選ばれし「イケタヌ」の総選挙がスタート!信楽焼のタヌキ陶芸作品が競う
滋賀県甲賀市の信楽町で、ユニークなイベント「第2回イケタヌ総選挙」が現在開催されています。このイベントは、信楽焼で知られるタヌキの置物にちなみ、オリジナリティ溢れる「イケてる」タヌキの陶芸作品を募集し、グランプリを決定するもので、2025年9月1日から9月30日までの期間に作品募集が行われました。
今年度の第2回目となるこの総選挙には、全国からタヌキの陶芸作品の応募がありました。応募された作品の中から厳選された10体のタヌキが、一般投票による総選挙の候補作品として選ばれています。
信楽焼とタヌキの深いつながり
甲賀市信楽町は、日本六古窯のひとつに数えられている信楽焼で全国的に有名です。信楽焼といえば、タヌキの置物が象徴的な存在となっており、この特徴的なイメージは昭和天皇の存在によって全国に広がりました。
昭和天皇は幼少の頃からタヌキコレクターで、「おさなとき あつめしからに なつかしも 信楽焼の 狸を見れば」という歌を詠まれたほどです。このことが全国に報道され、「信楽焼=タヌキ」というイメージが強く印象づけられるようになりました。
信楽のタヌキは単なる装飾品ではなく、お店の前などに置かれているのは縁起が良いためとされています。11月8日は「信楽たぬきの日」として制定されており、これは「いいハチの日」という語呂合わせから来ています。信楽焼のタヌキには八相縁起という8つの縁起が表されているため、毎日立ってがんばっているタヌキたちを労おうと、2012年から記念日が制定されました。
今年の投票期間と投票方法
イケタヌ総選挙の投票期間は、2025年11月1日(土)から12月14日(日)までとなっています。
投票は、複数の場所に設置された総選挙看板の二次元コードを読み取って行うことができます。投票場所としては、新名神高速道路の土山サービスエリア、信楽高原鐵道信楽駅のほか、甲賀流リアル忍者館、甲賀市信楽伝統産業会館、信楽産業展示館など、複数の施設で投票可能です。
グランプリ作品の発表と投票者へのプレゼント
最も多くの票を集めた作品は「イケてる陶器タヌキ」としてグランプリ作品に決定され、グランプリ発表は2025年12月25日(木)に予定されています。
グランプリに輝いたイケタヌだけでなく、投票いただいた方の中からも抽選で10名様に2,000円分の商品券がプレゼントされます。
応募作品の基準と審査方法
このイベントへの応募条件は、タヌキの陶芸作品であることですが、信楽焼に限定されていません。瀬戸焼や常滑焼などの他の陶芸作品でも応募が可能です。
作品の大きさは直径・高さとも10cm以上50cm未満という規定があり、オリジナリティに溢れた作品が対象となります。
2025年の募集では、計23点の応募がありました。応募作品の中から主催者による1次審査が行われ、10点が総選挙の候補作品として選ばれました。
信楽焼の歴史と芸術作品への影響
信楽焼の魅力は、自然ならではの色やざっくりとした風合いが景色として出てくるのが特徴とされています。この独特の風合いが、多くの人々に愛され続けている理由の一つです。
また、信楽焼の影響は陶芸の領域にとどまりません。現在、大阪で開催されている万博の55年前にも大阪で開催された万博のシンボルである太陽の塔は、その背面に過去を表す黒い顔を持っていますが、この顔は実は信楽焼で制作されています。制作者の芸術家・岡本太郎さんも信楽に足を運んだとのことです。
イケタヌ総選挙の意義
第2回イケタヌ総選挙は、単なるコンテストではなく、信楽の伝統工芸である陶芸文化を全国に発信し、創作者たちの個性的な作品を広く紹介する貴重な機会となっています。「イケてる」というポップな表現を用いることで、従来の信楽焼のイメージに新しい魅力を加えています。
信楽たぬきの日の記念日事業として企画されたこのイベントは、信楽の文化と伝統を守りながら、次世代へ継承していくための重要な役割を果たしています。11月がいつにも増して信楽にはタヌキがお出迎えするイベントが開催される時期となっています。
投票参加をお待ちしています
どのタヌキがグランプリに輝くのか、その結果は12月25日に発表される予定です。推しのタヌキを見つけて、ぜひ投票に参加してみてはいかがでしょうか。投票期間は12月14日までとなっており、信楽を訪れる際や信楽高原鐵道の利用時に、容易に投票することができます。
この第2回イケタヌ総選挙を通じて、信楽焼の伝統と創意が一体となった、ユニークで個性的なタヌキたちの魅力がより多くの人々に伝わることが期待されています。
