「大丈夫！」高知・桂浜の龍馬像、地元小学生が高所作業車で清掃
高知市のシンボルともいえる桂浜の坂本龍馬像が、地元の小学生たちの手でピカピカに生まれ変わりました。高さ15メートル近くある龍馬像の清掃に、高知市立浦戸小学校の5・6年生12人が参加。命綱をつけて高所作業車のゴンドラに乗り、龍馬の顔や肩、おでこまでていねいに磨き上げました。
「おでこがベタベタ」？龍馬像の汚れに子どもたちもびっくり
桂浜の坂本龍馬像は、台座を含めると地上から約15メートルの高さにそびえ立ち、太平洋を力強く見つめる姿が印象的です。長年、多くの観光客に愛されてきたこの像も、風や潮、鳥のふんなどによって少しずつ汚れがたまっていました。
特に、龍馬像の顔の部分、特に「おでこ」や鼻のあたりは、手で触れるとベタベタするほど汚れが目立つ状態に。地元の人たちの間では「そろそろきれいにしてあげたいね」という声もあがっていたそうです。
そんな中、高知県を拠点とする四国電力グループが、自社の高所作業車を使って「龍馬像の清掃イベント」を企画。桂浜にほど近い浦戸小学校の児童たちに声をかけ、特別な清掃活動が実現しました。
12人の小学生が「龍馬の洗濯日和」に挑戦
清掃当日は、快晴の「龍馬の洗濯日和」。浦戸小学校から5・6年生の12人が参加し、安全のための命綱をしっかり装着して、高所作業車のゴンドラに乗り込みました。
ゴンドラがゆっくりと上昇し、龍馬像の顔の高さまで到達すると、子どもたちは早速、濡らした布でていねいに拭き始めます。龍馬の鼻、頬、肩、そして気になっていたおでこまで、隅々まで丁寧に磨いていきました。
「拭いた後の雑巾が真っ黒！」と、汚れの多さに驚きながらも、「龍馬さん、きれいになってよかったね」と笑顔を見せる子どもたち。龍馬像の背中や帽子のふちまで、手の届く範囲をすべてきれいにしました。
「怖いけど、大丈夫！」15メートルの高さで子どもたちの元気な声
地上15メートルの高さは、大人でも足がすくむほど。子どもたちも「正直、すごく怖かった」と打ち明けます。
でも、インタビューで「怖くないの？」と聞かれた男子児童は、少し震えながらも「怖い！でも、大丈夫！」と元気よく答えました。その言葉に、見守っていた保護者やスタッフからも笑みがこぼれました。
「鼻とか肩とか、黒くなっているところをいっぱい拭きました」と話す子どもたち。龍馬像の顔を間近で見られる貴重な体験に、「イケメンだね」「龍馬さん、優しそう」と感想を口にします。
記者も体験！「龍馬先生をこの位置から見る機会はなかなかない」
この様子を取材していた高知さんさんテレビの竹久祐樹記者も、高所作業車に同乗。ゴンドラが龍馬像の頭上まで上昇すると、「正直、足がすくみます」と本音を漏らします。
「高さ15メートルの位置まで上がってきました。龍馬先生をこの位置から見る機会はなかなかありません。龍馬先生は、どんな思いで太平洋を眺めているんだろう」と、感慨深げに語りました。
普段は遠くから見上げるだけの龍馬像が、目の前に迫るその光景は、まさに「龍馬の視点」。子どもたちだけでなく、大人にとっても忘れられない体験になったようです。
四国電力グループの思い「地元のシンボルを次世代に」
今回の清掃活動を企画したのは、高所作業車を所有する四国電力グループの関係会社。桂浜を訪れる観光客に、美しい状態の龍馬像を見てもらいたいという思いから、この企画が生まれました。
「龍馬像は高知の宝物。地元の子どもたちに、自分の手で守る大切さを感じてもらいたい」と、担当者は話しています。
高所作業車の技術と、地元企業の協力、そして子どもたちのやる気が合わさって、龍馬像は新年に向けてすっかりきれいな姿を取り戻しました。
浦戸小学校の子どもたち「龍馬さん、きれいになったよ」
清掃を終えた浦戸小学校の児童たちは、龍馬像を見上げながら「龍馬さん、きれいになったよ」「また遊びに来るね」と声をかけます。龍馬像の足元には、手作りのメッセージカードも置かれました。
「龍馬さん、いつも見守ってくれてありがとう」「ぼくたちも、龍馬さんみたいにがんばります」といった言葉が、龍馬像に寄せる感謝の気持ちを伝えています。
この清掃活動を通じて、子どもたちは「歴史の偉人」である坂本龍馬だけでなく、「自分たちのまちのシンボル」としての龍馬像に、より親しみを感じるようになったようです。
2026年も桂浜から見守ってください
清掃を終えた坂本龍馬像は、2026年の午年を迎えるにあたり、さらに凛々しい姿で桂浜に立ちます。多くの観光客が訪れるこの場所で、龍馬はこれからも、高知の海と空を見つめ続けることでしょう。
地元の小学生たちが「大丈夫！」と笑顔で拭き上げた龍馬像。その清々しい姿は、高知の冬の風物詩として、多くの人の心に残ることでしょう。
来年、桂浜を訪れる際は、ぜひ、この子どもたちの手で磨き上げられた坂本龍馬像を、じっくりと見てあげてくださいね。
