チェンライ「ホワイト・テンプル」の入場料改定――2026年1月から外国人観光客の料金が倍額に

チェンライを代表する名所「ホワイト・テンプル」とは?

チェンライ県はタイ北部に位置し、日本人を含む多くの旅行者が訪れる人気観光地です。その中でもワット・ローンクン(通称:ホワイト・テンプル)は、その独創的な白い外観で世界的に知られています。1997年、現代美術家のチャルームチャイ・コーシッピパット氏によって設計・建立されたこの寺院は、伝統的なタイ文化と現代美術が見事に融合。細かな鏡片をあしらった白の装飾が、まるで天国を思わせる幻想的な空間を作り上げています。

  • 正式名称:ワット・ローンクン(Wat Rong Khun)
  • 所在地:チェンライ県中心部から南西約13km
  • 特徴:純白の寺院、鏡片によるきらめき、芸術家が自ら設計・建立した現代仏教建築

2026年1月より入場料が倍増――外国人観光客のみ200バーツに

これまで、外国人観光客の入場料は100バーツ(約400円前後)と、タイ国内の主要観光地に比べても手頃な価格設定でした。しかし、2025年11月10日、寺院側は「2026年1月1日より入場料を200バーツ(約800円前後)に引き上げる」と公式に発表しました。

  • 現行料金:100バーツ(外国人)
  • 新料金:200バーツ(外国人)
  • 改定実施日:2026年1月1日

なお、タイ国籍の方の拝観は無料です。 また、70歳以上の高齢者身長120センチ未満の子どもは、国籍を問わず入場無料となります。現地の文化遺産への理解を促進しつつ、外国人観光客からの収益で寺院の維持管理を支えるというタイ各地の文化政策を反映しています。

料金引き上げの背景と目的

同寺院関係者によれば、来訪者数の増加や施設の維持管理、改修費の負担増を受けての処置とのこと。「世界中から集まる観光客によって、美しい外観の保存や芸術作品の保護、さらなる改修が可能になる」と説明されています。加えて、新料金には寺院内の『ケイブ・オブ・アート』への入場も含まれており、来場者は仏教の宇宙観を表現した彫刻作品など多彩な展示も楽しめます。

ホワイト・テンプルで体験できること

  • 本堂:真っ白な壁、鏡片装飾による眩い美しさ
  • ケイブ・オブ・アート:地獄界や涅槃への門など、仏教を題材にした彫刻が並ぶ空間
  • 敷地外の施設:ギャラリーやカフェ、手工芸品店なども併設

寺院本体は僧侶が常駐していないものの、宗教的な意味が込められつつも芸術体験の場として親しまれています。特に中国人観光客を中心とした外国人から絶大な人気を誇り、チェンライ県の観光の顔として世界中に名を轟かせています。

チェンライ観光のベストシーズン

気候の変化が激しいタイですが、チェンライは11月~2月が乾季であり、空気が澄み渡り、快適な気温となります。ホワイト・テンプルもこの時期は清々しい美しさ。写真撮影やゆっくり散策を楽しむにはまさに最適です。

拝観方法と注意点

  • 営業時間:基本的に8:00~18:00(最終入場は17:30頃)
  • 祝日や特別イベントでは営業時間が変更になる場合あり
  • 入場時は現金支払いのみの場合も多いのでご注意ください
  • ドレスコード:短パンやタンクトップなど肌の露出が多い服装は控えること

寺院では厳格な宗教的ルールはありませんが、タイの文化尊重の視点から、節度のある服装とマナーが求められています。

タイ現地文化の拠点としての役割

タイ国内では、国家の文化遺産を守るため、自国民と外国人観光客で料金格差を設ける文化施設が多いです。ワット・ローンクンもその考え方に従い、タイ国民は無料。これは育った土地や文化への理解を深めつつ、観光で訪れる人から維持管理費を徴収することで永続的な運営を目指しています。

チェンライの今後の観光動向とホワイト・テンプルの未来

タイ観光産業はコロナ禍を経て力強い回復を遂げており、チェンライも多くの外国人旅行者が戻り、寺院には休むことないにぎわいが戻っています。今回の入場料改定は「入館者数回復」「施設保全」「地域経済活性化」のバランスを取るための策であり、ワット・ローンクン自身が歩む持続的な発展の道として捉えられています。
今後も、一人ひとりの入場料がこの美しい寺院の未来を支えていくことになるでしょう。

現地情報まとめ(最新2025年11月時点)

  • 2026年1月1日より外国人観光客入場料200バーツへ(タイ国民は無料)
  • 70歳以上、身長120cm未満は無料
  • ホワイト・テンプルは世界的建築芸術、観光名所、チェンライの象徴
  • 維持管理、芸術活動支援、観光・地域経済振興の観点から料金改定
  • 拝観は現金で、午前8時から午後6時まで
  • 11月~2月がベストシーズン

まとめ――ワット・ローンクンの美しさを守るために

チェンライのホワイト・テンプルは、タイ現代芸術の粋を集めた奇跡の寺院。今回の入場料改定は一見旅行者にとって負担増のように感じられるかもしれませんが、長い目で見ればこの美しい建築と芸術作品の持続的な保存に繋がる、重要な取り組みです。これからチェンライを旅する方は、ぜひ寺院の唯一無二の美しさと、その維持を支える仕組みについても思いを馳せてみてください。タイの文化と芸術への理解が深まる貴重な体験になるはずです。

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