2025年9月ペルセウス座ε流星群 ― 今見たい「流れ星」のすべて

はじめに

2025年9月、夜空を美しく彩る「9月ペルセウス座ε流星群」が話題になっています。流れ星に願い事をしたい方、天体ショーを楽しみたいご家族やカップルは、この時期に夜空を見上げる機会を大切にしてみてはいかがでしょうか。本記事では、この流星群の見頃や観察のコツ、期待できる流れ星の数、関連する他の流星群についても、わかりやすく解説していきます。

9月ペルセウス座ε流星群とは?

9月ペルセウス座ε流星群(SPE)は、毎年9月初旬から下旬にかけて観測される小規模な流星群です。よく知られる8月の「ペルセウス座流星群」とは異なり、母天体(彗星)が異なるため、両者を混同しないよう注意が必要です。9月ペルセウス座ε流星群の起源は、正確には不明でおそらく未知の長周期彗星と考えられています。流星は、ペルセウス座の中央付近、特にペルセウス座ε星から全天へ放射するように現れます。

  • 出現期間:2025年9月5日~21日
  • 極大(最大の出現時期):2025年9月9日午後9時ごろ
  • 見頃の時間帯:夜10時頃から明け方まで
  • 放射点:ペルセウス座中央付近(夜が深くなるほど高く昇ります)

2025年の観測環境と見え方の特徴

2025年は9月9日が極大ですが、この時期は「満月の2日後」となり、月明かりが非常に強い夜となります。そのため、肉眼で見られる流れ星の数は例年よりも少なくなる見込みです。特に、明るさがそれほど強くない流星は月明かりにかき消されてしまうため、最も明るい流星だけが観測できるとされています。

しかし、建物や木々などを利用して月を遮るなど、観察場所を工夫すれば、いくつかの流れ星に出会える可能性もあります。子どもたちや家族でお出かけの場合は、できるだけ月の位置を避けて空を見渡してみてください。

期待できる流れ星の数は?

もともと9月ペルセウス座ε流星群は「小規模」な流星群であり、1時間に5個前後の流れ星が期待される程度です。これは「活動が弱い流星群」であることを示しており、多くの流れ星をまとめて観察するのは難しいですが、静かな夜に目を凝らせば、時折流れる星に出会えると思います。

  • 予想される流星の出現数:1時間あたり約5個(最も条件の良い場合)
  • 観測条件:月明かりが強いため、明るい流星のみ見える
  • 観測できる可能性が高い日:極大前後1~2日(9月8日~10日)

観察のポイント・おすすめ観測方法

  • 1. 視界の広い場所を選ぶ:

    できるだけ空が広く見渡せる場所(郊外や高台、公園など)がベストです。人工的な光や街の明かりを避けることで、より多くの流星を発見しやすくなります。

  • 2. 月を建物や木で遮る:

    満月に近く明るい月が出ているため、月を直接見ないような位置で観察しましょう。月明かりを遮るだけで、暗い流星にも目が慣れて見つけやすくなります。

  • 3. 長時間観測がおすすめ:

    たとえ1~2個しか見えなくても、最低30分ほどはじっと空を眺めてみてください。「流れ星は気長に待つ」が鉄則です。

  • 4. 服装に注意:

    9月でも夜は意外と冷え込むため、防寒用の上着や敷物を持参すると快適です。

流れ星が観測しやすい方角は?

流星群の流れ星はどの方向にも現れます。放射点(今回はペルセウス座ε星付近)を中心に全方位に流れるので、観察中は特定の方角にこだわらず、できるだけ広範囲に空を見渡すことがポイントです。

放射点は夜10時ごろから空に昇りはじめるため、この時間帯から明け方までが一番のチャンスです。市街地など明るい場所では流れ星の見える確率が下がるため、可能であれば郊外での観察をおすすめします。

流星の速度・特徴

9月ペルセウス座ε流星群の流星は秒速約64kmという大変速いスピードで地球の大気に飛び込みます。そのため、「すーっと一瞬で消える細い光」として現れるのが特徴です。

よく混同される8月の「ペルセウス座流星群」との違い

毎年人気の8月中旬の「ペルセウス座流星群」と、今回の9月ペルセウス座ε流星群(SPE)はまったく別の流星群です。8月の流星群はスイフト・タットル彗星が母天体ですが、9月のものは起源が現在もはっきりしていません。8月の流星群は流れ星の数も多く、規模でも9月のものを大きく上回ります。

9月に見られるそのほかの流星群

9月は季節の変わり目で、多くの大規模な流星群はありません。しかし「9月ペルセウス座ε流星群」に加えて、極めて小規模ながらうお座流星群、やぎ座流星群などが同じ時期に地味に活動している年もあります。特に今年2025年は、通常よりも流星群の活動が少なめと予報されています。

このため、9月は「夜空をじっくり眺めて数少ない流れ星に巡り合う」という楽しみ方が向いています。

まとめ ― 9月の夜空に願いを込めて

2025年9月の「ペルセウス座ε流星群」は、活動数は少なく、月明かりも厳しい条件ですが、静かな秋の夜に空を見上げて「一瞬の奇跡の流れ星」に出会うことができれば、きっと特別な思い出になるはずです。家族や友人と語らいながら、ゆっくり空を仰いでみましょう。

繊細に走る流れ星は、忙しい日常の喧騒を忘れさせてくれます。観察準備を整えて、秋の夜長を天体ショーと共に過ごしてみてください。

参考元