Googleマップが発表した「口コミ人気スポット」から見る金閣寺の現在地と京都・滋賀の観光最新動向

はじめに

2025年7月、Googleマップ20周年を記念して、全国47都道府県ごとに「クチコミ人気スポット トップ5」が発表されました。このランキングは、日本各地の観光名所や人気スポットを、実際のユーザーが投稿したクチコミ件数や評価をもとに客観的にランク付けしたものです。金閣寺は古くから京都を代表する歴史的建築であり、国内外から多くの観光客を集めてきましたが、今回の発表は観光地の新たな「今」を示唆しています。本記事では、ランキングの背景や金閣寺が置かれている状況、そして地域観光の最新トレンドについて詳しく解説します。

Googleマップ「口コミ人気スポット」ランキングとは?

Googleマップ20周年を迎え、2025年6月に集計されたデータによって都道府県ごとの「口コミ人気スポット」がトップ5として発表されました。選定基準は、「Googleマップ上のクチコミ数」と「レビュー評価」など、利用者のリアルな声をもとに、飲食店やホテルを除いた観光施設やランドマークが集計対象となっています。

ランキングには、国内外の旅行者から高い注目を集めている各地の名所が名を連ねており、その動向は観光業界のみならず、地域振興や行政にとっても大きな参考資料となっています。

京都府の口コミ人気スポット・トップ5と金閣寺

歴史と伝統が息づく古都・京都。Googleマップの口コミデータによると、京都府トップは「伏見稲荷大社」となり、金閣寺は3位にランクインしています。

  • 1位:伏見稲荷大社 (千本鳥居で有名な稲荷信仰の総本社)
  • 2位:(不明、記事では明記なし)
  • 3位:金閣寺(鹿苑寺) (世界遺産、黄金の輝きが象徴的な庭園寺院)
  • 4位:(不明、記事では明記なし)
  • 5位:(不明、記事では明記なし)

ランキング上位に食い込む金閣寺ですが、1位の伏見稲荷大社や、2位の意外なスポットが金閣寺の上位に配置されており、ユーザーの関心や観光動向に小さな変化が感じられます。

金閣寺とは?その歴史と普遍的人気の理由

  • 正式名称:鹿苑寺(ろくおんじ)
  • 通称:金閣寺(きんかくじ)
  • 所在地:京都市北区
  • 世界遺産:ユネスコ登録「古都京都の文化財」の構成資産
  • 創建:1397年、室町幕府三代将軍 足利義満による建立

金閣寺は、黄金の楼閣と池泉回遊式庭園が象徴的で、四季折々で趣きの異なる風景を楽しむことができます。その美しさは日本の歴史と文化、さらには観光立国日本の代名詞ともいえる存在であり、多くの旅行者を惹きつけてやみません。

なぜ金閣寺は3位なのか?ランキングに現れる京都の観光動向

「金閣寺=絶対的観光人気」という伝統的イメージがある一方、今回のトップ5ランキングでは3位という結果に。これは観光トレンドの変化を映し出しているとも解釈できます。

  • 伏見稲荷大社の人気の背景…インバウンド(訪日外国人)観光客にSNS等で爆発的に拡散された「千本鳥居」の非日常感と、自由に参拝できる24時間開放型の利便性が支持された結果、1位となりました。
  • 2位の「意外なスポット」…詳細は発表記事に明記されていませんが、京都の伝統エリアではない新たな体験型施設や現代的な文化施設である可能性が指摘されています。クチコミ評価の「多様性」を重視する傾向がみられます。
  • 金閣寺の根強い支持…世界的ブランドとしての普遍的な人気は依然として健在で、国内外から多くの観光客を集めています。金閣寺独特の荘厳さや絶景写真の投稿数も多く、安定したランキング入りを維持しています。

滋賀県ランキングも注目!関西エリア広域の観光トレンド

京都に隣接する滋賀県でもランキングが発表され、首位は「彦根城」、2位が「大津SA」(サービスエリア)、3位「延暦寺」がランクインしています。

  • 彦根城…国宝に指定された天守と人気キャラクター「ひこにゃん」で知られている。
  • 大津SA…琵琶湖を望む絶景スポットかつグルメ充実のサービスエリア。
  • 延暦寺…天台宗総本山、世界遺産であり歴史的価値が高い。

2位の「大津SA」は観光名所というよりも「移動+食+景観」という現代的な消費傾向で人気を集めている点が特徴的です。

新しい観光の「価値」と「体験」

今回のランキングから見えてくるのは、伝統や世界遺産といった「定番」の強さに加え、ユーザーの行動そのものが観光の新しい価値を創り出しているという点です。

  • リアルなクチコミの重み…SNSやレビューサイトの投稿が、ランキングや観光需要に直結する時代へ。
  • 多様な消費動向…「写真映え」「アクセスの良さ」「ちょっと変わった体験」など、価値観が多様化。
  • 体験型観光の拡大…寺社仏閣や古城だけでなく、サービスエリアや公園といった「気軽に立ち寄れる」空間でも高評価が集まる傾向に。

一方で、定番である金閣寺や伏見稲荷大社、彦根城などはその「圧倒的な存在感」と「物語性」によって、今後も揺るぎない人気が続くと予想されます。

観光事業者・自治体への示唆

Googleマップのクチコミランキングは、観光スポットの「実力」を可視化すると同時に、潜在的な新名所や新サービスの発見にもつながります。これからの観光施策ではユーザー体験や声に耳を傾けることが不可欠です。利用者の需要を的確に読み取り、歴史的価値、現代的利便性、独自の体験など多様な価値を組み合わせた観光づくりが、今後さらに重要となるでしょう。

金閣寺をこれから訪れる皆様へ

金閣寺をはじめて訪れる方も再訪の方も、その時々で異なる風景や新しい発見に出会うことができるでしょう。ランキングをきっかけに、日本の伝統文化の中で今もなお輝きを放つ金閣寺を、自分自身の「オリジナルな体験」として楽しんでみてください。

そして、ランキング上位の他スポットについても足を延ばし、関西の多様な観光の魅力にぜひ触れてみてください。

参考元