本日12月2日は「きぼう」観測の大チャンス

宇宙航空研究開発機構(JAXA)の発表によると、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」が12月2日(火)の夕方17時55分頃から日本付近を通過します。この時間帯は、肉眼での観測に最適な条件が揃っており、天気に恵まれれば自宅やお近くの公園からでも宇宙ステーションの姿を捉えることができる貴重な機会となります。

国際宇宙ステーションは地上約400km上空に建設された、人類史上最大の宇宙施設です。きぼうはこのISSに搭載された日本の実験棟で、宇宙での実験・研究や地球・天体の観測などを行うプロジェクトの中核を担っています。普段は夜空で見ることができない存在ですが、特定の条件下では、街中からでも肉眼で確認できるほどの明るさで輝きます

マイナス2等星の明るさで見つけやすい

条件がよければ、国際宇宙ステーションはマイナス2等星ほどの明るさ(1等星の基準の約15倍)になるとされています。これは街中でも見つけやすい明るさで、方角と仰角(地平線からの角度)が合えば、公園や家のベランダからでも気軽に観察することができます。

観測の際のポイントとしては、日没後や日の出前に国際宇宙ステーションが上空を通過すると、最初は一番星のような明るい点として見え始めます。その後、天頂(頭上)に近づくほど速く動いているように見えるという特徴があります。このため、通過予定時刻の少し前から空を見上げていることが確実な発見につながります。

各地の天気予報―観測可能性を左右する重要情報

本日の観測成功は天気に大きく左右されます。JAXAとウェザーニューズの予報によると、地域によって観測の難易度が異なるという重要な情報が入っています。

北日本・北陸:観測困難

北日本や北陸地方では、夕方の時間帯に雲が多く広がることが予想されています。残念ながら、これらの地域では国際宇宙ステーションを見つけるのは難しくなる可能性が高いです。

関東・山陰・九州南部:チャンスあり

関東や山陰、九州南部などの地域では、全体的に雲が広がるところが多いと予想されていますが、雲の隙間からISSを観察できるかもしれません。これらの地域にお住まいの方は、雲の隙間を注視することが重要です。

東海・その他の地域:最適な条件

東海地方やその他の各地では、晴れるところが多く、ISSを見つけやすい天気になりそうです。これらの地域は本日の観測に最も適した条件が期待できます。

確実に発見するための観測のコツ

国際宇宙ステーション「きぼう」を確実に発見したい場合は、いくつかの工夫が有効です。

場所選びが重要です。できるだけ空が開けていて、周りに高い建物が少ない場所を選ぶことをお勧めします。これにより、視界が広がり、ステーションを見落とす可能性を減らすことができます。公園のような開けた場所や、高い建物のない屋外スペースが理想的です。

時刻の確認も欠かせません。17時55分頃からの通過予定ですが、この時刻から数分間で上空を通過します。観測予定の5~10分前から空を見上げる準備をしておくと良いでしょう。

また、方角と仰角の確認が成功の鍵となります。#きぼうを見ようなどの専門サイトでは、地域ごとに詳細な観測方向と角度が提供されています。事前にこれらの情報をチェックしておくことで、より効率的に観測できます。

全国の観測予報サイトを活用しましょう

#きぼうを見ようというサイトでは、国際宇宙ステーションが見える予測日時を提供しています。地域ごとの詳細な観測情報や、軌道データに基づいた正確な予測を得ることができます。名古屋や広島などの主要都市ごとの見え方も公開されており、自分の住む地域からの具体的な観測方法を確認することが可能です。

今夜、宇宙に思いを馳せるチャンス

本日12月2日の夕方は、多くの日本国民が同時に同じ目的で空を見上げる、非常に特別な時間になるでしょう。天気に恵まれた地域にお住まいの方は、ぜひこの観測チャンスを活用してください。

国際宇宙ステーション「きぼう」は、人類が宇宙で行っている様々な重要な実験と研究の舞台です。その光が地上から見える瞬間は、私たちを宇宙とつなぎ、科学への好奇心や宇宙への憧れを呼び覚ましてくれます。晴れた地域の方も、曇っている地域の方も、この機会に空を見上げることで、宇宙への関心が深まることでしょう。

観測予報の詳細情報については、JAXAの公式サイトやウェザーニューズ、#きぼうを見ようなどの専門サイトを参照してください。安全で快適な観測環境を整えて、本日夕方の宇宙ステーション通過をお楽しみください。

参考元