謝する」「新たな未来へ進む」という人間らしい葛藤や成長を描写
  • “やり直したい日”へのタイムスリップは、全ての大人にとって心に響くテーマ
  • 誰しもが持つ「やり直しへの願い」と「今をどう生きるか」が、観る者に問いかけられる

このファンタジック・ヒューマンドラマは、まるで人生そのものが一つの旅であるという普遍的なメッセージを、久石譲の音楽と共に印象的に描き出します。

久石譲の音楽――“人生と愛”を包むメロディ

本作の日本版予告編でも使用されている久石譲による劇中音楽は、「美しく不思議な世界観」を作り出す大きな役割を担っています。予告編では大草原にたたずむ赤いドアや、幻想的な景色に響くメロディが、登場人物たちの心情と物語の世界を優しく包み込むように流れます

  • 久石譲コメント:「満足のいく仕事ができた。音楽を通じて“人生”や“愛”というテーマに深く向き合うことができた」
  • 美しさと切なさが交錯する旋律が印象的で、物語のロマンと幻想性を支える
  • 鑑賞者の感情の奥底まで届くメロディが、映画全体のムードや主題と見事にマッチ

久石譲の音楽は、主人公たちと同じように人生の選択や後悔に向き合う観客一人ひとりに、そっと寄り添う“心の旅の伴侶”となっています。

特別上映&割引―誰もが体験できる「美しい旅」

12月の劇場公開を記念して、au推しトク映画(携帯キャリアの特別キャンペーン)で本作が1100円で鑑賞できるほか、特別試写会への招待やプレゼントキャンペーンも実施されています。映画館で“人生をやり直す不思議な旅”を体験する千載一遇のチャンス。人生や愛を思い返すきっかけとして、多くの人がこの作品をきっかけに大切な人と向き合い、心温まる時間を過ごせることでしょう。

  • 全国劇場公開:2025年12月19日から
  • au推しトクで割引鑑賞(1100円)
  • 先行試写会やペア招待キャンペーンも展開

戦争と愛を“音楽”でつなぐ久石譲の現在地

久石譲は、戦後80年の節目に自らの音楽で戦争の記憶を伝え、同時に新たな挑戦として世界の映画界へ羽ばたきました。「音楽は時空を超えて人の心を結ぶ“ドア”である」という信念のもと、“やり直したい日”や“大切な人”に想いを馳せる全ての人に寄り添う旋律を届けています。

映画『ビューティフル・ジャーニー ふたりの時空旅行』を通じて、久石譲が人々に語りかけるのは、“人生と愛”、そして“平和”。歴史を振り返る今だからこそ、心の深い部分に響く音楽と物語を、ひとりでも多くの人に味わってほしいと願っています。

おわりに―未来につなぐ、音楽の力

「音楽は未来への贈り物であり、今を生きるすべての人へのメッセージです」と久石譲は繰り返し語っています。時代の転換点である今、争いや不安もある中で、彼の音楽が人と人との心をつなぐ“橋”となることを、私たちは静かに期待しています。

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