大阪・関西万博「パビリオン全84館制覇」への挑戦―経験者に聞く、印象と攻略法
2025年の大阪・関西万博は、国内外から多くの来場者を集め、8月現在で来場者数は1000万人を突破する大盛況となっています。万博の最大の魅力ともいえるのが、多種多様なパビリオンの存在です。特に近ごろは、「全84館のパビリオンを制覇した」という体験談が注目を集めています。本記事では、実際に全館制覇を達成した方々へのインタビューや、各パビリオンの特徴、制覇のための攻略法、印象に残った体験、現場で感じた課題について、ご紹介します。
パビリオンとは何か?―万博の核となる見どころ
パビリオンとは、各国や企業、自治体などが自らの発想や技術、文化を披露するために設営した展示館のことです。大阪・関西万博には、海外パビリオンや国内パビリオン、企業・民間パビリオン、「シグネチャーパビリオン」など、多彩なジャンルの館が並びます。これらのパビリオンでは、最新テクノロジーの紹介、芸術と未来社会の提案、地域伝統文化の体感、エンターテインメントやアクティビティなど、さまざまな体験ができ、来場者の知的好奇心を刺激しています。
全パビリオン制覇を目指した2人に聞く—その動機と楽しみ方
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来場のきっかけと動機:
一部の来場者は「人生で一度は全てのパビリオンを自分の目で見てみたい」という好奇心や、「スタンプラリー」感覚で全館に足を運ぶ達成感をモチベーションにしています。「半世紀ぶりに地元で開かれる万博を最大限楽しみたかった」「各国の文化と未来を体感して、自分の世界観を広げたかった」など、それぞれのきっかけがあります。
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何度も足を運ぶコツ:
週末や休日ごとに何度も万博に足を運び、「短時間で効率的に回るパビリオン」「混雑を避けて早朝や夕方以降に回る館」など、工夫を凝らして制覇していきます。ある方は「30回以上通い、都度コンプリート状況を非公式マップで塗りつぶしていくことで、達成感と楽しみを積み重ねていった」と語っています。
制覇のための攻略法—効率的な回り方と準備ポイント
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下調べと計画が成功のカギ
パビリオンの位置や混雑状況をあらかじめ調べ、計画的に回ることが重要です。人気館は長蛇の列ができることも多いため、早い時間帯や平日、閑散期を狙うのがポイントです。また公式アプリやネットの混雑予測、リアルタイム情報を活用した方も多くいます。
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体力温存と休憩場所の確保
会場は広大で、1日で全部回るのは体力的に厳しいため、数日に分けて無理のない計画を立てるのが現実的です。途中、カフェや休憩所を巡って休みつつ、食事や水分もしっかり摂りながらの訪問が肝心です。
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「推しパビリオン」優先のスケジューリング
体験や限定イベントなどは日時が決まっている場合も。「どうしても見たいパビリオン」は早めに訪問し、その前後に空いている館を回る計画を立てた、といった声もありました。ファン同士の情報交換も盛んです。
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スタンプや特典も活用
多くのパビリオンでは入館記念のスタンプやデジタルパスポート、限定ノベルティなどの企画も豊富。これら収集もモチベーションとなっています。
印象に残ったパビリオン—“ベスト3”から個性派まで
全館を回った方々が選ぶ“心に残るパビリオン”には共通点があります。
- 1位: 国内・民間パビリオン部門では、「未来の都市」が2位、「大阪ヘルスケアパビリオン」や「NTTパビリオン」などが毎度上位を争っています。最先端技術に触れたり、未来社会の生活を仮想体験できるコーナーは、特に若者や家族連れの人気を集めています。
- 2位: 海外パビリオン部門では、「フランス館」「電力館」「シンガポール館」の評価が高いとの声が多数です。各国らしさが現れた独自の建築と演出、体験型のコンテンツが印象深いそうです。
- 3位: 「いのちをめぐる冒険」や「命の未来」「関西パビリオン」など、多様なテーマを持つパビリオンも高評価です。地域の伝統やSDGs(持続可能な開発目標)などの社会課題を考えるきっかけになった、という意見もありました。
現場で感じた課題や改善希望も
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混雑と待ち時間
人気パビリオンは入館まで2~3時間待ちということも珍しくなく、暑さ対策や待機場所の運営に苦労する面も多かったといいます。アプリによる待ち時間表示の精度や、整理券配布の工夫など、来場者の利便性向上が今後の課題となっています。
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情報の整理と案内サイン
会場内のサインや案内表示が分かりにくかった、目的地まで迷いやすかったという声もあります。多言語対応や視覚的な誘導の充実が求められています。
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飲食・物販エリアの価格変動
場内の飲食・物販は突発的な値上げや値下げも発生しており、予想外の出費になるケースも。「期間限定でお得な割引販売」「現地でしか味わえないグルメ」など楽しみも大きいですが、家計を気にする声が多いのも事実です。
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体験型企画・イベントの時間管理
館内イベントやアクティビティの予約・整理券取得が難しい場合も。「人生ゲーム」「ミャクミャクチャレンジ」など人気企画はすぐに定員に達してしまい、早い者勝ち状態でした。今後のイベント運営面での改善余地があるようです。
パビリオン全館制覇を通じた“意義”と今後への期待
全館制覇を果たした来場者からは、「自分の知見を大きく広げられた」「予想外の発見や出会いがあった」「一生の思い出になった」など、多くの感動が報告されています。特に、日常生活では触れ合う機会の少ない諸外国の文化や先端技術に間近で出会い、直接人々と対話することで、世界や未来についてより深く考える契機になったという意見が目立ちます。
また、会期は残り2ヶ月弱となりますが、「まだ行ったことのないパビリオンを巡りたい」「何度でも通いたい」というリピーターも多く、最終盤まで盛り上がりが続く見通しです。
パビリオン制覇者が伝える“おすすめポイント”まとめ
- 地元や海外の多様な文化・テクノロジーに出会える
- スタンプラリーや限定グッズが達成感を高める
- 同じパビリオンでも日や時間帯により体験が異なり、何度でも楽しめる
- 友人や家族と一緒にめぐると会話や思い出がより深まる
- 変わりゆく未来や社会課題について考えさせられる機会になる
最後に―これから万博を訪れる方へ
万博でのパビリオン巡りは、計画的に回ることで効率良く充実した体験ができる一方、混雑や暑さへの備えも欠かせません。少しの工夫と下調べで、会場ならではの“一期一会”の感動を、ぜひ多くの方に味わっていただけたらと思います。
万博パビリオンの全館制覇は決して簡単な道のりではありませんが、その先には予想もつかない驚きや、かけがえのない思い出が待っています。きっとあなたの中にも、新しい「お気に入りの館」が生まれるはずです。