熱海・箱根・湯河原、6年ぶりに横浜駅で合同観光キャンペーン 奥湯河原温泉ではシニア向け新プランも登場

神奈川県西部の人気温泉地である熱海・箱根・湯河原の3市町が、6年ぶりに横浜駅で合同の観光キャンペーンを開催しました。
新型コロナウイルス禍の影響で長く中断していた取り組みが再開され、首都圏の利用者に向けて改めて温泉観光の魅力を発信しました。また、湯河原では奥湯河原温泉「山翠楼」による65歳以上向けの新宿泊プランも発表され、高齢世代にも優しい観光地としての一歩を踏み出しています。

6年ぶりの開催 横浜駅での観光キャンペーン概要

今回の観光キャンペーンは、1月9日横浜駅構内で行われました。
会場では、熱海市・箱根町・湯河原町がそれぞれブースを設け、パンフレット配布や観光案内、地元特産品の紹介などを通じて、沿線住民や通勤・通学客に向けてPRを行いました。

キャンペーン再開は、新型コロナウイルス禍による中断からおよそ6年ぶりとなり、「あらためて生の声で観光情報を届けられる場が戻ってきた」と、関係者の期待も高まっています。
現地の担当者によると、特に週末旅行や日帰り温泉を検討する人からの質問が多く寄せられたということで、首都圏からのアクセスの良さや、世代を問わず楽しめる温泉地としての魅力があらためて注目されています。

横浜から約1時間、「気軽に行ける温泉地」としての湯河原

湯河原は、横浜市内から約1時間前後でアクセスできる温泉地として知られています。
JR東海道線で湯河原駅まで乗り換えなしで向かえるほか、駅からバスやタクシーで温泉街や観光施設へ移動できるため、「思い立ったらすぐ行ける温泉」として首都圏住民に親しまれてきました。

今回の横浜駅でのキャンペーンでも、「電車でふらっと日帰り」「1泊2日の小旅行」といったスタイルが提案され、働き盛りの世代からリタイア後の世代まで、幅広い人たちが足を止めてパンフレットを手に取る姿が見られました。
特に、近年は「密を避けられる旅行先」として、都市部から少し離れた温泉地への関心が高まっており、湯河原の自然豊かな環境落ち着いた雰囲気に魅力を感じる人が増えているようです。

熱海・箱根・湯河原が連携してPRする狙い

今回のキャンペーンの特徴は、熱海・箱根・湯河原の3エリアが合同で実施したことです。
いずれも古くからの温泉地として知られていますが、それぞれに特徴があり、旅のスタイルに合わせて選べるのが強みです。

  • 熱海:海と温泉、花火大会や海鮮グルメなど賑やかなリゾート感が魅力
  • 箱根:美術館や芦ノ湖、ロープウェーなど観光施設が多く、周遊型の観光に人気
  • 湯河原:静かで落ち着いた温泉情緒が楽しめる、自然派・癒やし重視の人向け

3エリアを組み合わせて巡る「温泉はしご旅」や、「往路は箱根、復路は湯河原でゆっくり一泊」といった楽しみ方を提案することで、滞在時間を伸ばし、地域全体の観光消費を高める狙いもあります。
横浜駅のようなターミナルで情報発信することで、「次の休みは温泉に行ってみようかな」と具体的な旅のイメージを持ってもらうことが期待されています。

奥湯河原温泉「山翠楼」、65歳以上向けの新プランを発表

湯河原エリアの中でも、とくに自然豊かな山あいに位置する奥湯河原温泉では、老舗旅館「山翠楼」65歳以上を対象とした新しい宿泊プランを発表しました。
高齢世代の温泉需要が高まるなか、「無理なく、安心して、ゆっくり滞在してもらうこと」をコンセプトにした内容となっています。

新プランの具体的な内容として、次のようなポイントが打ち出されています(一部は旅館側の発表に基づく一般的なシニア向けサービスの考え方を踏まえた説明です)。

  • 65歳以上を対象とした優待料金:平日を中心に、通常よりもお得に泊まれる価格設定
  • ゆとりあるチェックイン・チェックアウト:早めのチェックインや遅めのチェックアウトで、移動の負担を軽減
  • 足腰に配慮した客室や館内動線:段差の少ない客室や、エレベーターに近い部屋への案内など、高齢者に配慮した設計
  • 食事内容へのきめ細かな対応:量を控えめにした会席や、やわらかめの調理など、健康状態や好みに応じた対応

山あいの静かな環境にある奥湯河原温泉は、「大人数でにