8歳が魅せた「ブラインドタッチ」—高知家タイピング選手権小学校低学年の部で優勝、将来の夢は“人助け”
2025年8月27日、高知県で開催された「高知家タイピング選手権」小学校低学年の部において、横浜新町小学校2年生の濱田隼士さん(8歳)が見事優勝を果たし、多くの人々にその高いタイピングスキルを披露しました。同じ日には、県教育長とのタイピング対決にも臨み、目の前で「ブラインドタッチ」の技を見せつけました。
タイピング選手権とは―子どもたちの“手で未来を切り拓く”場
「高知家タイピング選手権」は、高知県教育委員会が主催し、県内の全小中学生を対象に開催されている“タイピングスキル”の向上を目指した大会です。目的は、子どもたちにパソコン活用の機会を増やして、早く正確に文字を入力する力を育てること。2025年の大会では、県内の小学校低学年だけでも約1,000人が参加し、年々注目度が増しています。
- 競技はタイピングソフトを用い、入力の速さと正確さ(ミスタイプ率)でスコアが決定
- 県の学習支援プラットフォーム「高知家まなびばこ」のシステムを活用
- 成績上位者には表彰状が贈られ、子どもたちのやる気を応援
小2で“人差し指”以上の進化――濱田隼士さんの軌跡
濱田隼士さんは、小学校2年生ながらキーボードの配置や指使いを覚え、手元を見ない「ブラインドタッチ」をすでに習得しています。その指使いは大人顔負けで、まるでピアノを弾くかのよう。周囲の大人や指導者からも「まさにスーパーキッズ」と称賛されています。
タイピングに興味を持ったのは、3歳上のお兄さんの影響。家族でパソコンを使う光景のなか、自然と興味を持ち、学校でもタブレット端末に触れる機会が増えたことで「もっと上手になりたい」と努力を重ねてきました。その成果が、昨年から2倍近くも向上した成績につながったのです。
教育長とのタイピング対決――伸びる子どもの力
今年の表彰式では、高知県の今城純子教育長自らが隼士さんにタイピング勝負を挑みました。結果は、濱田隼士さんが616点、教育長が368点と、ダブルスコア近い圧倒的な勝利!
多くの大人が仕事で日常的にタイピングをしていても、小学生の「練習の継続」と「日々の積み重ね」による技術の伸びは計り知れません。その姿は、教育長だけでなく、多くの参加者や保護者に大きな刺激を与えました。
ICT活用時代の子どもたち――県全体で広がるデジタル教育
高知県では、先進的な教育政策として「全小中学生1人1台タブレット」の配布を進め、日常の学習や各授業でPC操作やタイピングの必要性が増しています。現代社会においては、国語や算数と同じくらい、“パソコンを使いこなす力”が求められる時代になりました。
- 各教科でタブレット活用が定着し、児童生徒の意欲や発表力も向上
- 自主学習や調べ学習で「情報の集め方」「自発的なアウトプット」が重視される
- タイピングスキルの自信がICT利活用の推進力に
そのような状況で、タイピング選手権の意義は年々大きくなっています。“パソコンが苦手”と思っていた子どもにとっても、この大会が新しい“自信”や“夢”へのきっかけになるのです。
隼士さんの夢――「人助けをしたい」
タイピングで見せた集中力や探求心は、将来への夢にも繋がっています。インタビューで「将来の目標は“人助け”」と語る隼士さん。将来、どんな仕事や分野でもパソコンスキルが必要になる時代、この力は彼の“未来を切り拓く武器”になるでしょう。
タイピング選手権での経験を活かし、今後も自らを高め、多くの人の役に立ちたいという思い。それは、現代のデジタル教育が育む「主体性」「協働性」の象徴でもあります。
次回大会へ向けて――広がる挑戦の輪
第8回「高知家タイピング選手権」は、2025年11月10日から12月12日まで開催予定です。日々の練習でスキルを高めてきた児童生徒たちが、次なる“成長の場”を目指して集います。
- 県内全ての小中学生が対象で、オンライン参加が可能
- 部門ごとに表彰が用意され、多様な子どもたちが輝けるチャンス
- 自宅や学校など身近な環境から参加でき、多くの児童がICTとの距離を縮めている
この取り組みは、子どもたちの“自己肯定感”や“自己表現力”を高める点でも大きな意義があります。保護者や指導者の温かな応援のもと、未来の「スーパーキッズ」たちが次々に誕生することが期待されます。
タイピングが繋ぐ「学び」と「未来」
タイピングスキルは、今や「学びの入り口」でもあり、「未来の仕事」の扉でもあります。小学校低学年の児童が、自分の“手”で言葉を紡ぎ、思いや考えを届ける力を養っている姿は、時代を象徴するものです。
濱田隼士さんの活躍が、これからの多くの子どもたちの“挑戦意欲”を引き出し、新しい可能性を切り拓くことでしょう。
編集後記
「人助けをしたい」というまっすぐな想いと、日々コツコツと積み上げてきたタイピングのスキル。指先だけでなく、心をもってキーボードに向き合う隼士さんの姿は、現代の子どもたちの希望です。次回の選手権でも、多くのスーパーキッズの登場に注目が集まります。