若手社員が描く「信頼を失ったフジテレビ」――ドキュメンタリー『当事者たち。』が問いかける“いま”と“これから”

フジテレビを襲った未曾有の危機――その内側でカメラが回る

2025年1月、フジテレビ本社で開催された最初の記者会見。そこには、外部のカメラを入れずに「社内だけで乗り越えられるはず」と臨んだ空気がありました。しかし、結果は失敗。スポンサー企業が次々とCM出稿を見合わせ、社内には“今まで経験したことのない危機感”が渦巻きました。社員はその惨状をただ見ているしかありませんでした。入社4年目の若手ディレクターは、「もう辞めたい」とすら思うほどに追い詰められましたが、「信頼を失ったフジテレビの内側でカメラを回したい」という決意を抱きます。その思いが今回のセルフドキュメンタリー『当事者たち。 ~フジテレビ入社4年目の記録~』の原点です。

当事者の目線で描くフジテレビの現場――葛藤と希望

  • 若手社員は「自分が働く会社が目の前で信頼を失っていく様子を見ていることしかできなかった」と述懐します。
  • 社員は無力感や怒り、“消えてなくなれ” “早く潰れろ”といった社外の厳しい声にも直面しながら、自分の中で「何をするべきか」を探しつづけました。
  • 「自社にカメラを向けることは一種の義務」と胸のうちを明かすディレクター。日々揺れる現場のリアル――会社を辞めるか残るか悩む人、番組制作をどう続けるか議論する人たちの姿が記録されています。
  • 社内取材の賛否は分かれ、黙認したい社員もいれば、「あえて見せるべき」と考える社員も。カメラは葛藤を逃げずに映しました。

記者会見の舞台裏――広報・経営陣・営業・番組制作の苦悩

1月27日の二度目の会見。広報チームは朝から準備、経営陣は徹底したリハーサル。失った信頼を取り戻そうと懸命でしたが、会見は10時間半にも及び、社内外から厳しい目が向けられる現実に直面しました。
その裏側では、スポンサー対応に頭を抱える営業局、翌日の情報番組で今回の問題をどう扱うか激論するスタッフの姿――フジテレビの“10時間会見”には、それぞれのドラマがあったのです。

237日間のドキュメンタリー――若手ディレクター、関口実佑の取材

  • 今回のドキュメンタリーは約8ヶ月間(237日)にわたり、入社4年目の若手ディレクターがフジテレビの現場を撮影。「当事者として現実を記録し、伝える責任」を感じ、同世代の社員が「それでもこの会社で働き続ける理由」に迫ります。
  • 第34回FNSドキュメンタリー大賞にもノミネートされた本作。「テレビメディアの一員として自らにカメラを向けることは怖かった。しかし、それでも伝えなければならないものがある」と語っています。
  • 内部には「見せるべき/隠すべき」という二分する議論が。若手社員は「今を生きる社員こそが、今の会社の姿を残すべき」と語ります。

放送内容と反響――「当事者たち。」今夜オンエア

  • 放送日:2025年9月22日(月)24:45~25:45(関東ローカル)
  • 番組では、社員一人ひとりの悩み、挑戦、葛藤を丁寧に記録。危機に直面したテレビ局の中で、社員たちが抱く「自分たちの会社を立て直したい」という思いに焦点をあてます。
  • 「当事者たち。」では、“会社の内側”と“若手世代のものの見方”が、これまで以上にリアルに映し出される内容となっています。

社員たちと社会のギャップ――「信頼」と「メディアの倫理」

ドキュメンタリーの根底で描かれるのは、「信頼の失墜がどんな影響をもたらすか」という問いです。スポンサー企業、視聴者、関係者――全てが疑問を投げかける中、社員は「報道する立場として、自分たちのことも正直に伝える必要」を痛感します。
仲間や上司、先輩たちも「社会の期待に応えるため、今自分にできること」を模索し続けています。メディアに託された使命にどう向き合うか、その真剣なまなざしが画面越しに感じられます。

危機を乗り越えるために――若手世代の希望と再生への一歩

  • ドキュメンタリーには「会社を辞めたい」と迷う若手や、「こんな状況でも会社を支えたい」と考える社員の本音が語られます。
  • 危機を乗り越えるために、一人ひとりが「何が必要なのか」「どう立て直せるのか」を議論し、職場と向きあう日々の姿勢が記録されています。
  • “メディアとしての信頼を取り戻す”ため、社員一人ひとりが何を感じ、何を選ぶのか――「当事者たち。」はそのリアルな選択の記録です。
  • 最後にディレクターは「会社がどんな状況でも、自分の目で見て、記録する。それが私に出来ること」と語ります。

今を生きる若手社員たちの“理由”とは

「ここで働き続ける理由」「自分がこの会社で果たすべき役割」――フジテレビの若手社員たちは、それぞれが答えを探しながら日々格闘しています。本作品は、危機と向きあう人の姿を浮き彫りにしつつ、「未来へ歩み出すためのヒント」を静かに投げかけています。

文脈の広がり――皇室問題と報道の在り方

また、悠仁さまのために「愛子天皇」は実現すべきだ、という議論が社会で注目を集めており、19歳になった成年皇族と母・紀子さまの振る舞いにも関心が寄せられています。「メディアの在り方」「報道の責任」を問い直す声が、フジテレビのみならず社会全体へと広がっていることも背景として存在しています。

まとめ:メディアの危機と若手社員たちの選択

『当事者たち。』は“信頼の危機”を抱えたフジテレビの現場から誕生した、若手社員によるドキュメンタリーです。失われた信頼、葛藤する当事者、報道の使命――そのすべてを繋いで、私たち視聴者に問いかけます。危機の最中で立ち上がる若手世代のリアル、その選択と希望を通じて、「メディアとは何か」「信頼とはどう守るべきか」を考える機会が生まれています。

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