阪急電鉄とロックバンド「くるり」が贈る“走る阪急写真館”――音楽とともによみがえる乗客の思い出
はじめに
阪急電鉄が2025年9月22日より開始した新しい広告プロモーション「走る阪急写真館」は、鉄道好きとしても知られる人気ロックバンドくるりとのコラボレーションで大きな話題を集めています。沿線や駅で交差する人々の多彩な思い出を、音楽・映像・写真・言葉で温かく包み込むこのプロジェクト――その全容と多くの共感を呼ぶ背景、そしてこの物語が私たちに届けてくれるものを、やさしい口調でわかりやすくご紹介します。
プロモーションの概要と目的
「走る阪急写真館」は、阪急電鉄とくるりのコラボレーションによる広告プロモーションです。その目的は、阪急電車や沿線にまつわるさまざまな乗客の思い出を広告コピーや映像で表現し、多くの方々が自身の「阪急の思い出」を振り返るきっかけを生み出すこと。そして、普段から何気なく乗る電車や降り立つ駅に、改めて親しみや愛着を感じてもらうことにあります。
- 実施開始日:2025年9月22日(月)
- 展開場所:大阪梅田駅、西宮北口駅、烏丸駅、神戸三宮駅など主要駅のデジタルサイネージ、公式YouTube
- キービジュアル・ポスター、映像、特設ウェブサイト
これまでも阪急電鉄とくるりは、2016年の初コラボや2018年の阪急主催授業などで長年にわたる縁を育んできました。今回の大規模な取り組みは、「阪急電車とともにある記憶や物語」を新しい形で語り直す試みとして、多方面から高い注目を集めています。
くるり書き下ろしの新曲『3323』――音楽に宿る鉄道愛と記憶
今回のプロモーションの中心となるのが、くるりが本企画のために書き下ろした新曲『3323』です。この楽曲は、くるりのボーカル・岸田繁さんが憧れ続けた阪急電車「3323編成」に由来して名付けられました。曲は、ゆったりと記憶に残るメロディーで、多くの人が鉄道や沿線で味わった人生のひとコマを、優しく歌い上げています。
岸田さんは子どものころから阪急京都線を利用し続けてきたそうです。「変わらない風景も、変わっていくものもある。電車に乗るたびに祖母との日々を思い出すことがある」と語り、楽曲にはそんなノスタルジックで温かい思いが込められています。実際に曲中では「電車」を切り口として、家族や友人、親子、さまざまな乗客同士の記憶が歌詞として紡がれています。
コンセプトムービーと映像表現
「走る阪急写真館」のコンセプトムービーは、阪急沿線や車内で交わされた思い出を持つ人々の声で綴られ、世代を超えた広い共感を誘います。映像の軸には、仮想のイベント列車に乗り込む孫と祖母をはじめ、家族や友達、親子などさまざまな「阪急の思い出」が散りばめられています。語られたエピソードごとに、車窓からの風景が写真となって積み重なり、新たな思い出がまた生まれていく――そんなシーンも印象的です。
- 映像は公式YouTubeチャンネルや主要駅のデジタルサイネージで公開
- 15秒バージョンとフルバージョンの2種類を用意
- 映像には乗客の体験や家族の物語が盛り込まれ、心温まる雰囲気が広がります
また広告ポスターには、実際に「車窓の風景」と「阪急の思い出」を組み合わせた写真が採用され、「阪急電車は、もはや愛車」というメッセージも添えられています。これもまた、鉄道のある日常に感謝する多くの人の共感を呼びそうです。
特設サイト「走る阪急写真館」と連動キャンペーン
プロモーション開始にあわせて公開された特設ウェブサイト「走る阪急写真館」では、くるりが『3323』に込めた想い・ストーリーや、乗客みずから投稿した阪急電車にまつわる思い出が紹介されています。さらに、沿線各地や阪急電車内には、「くるり」が写るポスターが多数掲出されているため、日常のなかで偶然に目にする楽しさも加わりました。
- くるりのメッセージやエピソードを通じ、ファンと鉄道、双方の新しい繋がりが生まれます
- サイトでは、一般から募った思い出の写真や広告コピーも展示
- 電車にまつわる個人的な体験が、社会全体の物語としてシェアされていることが特徴です
またこの一連の広告キャンペーンは、多世代の乗客がそれぞれに持つ思い出を可視化し、「阪急電車」とともにある人生の節目節目をさりげなく彩っています。
阪急電鉄とくるり――地域と歴史、文化への想い
阪急電鉄は、1907年の創業以来、関西圏の人々の日常を支え続けてきました。その電車がより愛され、地域文化の一部として受け入れられている背景には、沿線の暮らしや家族の歴史、地域の行事が密接に絡んでいます。くるりもまた、音楽活動と並行して、地元や公共交通への想いを強く持ち続けてきました。今回のプロモーションは、まさに「音楽と鉄道」「記憶と広告」が美しく交差する稀有な事例だといえるでしょう。
- くるりは過去にも阪急電鉄主催の教育プログラムなどに協力
- 楽曲『3323』に盛り込まれた地元愛と鉄道愛はファンのみならず広い世代に訴求
- 広告を通じて鉄道文化が次世代へと自然に継承される仕組みづくりにも寄与
世代を超えて共感を呼ぶストーリー――参加型・共創的なうねり
今回のプロモーションは、単なる広告展開にとどまらず、「#阪急の思い出」などのハッシュタグで一般参加も呼びかけています。誰もがそれぞれの阪急でのひとときを写真やストーリーとして共有し合い、それぞれの思い出が新たな物語を生み出す――そんな「参加型・共創型」の魅力も大きな特長です。
- 自身の記憶が社会全体の物語に昇華され、個人の思いが可視化される
- 鉄道・沿線地域・音楽ファン、広告業界といった異なる層の間の壁を超えて、共感が広がる
まとめ
阪急電鉄とくるりが届ける「走る阪急写真館」プロモーションは、乗客それぞれの思い出に光をあて、その一瞬一瞬が音楽で彩られることで、鉄道と人、日常と非日常、家族と自分をつなぎ直す温かい物語です。これから阪急電車に乗るとき、きっとあなたも、自分だけの特別な“走る写真館”を心に思い浮かべるかもしれません。