「愛子さまは天皇になれるのか」―長くタブーとされてきた議論が、いま大きく動き出している

ここ数年、「愛子さまが天皇になられる可能性」をめぐる世論と議論が、大きな転換点を迎えています。
かつては政治の場でもメディアでも、皇位継承問題、とりわけ女性天皇・女系天皇の話題は「タブー」とされがちでした。しかし、愛子さまが成年皇族となられ、公務でのご活躍を重ねるなかで、「愛子天皇を望む声」は、国内だけでなく海外からも注目されるほどに広がっています。

20年間「タブー視」されてきた愛子さまと皇位継承の議論

報道によると、政府はこの約20年間、本格的な皇位継承制度の見直し議論を避けてきたと指摘されています。特に、「愛子さま」を名指しして議論することは、政治家にとっても非常にデリケートなテーマとされ、「触れてはいけない話題」のように扱われてきました。

背景には、

  • 現行の皇室典範が「男系男子による継承」を定めていること
  • 「女性天皇」「女系天皇」をめぐり、保守派の間で強い反対論があること
  • 皇室の在り方を政治的な対立の材料にすべきではない、という配慮

などがあるとされています。
その結果、皇族の数が減り続ける現実が見えていながらも、具体的な制度改革は先送りされ続けてきました。

高市早苗首相の立場:「女系天皇」反対でも「女性天皇」には含み

この議論の中心にいる政治家として、いま特に注目されているのが高市早苗首相です。
高市首相は、安倍晋三元首相の“秘蔵っ子”とも言われ、以前から「女系天皇」には反対の立場を明言してきました。

ここで整理しておきたいのは、「女性天皇」と「女系天皇」の違いです。

  • 女性天皇:天皇の血筋(男系)を持つ女性が天皇になること
  • 女系天皇:母方の系統で皇統をたどる天皇(父が非皇族など)のこと

高市首相が反対しているのは「女系天皇」であり、「女性天皇」そのものには反対しない旨をインタビューなどで表明していると報じられています。
実際、「女性天皇に反対しているわけではない」と明言したことがあり、そこに「愛子さま天皇」への含みを読み取る専門家もいます。

また、宗教学者の島田裕巳さんは、次のような趣旨で指摘しています。

  • 現行の皇室典範は時代にそぐわなくなっており、このままでは皇室の存続自体が危ぶまれる
  • 皇室典範の改正とともに、皇室・皇族の在り方そのものを考え直す時期に来ている
  • 「愛子さまが天皇に即位し、その後も男系に継承していく」という形は十分にありえる

つまり、高市政権は「男系男子」を守る姿勢は崩していないものの、その枠内で愛子さまが天皇となられる可能性を完全には閉ざしていない、という見方が出ているのです。

「悠仁天皇まで決まっている」という言説に根拠はあるのか

一部では、「皇位継承は悠仁さまの代、つまり『悠仁天皇』まで既に決まっている」という言い方がされています。しかし、専門家からは「それには法的根拠がない」とする指摘も出ています。

現在の皇室典範では、

  • 誰が「次の天皇」かを個人名で明記しているわけではない
  • あくまで「男系男子」を条件とし、皇位継承の順番を定める枠組みがあるに過ぎない

といった仕組みで運用されています。
つまり、「将来のある時点で誰が天皇になるか」を、いまの時点で法的に固定している制度ではないのです。

そのため、「悠仁天皇までは決まっている」と断定的に言うのは、あくまで一部の人の希望的観測や政治的主張に近く、制度上の裏付けはないと説明されています。
この点からも、

  • 皇位継承の在り方は、今後の国会での議論や皇室典範改正によって変わりうる
  • 愛子さまが皇位継承の選択肢に入るかどうかも、これからの議論次第

と考えられます。

世論は女性天皇に「圧倒的賛成」―愛子天皇待望論の広がり

世論調査では、女性天皇を認めるべきだと考える国民が8〜9割に達すると報じられています。2024年に行われた共同通信や毎日新聞の調査でも、「女性天皇容認」に賛成する声が圧倒的多数を占めたといいます。

この流れの中で、インターネット上を中心に広がってきたのが「愛子天皇待望論」です。単なるネット上の話題にとどまらず、

  • 愛子さまのお名前を出さない形の世論調査でも、女性天皇への支持が多数を占める
  • 皇位継承問題についての識者の論考やシンポジウムが増え、メディアでも大きく取り上げられるようになった

など、社会全体の関心が確実に高まってきました。

さらに、2025年12月には「愛子さまを天皇(令和の皇太子)に?」と呼びかけるオンライン署名に、約5万人が賛同したと報じられています。
この数字は、決して少なくありません。あくまで一つの民間の動きではあるものの、「愛子さまを将来の天皇として迎えたい」という具体的な意思表明が広がっていることを示しています。

