タモリと巡る「ブラタモリ」東京大学・本郷キャンパスの宝探し~知と歴史あふれる舞台裏を徹底解説~

はじめに

NHKの人気番組「ブラタモリ」が、記念すべき2025年8月23日と30日の2週連続で、東京大学・本郷キャンパスを舞台に放送されました。タモリさんが体当たりでその知られざる魅力を探る本企画は、江戸時代から現代へと継承されてきたこの名門学府の歴史と財産を、温かな目線であぶり出します。

東京大学本郷キャンパスとは?

東京大学本郷キャンパスは、文京区本郷に広がる、日本を代表する大学のひとつです。かつては加賀百万石・前田家の大名屋敷跡であり、明治維新後、わが国最高峰の学び舎として新しい時代の幕開けを象徴する存在となりました。キャンパス内には歴史的建造物や庭園、知の象徴ともいえる施設が多数点在し、「知の宝庫」とも評されています

今回の放送概要

  • 放送日:2025年8月23日(土)、8月30日(土)
  • 放送局:NHK総合・NHKプラス
  • タイトル:「加賀百万石と東大」特集
  • 出演:タモリ/佐藤茉那アナウンサー/ナレーション:あいみょん
  • 取材協力:東京大学人文社会系研究科、新領域創成科学研究科、史料編纂所、総合研究博物館

“東大の宝”をめぐる旅のはじまり

今回の特集は、東京大学本郷キャンパスに眠る、「東大にしかない宝」を探る壮大な旅。150周年を迎える記念事業とも連動し、新しい視点で大学の魅力を解き明かします。タモリさん一行は、歴史の表舞台から裏道まで、じっくりと歩きながら多様な「知」に迫りました。

加賀前田家と東京大学 本郷キャンパスのルーツ

本郷キャンパスの最大の特徴は、その成り立ちに加賀百万石・前田家の広大な大名屋敷があったことです。明治時代に大学用地として転用されたことで、江戸の面影と近代教育の精神が複雑に重なり合っています。タモリさんは、現存する歴史的建造物や庭園から、前田家の影響や当時の暮らしを感じ取りました

番組で巡られた「東大の宝」

  • 赤門:東大のシンボルであり、前田家ゆかりの重要文化財。なぜ赤いのか、なぜ現代まで保存されてきたのか——江戸時代の将軍家との意外なつながりが明かされます。
  • 三四郎池:夏目漱石の『三四郎』にも登場し、文学や学問の舞台として親しまれてきました。静謐な水辺に広がる四季折々の美しさは東大生の憩いの場です。
  • 迎賓館:学内でも知る人ぞ知る存在。歴代の国内外VIPを迎えた由緒ある施設。美しい外観と気品漂う内部は、まさに東京大学の“宝”にふさわしい場所です。
  • 安田講堂:2025年で100周年を迎える象徴的な建造物。なぜ“崖下”に建てられたのか、建築上の工夫や歴史もじっくりと解説されました。
  • 大名庭園の痕跡や織田信長の自筆書:通常は見られない学内の歴史資料・展示物にもタモリさんが迫りました。

赤門の謎と徳川将軍家との意外な関係

赤門は、本郷キャンパスを象徴する正門で、正式には「旧加賀屋敷御守殿門」と呼ばれます。もともと加賀前田家の当主が将軍家からお嫁さんを迎えた際に築かれ、格式を誇示するために色鮮やかな朱色で塗られました。江戸の大火や東京大空襲でも奇跡的に焼け残り、現代までその姿を留めていることから、東京大学の象徴ともなっています。タモリさんは門の構造、彫刻、装飾にも注目し、細部に宿る江戸の技と大学の変遷を紹介しました。

漱石も愛した三四郎池の神秘

キャンパスの中心に佇む三四郎池は、かつての大名庭園の名残です。小説家・夏目漱石が小説『三四郎』の舞台に選んだことで一躍有名になりました。四季折々の自然を感じられるこの池は、今でも多くの学生や来訪者が静かに思索にふける場所。番組内では、文学的な魅力とともに、植生や生態系、池を取り囲む石組みなど、地形や歴史にまで踏み込んだ解説がなされました。

「迎賓館」の知られざる舞台裏

一般にはあまり知られていない迎賓館。かつての皇族や外国の要人を迎えた由緒ある施設には、東大らしい重厚な雰囲気が漂います。荘厳な洋館造りの建物は、1900年代初頭の貴重な建築遺産。内部は豪華な装飾が施されており、特別に案内されたタモリさん一行は、その歴史と文化的価値を体感しました。

学生運動の象徴、安田講堂

安田講堂は、戦後の学生運動の象徴ともされています。なぜ「崖下」という特殊な場所に建てられたのか、その理由は地盤や建築工学、当時の都市設計思想に由来します。2025年に100周年を迎え、今なお多くのイベントや講義が開かれる大学の心臓部といえます。タモリさんは当時の学生たちの思い出や、現代によみがえる講堂の役割にも言及しました。

知の現場・博物館と未来への思い

キャンパス内には総合研究博物館を始めとする多くの研究施設が点在し、未来へと続く知の伝統が息づいています。タモリさんは学芸員の案内で、大学に保管されてきた歴史遺産や貴重な資料を取材しました。ここには、加賀前田家の遺品から織田信長の自筆書まで、多様な“宝”が揃い、東京大学150年の歩みを支え続けています。

「東大、堪能しました」タモリさんの感動

2週にわたるロケを終え、タモリさんは「東大、堪能しました」と率直な感想を述べました。彼が歩いた道筋には、時代を超えて連なる歴史と、知を追求する人々の息遣いが確かに感じられました。近代日本とその未来を創り上げる聖地として、東京大学本郷キャンパスはこれからも受け継がれていくことでしょう。

おわりに

「ブラタモリ」東京大学本郷キャンパス特集は、改めてこの地の奥深さを世に示すきっかけとなりました。壮麗な歴史と洗練された学問が織りなす空間で、多くの人が新たな発見やワクワクに出会う……そんな素敵な舞台裏を、ぜひ番組とともに味わってみてください。

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