藤井風、サードアルバム『Prema』で見せる新たな“愛”—全英語詞・3年の記録とMV密着、NHK特番放送決定

藤井風が2025年9月5日にリリースしたサードアルバム『Prema』は、彼のこれまでの音楽人生における集大成ともいえる作品です。本作は藤井風にとって初の全曲英語詞アルバムとしても注目を集め、国境やジャンルを超えた“愛”のメッセージが世界中に届けられています。「Prema」とはサンスクリット語で「無私の愛」「霊的な愛」「至高の愛」を意味し、藤井は「このアルバムは音楽以上のものであり、生き方そのもの」と語ります

アルバム『Prema』誕生の背景と全曲英語詞への挑戦

『Prema』は、前作『LOVE ALL SERVE ALL』(2022年)からおよそ3年ぶりとなる新作です。藤井風は以前から国内外で活躍を続け、数万規模のスタジアムライブを成功させ、複数回にわたって海外ツアーも敢行するなど、グローバルな存在感を増してきました。このアルバムの制作にあたって、藤井は自身に「もしこれが最後のアルバムになったら、どんな作品にしたいか」と問い続けたと言います

楽曲は全て英語詞で書かれており、世界への挑戦と自身の内面的成長を表現しています。藤井は、「英語で曲を書いたから何かが変わるわけではない。しかし、表現としての幅は確実に広がった」と語り、まだ「旅の途中」だと自身を表現しています。全編英語にした背景には、“愛”という普遍的テーマを母語を超えて届けたいという意志があったのです

『Prema』に込めた想いと藤井風の音楽観

アルバムのタイトル「Prema」は、藤井風が日常的に意識してきた言葉です。彼は「このプロジェクトは神が私を通じて完成させてくださった」と述べ、祈りや信仰心とも密接な関係を持つ“愛”について深く掘り下げています。サンスクリット語で“与えることそのものが喜びになる”無私の愛、インド哲学で神への信愛(バクティ)の最も高い形態とされる「Prema」を選んだのは、単なるラブソング集ではなく、「魂の成熟」から生まれる作品にしたいという強い意図がありました

藤井はアルバムについて、「この作品は純粋でシンプル、聴く人の心を穏やかにしてくれるもの」と述べています。また、「僕にとってこれは音楽以上のもの、生き方そのもの」と語り、“利己的でなく、魂に満ちた、最高の愛”こそが「Prema」だと繰り返し強調しました

アルバム制作の経緯―克服と成長の3年間

藤井風は「燃え尽き症候群」のような心境を告白しています。名声を極めてなお「何も言うことがなかった」と語った過去もありました。しかし、迷いや苦悩のトンネルを抜け、制作の3年間で「魂の成長」を実感するに至ります。「自分の中に確かな声を聴いた。私がクラシックと感じるお気に入りの曲でいっぱいの英語のアルバムを作ることで答えを見つけた」と自己変革の過程を語っています

アルバムのマスタリング作業は2025年4月に完了し、「Hachikō」のデモ制作開始(2022年4月)から約3年という月日が費やされました。期間中、藤井自身は一度音楽から離れる決意も抱き、すべてをリセットして再出発するための作品として本作を位置づけています。

グローバルな制作体制と楽曲の多様性

『Prema』のプロデュースは、韓国のプロデューサー250が担当。250はNewJeansやBoA、f(x)、NCT 127などK-POPシーンのヒットメーカーとして知られており、グローバルな音楽潮流と藤井風の個性が絶妙に融合したサウンドが特徴です。また、アメリカのシンガーソングライターShy Carterも作詞に参加。収録曲はリードトラック「Hachikō」や、シングルとして先行公開された「Love Like This」、「I Need U Back」、「Casket Girl」など計9曲が並びます

  • Hachikō
  • Love Like This
  • I Need U Back
  • Casket Girl
  • Prema(表題曲)
  • It Ain’t Over
  • You
  • Okay, Goodbye
  • ほか全9曲

それぞれの楽曲は、懐かしさと同時に新しさを感じさせ、個人的な体験が開かれた“祈り”のように昇華されていると評されています。「愛ではじめ、愛で終える」という藤井風らしい一貫したメッセージがアルバム全体に息づいています

プレミア公開MV「I Need U Back」—ヴィジュアルで届ける“Prema”

3rdアルバムより「I Need U Back」のミュージックビデオ(MV)がプレミア公開され、大きな注目を浴びました。本映像では、藤井自らが楽曲世界観の具現化に深く関与し、“Prema”の持つメッセージ性をビジュアルとしても体現しています。映像では、愛の象徴として多様なシンボルや色彩が描き出され、見る者それぞれに“至高の愛”の在り方を提示。MV公開と同時に、SNS上でも大きな反響が広がりました。

NHK MUSIC SPECIALで3年間の制作秘話とMV撮影を完全密着

今回、NHK『MUSIC SPECIAL』では、この『Prema』の制作過程―3年の軌跡に密着。今まで公にされなかった創作現場の映像や、海外レコーディングの様子、藤井自身が楽曲に込めた本音を丁寧に追いました。特集ではMV撮影の裏側にも初めて迫り、藤井本人が語る「Prema」の“愛”や、全曲英語詞に挑戦することへの葛藤、さらには神や魂と向き合う真摯な姿勢などがリアルに映し出されました。

  • 未公開カットや創作ノートも多数オンエア
  • 「I Need U Back」MVの撮影現場に密着
  • 海外スタッフやプロデューサーたちの証言も収録
  • 藤井自身が各楽曲解説を行う貴重な映像も

放送後はファンのみならず、初めて藤井風に触れる人々にも大きな感動と余韻を残し、続々と再放送の要望や特設サイトへのアクセスが寄せられています。

ファン・音楽業界・社会への波及効果—「Prema」が拓く新時代

『Prema』は、リリース直後から国内外の音楽ランキングでも高く評価され、ストリーミング・CDともに好調なスタートを切りました。評論家やミュージシャンからは「日本の音楽シーンをアップデートする一作」「英語詞でありながらも温かく包容力のある声とメッセージ性がますます際立った」と支持されています。SNSやファンコミュニティでは、各楽曲の解釈や、MVに込められた寓意を語り合うなど、新たな“Prema文化”とも言える現象も生まれています。

藤井風自身は「これからもまだ“旅の途中”」と語り、今後の更なる飛躍に期待が高まります。グローバルな音楽市場における日本人アーティストの可能性を広げる一方で、「言語や国境を越えて、人々の魂に愛を届けたい」という藤井風の決意が、聴く者の心に静かに、しかし確かに刻まれています。

まとめ—藤井風と『Prema』が示す“音楽×人生×愛”の新たな形

『Prema』は、藤井風が3年かけて辿り着いた心の旅路の結実であり、彼にとって音楽活動の新たな原点となる作品です。英語詞による普遍的な愛のメッセージ、グローバルな制作陣との協業、MV・NHK特番を通じた多角的な表現…。藤井風は今、世界の舞台で「愛を伝える旅」の新章を歩み始めています。これからの活躍からも目が離せません。

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