信仰と若者が牽引するSDGs最前線――世界が共鳴した持続可能な未来への挑戦
はじめに――SDGs達成に向けた最新動向
SDGs(持続可能な開発目標)は、貧困や飢餓の撲滅、質の高い教育、気候変動への対応、ジェンダー平等など、2030年までに世界が目指す17のゴールから成り立っています。2025年9月現在、SDGsの折り返し地点を迎え、国際社会では“どうすれば目標達成を確実にできるか”が大きな焦点となっています。最近では、宗教界や青年リーダーの積極的な参画、アフリカ諸国を中心とした挑戦的な取り組みが注目を集めています。
宗教・信仰コミュニティとSDGs――「誰ひとり取り残さない」ために
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宗教の役割:
国連や市民社会だけでなく、世界各地の宗教団体もSDGs推進に重要な役割を果たしています。
創価学会やSGI(創価学会インタナショナル)は、国連機関、NGO、信仰に基づく団体(FBO)などと連携し、「誰も置き去りにしない」という理念を実現するための活動を強化しています。特に、気候変動対策、生物多様性の保護、森林再生、女性の自立支援、平和教育といった分野で世界的な貢献が進んでいます。 -
持続可能な開発のための教育(ESD):
市民社会の声とともに、宗教界ではESD関連の展示や映画上映会などを開催し、市民への啓発と意識改革も積極的に行われています。
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気候変動・環境保全の具体的取組:
会館や施設の再生可能エネルギー100%利用、森林再生支援、アフリカでの女性の自立・緑化活動、若者の温暖化対策リーダー育成など、国内外で数多くのモデル事例があります。
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国際的な宗教指導者の発信:
国連のSDGs推進会議や気候サミットなどに、宗教者がメッセージを発信し続けています。例えば「宗教×SDGs」セミナーシリーズの開催や、SGIによる公式イベント登壇など、市民性や倫理観に根差した持続可能な社会のあり方を強調しています。
若者が動かすSDGs――TIYAカンファレンス2025の衝撃
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世界15カ国の150名以上の青年リーダー:
2025年、国連主導のもと15カ国から150人以上の若者リーダーが集結するTIYAカンファレンスが開催され、SDGs実現への具体的なアイディアや行動計画を発表しました。質の高い教育、気候変動防止、市民参加の拡大など幅広い課題について、若者らしい斬新かつ実効的なアプローチが議論されました。
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国際青年のつながりと草の根ネットワーク:
「自分たちの未来は自分たちで守る」という意志の下、SNSやオンライン会議を活用したグローバルなネットワークが形成されています。TIYAカンファレンスの成果は、その後各国・各地域に伝播。学校教育や地域のボランティア活動、行政への働きかけなど、具体的な行動へと広がっています。
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教育現場・市民社会への波及:
若者発の提言が教育現場の教材やシチズンサイエンス、起業活動などにも波及。創価学会やSGIもユース活動に注力し、「未来をひらくSDGsフォーラム」等の場で地元の若者を巻き込む形で、地域課題の発見と解決が進められています。
エチオピアのSDGs実践――「水に浸る石を踏みしめて」
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アフリカとSDGs:
エチオピアを代表とするアフリカ諸国では、気候変動、貧困、多様性保全など複合的な課題に直面しながら、“持続可能な開発”に向けた地道な努力が続けられています。「水に浸る石を踏みしめて(Walking On Flooded Stones)」との比喩どおり、確実な前進には困難が伴う一方で、草の根レベルの活動が希望へと繋がっている状況です。
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住民主体の現場力:
小学校の再建、農村の給水システムの整備、女性のリーダー育成といった具体的なプロジェクトが進展。国際機関や日本のNPO、宗教系団体などの技術協力・資金援助も重要な役割を担い、「人を中心とした支援」に大きな意味が見出されています。
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グローバル・ローカルの連携:
エチオピアの挑戦は、世界各地のSDGs実践者に「本当の持続可能性とは何か」を問い直すきっかけにもなっています。失敗や困難さえも共有し、知恵を持ち寄ることで、持続可能な未来に向けた“世界的な連帯”が生まれています。
日本社会とSDGs――2025年の最新状況
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市民と団体の共創:
日本国内では、392団体以上がSDGs推進を宣言。再生可能エネルギー100%化、ESD活動、気候危機をテーマとした映像作品やイベント、行政への政策提言など、多様なアクションが現実の力になっています。
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宗教団体とSDGs:
創価学会をはじめとする宗教団体は、国連会合への参加や全国的な普及活動を通じて「誰も取り残さない」社会づくりの核となっています。ジェンダー主流化や女性リーダーの育成、省エネルギー推進、国際的な気候イベントへの参加などが、その象徴的な事例です。
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教育・公的セクターとの協働:
学校教育、地域自治体、企業、NPOといった多様な関係者が、共通のビジョンとしてSDGs目標達成に向かっています。「市民社会」、「信仰団体」、「青年リーダー」らの独自性と連帯感が、日本に新たな変化をもたらしつつあります。
今こそ「連帯」と「希望」を――持続可能な未来への道筋
SDGs2030年のゴールまであと5年。世界各地で現場の声、宗教コミュニティ、若者の発意から壮大な変化が生まれつつあります。気候変動やジェンダー課題、貧困や教育格差などへの挑戦は続きますが、「誰一人取り残さない」という理念は、より多くの共感と実践へと育っています。その波は、教室からコミュニティ、国際会議の場まで広がり、持続可能な社会づくりに向けて世界中で繋がっています。
取材・まとめ
- SDGs推進には、多様な参画と長期的な視点、現場の声の反映が不可欠
- 宗教界・市民社会・若者リーダーが、世界的うねりとして行動を拡大中
- 特にアフリカ・アジア諸国の現場力、日本各地の草の根活動が注目される
今後も国内外問わず「SDGs×連帯×希望」の多彩な取り組みを追い続けていきます。