海上保安庁、「最大かつ最新鋭」練習船で若い世代へ熱心なアピールと職場体験

2025年10月1日、海上保安庁において職場体験や体験航海を通じて、若い世代への人材確保に向けた取り組みが全国各地で活発に行われています。本記事では、高松での中学生職場体験、南富良野高校で行われた職業説明、そして「最大かつ最新鋭」練習船「いつくしま」による体験航海を中心に、海上保安庁の求める人材像やその意義について丁寧にわかりやすく解説します。

人材不足に悩む海上保安庁の現状

近年、海上保安庁は慢性的な人材不足に直面しています。特に海の安全を守り、多様化する業務に対応できる人材の確保が課題となっています。そうした背景の中で、「最大かつ最新鋭」と呼ばれる練習船「いつくしま」の就航は、現場力向上に向けた重要な一歩といえます。

  • 2024年度の学生採用試験は過去最低水準の倍率となり、優秀な若者の確保が急務。
  • 海上での救難・事故対応、法執行、国際協力など業務範囲が広がっており、より多様なスキル・価値観を持つ人材が求められている。

中学生による職場体験と仕事理解〜高松の取り組み

高松市では、地元の中学生たちが海上保安官の職場体験に参加しました。実務の現場を間近に感じ、「海上保安官って、どんな仕事なんだろう?」という素朴な疑問に答える形で現役職員が仕事説明を丁寧に行いました。

  • 救助活動の模擬体験や船内設備の見学を通じて、職務への理解を深めます。
  • 参加した生徒からは「海上保安官の仕事は大変だけど、海を守る役割に憧れる」といった声も聞かれました。

こうした職場体験は「夢」を具体的にイメージするきっかけとなり、地域社会全体で「海の仕事」への興味を高める効果があります。

最新鋭練習船「いつくしま」—若い世代に体験航海の大きな意義

練習船「いつくしま」は、2024年7月に三菱重工で建造されたばかりの全長134メートル、総トン数6,292トンを誇る海上保安大学校の練習船です。その最大の特徴は、最新技術を搭載したシミュレーション設備や実習空間で、学生や研修生が現場さながらの訓練を受けられることです。

  • 船名「いつくしま」は世界遺産「厳島神社」に由来。
  • 航海船橋・実習船橋の二階建て設計で、操船や救難活動など、より実践的な体験が可能。
  • 災害時や緊急対応にも活用されるなど、教育以外にも社会的な役割を担う。
  • 最新の通信環境が整備され、長期乗船時も家族と連絡が取れるなど、若い世代のニーズにも配慮。

体験航海では、「海上保安官になりたい」という夢や動機を持った中高生が多く参加し、一つひとつの設備や訓練への関心を高めています。現役職員による説明会も行われ、「海に興味がある人、助けたい人、守りたい人」を積極的に募る姿は大きなアピールとなりました。

  • 理系・工学系だけでなく文系出身でも応募可能という柔軟性が紹介され、より多様な若者への門戸が広げられています。
  • 船舶のエンジンルーム体験や、実際の救難模擬など、現場感覚を五感で学べる仕組みが強み。

南富良野高校での職業説明会と「夢」へのきっかけ

南富良野高校でも海上保安庁の職員による職業説明会が開催されました。テレビニュースでは、村田さんという高校生が「夢は海上保安官です」と語る様子が報道されています。

  • 職員自らが「海上保安官とは何か」を分かりやすく説明し、「なりたい」という気持ちを具体的にイメージできるようサポート。
  • 村田さんのような若者を増やすため、海上保安庁は全国各地で説明会や出張授業を展開しています。

こうした取り組みは、職業選択や将来の進路について悩む生徒たちに「公的使命感」や「社会貢献のやりがい」を伝える機会となっています。

海上保安庁の仕事のやりがいと将来展望

海上保安庁の仕事は多岐にわたります。事故・災害への迅速な対応、日本周辺海域の治安維持、海難救助、国際協力、そして平時は海洋調査や教育活動など、専門性とチームワークが求められます。船での共同生活や、現場での緊張感もあり、決して楽な仕事とはいえません。

  • その分「海や人を守る」という社会的使命とやりがいを感じられることが魅力。
  • 多様なスキルへのニーズが高まっており、理系・文系問わず幅広い能力が活かせます。
  • 国際協力や災害対応など、地球規模の課題解決に貢献できる職業です。

今後、海洋環境の変動や国際情勢の変化などにより、さらに高度な知識・技術が求められる海上保安庁ですが、最新鋭船「いつくしま」など教育体制の強化に加え、職場体験・説明会の拡充を通じて、若い世代への「夢の橋渡し」役を果たしていくことが期待されています。

海上保安官への夢を後押しするために

海上保安庁は「海を守る」「人を守る」という使命感を大切にしつつ、より多くの若者がその「やりがい」を実感できる機会を創出しています。職場体験や体験航海は、現場のリアルな雰囲気や仕事の価値を直接体験できる場であり、未来の海上保安官を夢見る若者にとって大きな一歩となるものです。

  • 家族や地域に支えられながら、「海の安全」を担うプロフェッショナルとして、誇りを持てる仕事です。
  • 今後も体験機会の充実や情報発信を通じ、「海上保安官になりたい!」という強い思いを後押ししていくことが期待されます。

今回紹介した高松や南富良野など、全国各地で繰り広げられる取り組みは、確実に将来の人材確保と海上保安庁の発展につながっています。さあ、みなさんも“海の安全”の現場に思いを巡らせ、海上保安官という職業に目を向けてみませんか?

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