愛子さまのご活躍と「帝王学」―島田裕巳氏が見る「違い」

では、なぜここまで「愛子天皇待望論」が高まっているのでしょうか。
その背景として指摘されているのが、愛子さまご自身のお人柄とご活動です。

愛子さまは大学を卒業されて以降、単独公務の機会も増え、2025年にはラオスを単独で訪問されるなど、公務の幅を着実に広げておられます。
2025年12月、千葉大学看護学部創立50周年の式典にご出席になった際には、直前に起きた強い地震で不安を抱える人々に寄り添うような挨拶をされ、その温かい言葉が大きな反響を呼びました。

宗教学者の島田裕巳さんは、こうしたご公務やお言葉を通して見えてくるのは、日々の暮らしの中で自然に育まれてきた「天皇家の帝王学」だと述べています。
島田氏は、

  • 愛子さまには、日常生活や教育環境の中で身につけられた「人への寄り添い方」がある
  • その姿勢は、国民に安心感や信頼感を与えるものだ

と指摘し、そこに「次代の象徴」としての資質を見いだしています。

一方で、今の制度のもとでは、皇位継承順位は悠仁さまが最も上の「皇位継承者」であると整理されています。
ただ、島田氏をはじめとする識者の中には、「愛子さまにあって悠仁さまにはまだ見えないもの」として、こうした帝王学的な「成熟」の部分を挙げる論考もあります。
もちろん、悠仁さまはまだお若く、これから経験を重ねていかれる途上にありますので、断定的な比較は慎重であるべきですが、「現時点で国民に広く知られ、信頼を集めているのは愛子さまのほうだ」という世論の感覚は、確かに存在しています。

皇室典範と歴史から見た「女性天皇」

現在の皇室典範第1条は、「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と規定しており、女性天皇を認めていません
しかし、歴史を振り返ると、日本にはすでに複数の女性天皇(女帝)が存在していました。

たとえば、

  • 推古天皇(日本初の女性天皇)
  • 皇祖神とされる天照大神の神話上の位置づけ

など、「女性が国を治める」ことは、決して日本の伝統からかけ離れたものではないと指摘されています。
高市首相自身も、「女性のリーダーが期待されている現実」を誰よりも理解しているはずだとする見方もあり、自らが女性首相として「ガラスの天井」を破った立場であることが、「女性天皇」への理解を深める可能性がある、と分析する専門家もいます。

また、2025年に日本で初の女性首相が誕生したこともあり、「政治のトップに女性が立ち、次は象徴たる天皇にも女性が就く」という象徴的な流れを指摘する論者も現れています。
これらの動きは、愛子さまが天皇になられる可能性を議論する土壌が、以前よりも格段に整いつつあることを示していると言えるでしょう。

「愛子さま天皇」はどこまで現実的なのか

では、愛子さまが実際に天皇となられる可能性は、どこまで現実味を帯びているのでしょうか。
ここで重要なのは、

  • 憲法と皇室典範に基づき、皇位継承はあくまで制度の問題であること
  • 制度を変えるかどうかは、最終的には国会の議論と立法にかかっていること

です。

今のルールのままでは、愛子さまは皇位継承資格を持たない位置づけです。
しかし、

  • 政府のこれまでの「20年間の先送り」に対する批判
  • 皇族数の減少への強い危機感
  • 女性天皇容認に対する国民の圧倒的多数の支持
  • 愛子さまご自身のご活躍と、それに対する国内外の評価

といった要素が重なり、「皇室典範を改正し、愛子さまに皇位継承の道を開くべきだ」という声は、確実に大きくなっています。

宗教学者・島田裕巳さんは、「愛子さまが天皇に即位し、その後も男系で継承していく」ことは十分にあり得ると述べ、これは「女系天皇」ではなく「女性天皇」としての即位を想定したものです。
このシナリオは、

  • 保守派が重視する「男系の維持」
  • 世論が求める「女性天皇の容認」

折衷案として議論されている形でもあります。

これからの焦点:「タブー」から「開かれた議論」へ

いま、皇位継承をめぐる日本社会の空気は、大きく変わりつつあります。

  • 「愛子さま」というお名前を出すこと自体が、かつては避けられがちだった
  • しかし現在は、メディアでも「愛子天皇」論が堂々と語られるようになった
  • 若い世代を中心に、SNSやネットメディアで活発な議論が行われている

そうした中で、これからの大きな焦点となるのは、

  • 政府が、これまでのように「先送り」を続けるのか
  • それとも、皇室典範改正を含む本格的な制度論議に踏み出すのか

という点です。

「悠仁天皇までは決まっている」という言い方には法的な裏付けがないことからも分かるように、皇位継承の未来は、まだ固定されてはいません。
そして、その行方を左右する大きな要素の一つが、愛子さまを天皇としてお迎えしたいと願う国民世論であり、その声を受け止める政治の姿勢だと言えるでしょう。

かつて「タブー」とされたテーマは、いまや多くの人が真剣に語るべき課題になりました。
愛子さまが天皇になられる可能性を考えることは、同時に、これからの日本社会がどのような「象徴」とともに歩んでいきたいのかを考えることでもあります。
私たち一人ひとりが、静かに、しかし確かな関心を持ち続けることが、議論を前に進める力になっていくのではないでしょうか。

参考元