豊後大野市「新米祭り」— 道の駅あさじで感じる秋の恵みと地域の誇り
秋の豊後大野市を彩る「新米祭り」が開幕
大分県豊後大野市朝地町板井迫の道の駅あさじで、2025年9月27日(土)・28日(日)の2日間にわたり、「新米祭り~秋の大収穫祭~」が開催されました。秋の深まりとともに到来する新米の季節。この地域の伝統と誇りが詰まった「綿田米(わただまい)」のお披露目を中心に、食と文化、そして人の温かさが溢れるお祭りとなりました。
ここ数年、全国的な米不足がクローズアップされる中、例年以上の期待を集めての開催。同駅長の羽田野勲さんは「今年は質も量も最高。殿様が食べていたおいしい米をぜひ味わってほしい」と力強く語ります。【参考:大分合同新聞】
御膳米「綿田米」とは — 歴史と風土が育むブランド米
「綿田米」は、豊後大野市朝地町の綿田地区で大切に育てられてきたブランド米です。江戸時代には旧岡藩で「御膳米」として召し上がられていたという由緒正しきお米。その大きな特徴は、この地域特有の寒暖差、保水力豊かな粘土質の土壌と清らかな水にあります。これらが「粘り」「甘み」「艶」すべてを備えた極上の米を生み出しています。
今年の出来は特に良好で、地元生産者の方々も胸を張ってお勧めできる豊作とのことです。【参考:大分合同新聞】
見どころ満載!新米祭りの主なイベント
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新米販売・抽選会
会場では綿田米の新米が販売され、5kg購入ごとに地元の名産品(朝地牛・5,000円相当など)が当たる抽選会への参加権が得られます。多くの来場者で賑わい、おいしい新米を「爆買い」する人の姿も見られました。 -
しとぎまき(新米やお菓子の撒き物)
27日午後3時半からは、集まった人々に新米1合やお菓子がまかれる「しとぎまき」が行われ、子どもから大人まで楽しそうに手を伸ばしていました。 -
ステージイベント
開会式を華やかに彩ったのは、地元の深山流板井迫神明社神楽座による神楽と、豊後国エイサー響舞による伝統舞踊のステージ。郷土芸能の力強いパフォーマンスが観客の心を魅了しました。 -
マルシェ・グルメ
地元雑貨作家による手作り品、生ドーナツやコーヒーなどのキッチンカーが並び、地域の人々の交流と笑顔が広がります。「新米おにぎり」の出店にも長蛇の列ができるほどの人気ぶりでした。
米文化を未来へ繋ぐ、豊後大野市の挑戦
豊後大野市は「大分の野菜畑」としても知られ、おいしい野菜や果物が豊富ですが、こうした収穫を祝い、地域の絆を深める新米祭りは、年に一度の大切な行事です。生産者と消費者がダイレクトに繋がれるこのような場は、農業県・大分の誇りとも言えるでしょう。
新型コロナウイルス禍を経て、地域イベントの価値が再認識されています。顔をあわせて感謝を伝えられる場、食の安全や地産地消の重要性を学べる機会としても、「新米祭り」は世代を越えて親しまれています。
市場価格の高騰や将来的な食糧不足への懸念もある中、「地元で育った、顔が見える米」を手にすることのありがたさを改めて感じる来場者が多かったことが印象的です。
豊後大野市の「道の駅文化」と観光の魅力
「道の駅あさじ」をはじめ、豊後大野市内には個性的な道の駅が点在しています。道の駅みえのブルーベリーソフト、道の駅おおのの親子丼、道の駅原尻の滝の椎茸チーズフライ、道の駅きよかわのももソフトなど、ここにしかない絶品グルメが待っています。お土産や新鮮な野菜も手頃な価格で、「おいしいもの」の宝庫です。
新米祭りの開催と合わせて、JAF九州ラリー選手権「EAST九州2025」など地域密着のイベントも盛り上がりをみせており、街全体が秋祭りムードに包まれています。お出かけ前には天候や最新情報のチェックをどうぞお忘れなく。
まとめ:地域の宝を次世代へ
食卓を豊かに彩る新米、その背景には一年を通じて努力してきた生産者の汗と誇り、そしてそれに応える市民と訪問客の笑顔があります。美味しいお米を味わい、土地の文化を体感する「新米祭り」は、豊後大野市の秋の風物詩。
今後もこうした行事を通じて、地域資源とコミュニティの強みが守り、発展していくことが期待されます。
各地でも新米まつり広がる ― 地域ごとの特徴とにぎわい
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鶴岡(直売所特別価格新米販売)
山形県鶴岡市の直売所でも新米が特別価格で提供され、多くの来場者で盛況を見せました。「おいしい新米がお手軽に手に入る」と口コミでも話題となっています。 -
愛媛県久万高原町(久万高原町の新米まつり)
愛媛県久万高原町の「新米まつり」には、なんと最大で30万円分もの新米を“爆買い”する人も現れるほど。「おいしいものを家族で分け合いたい」そんな素朴な思いが秋空の下で交わされていました。
こうした各地の取り組みは、地域発の米文化や農業の魅力を再発信するものとなっています。「日本のお米」への誇りが全国、そして世代を超えて広がっていることが実感されました。
あなたもぜひ、地域の新米を味わいに足を運んでみては?
今年の秋は、道の駅あさじや各地の新米まつりで、生命の恵みや地域文化の奥深さを感じてみてはいかがでしょうか。きっと心にも体にも残る素敵な思い出となることでしょう。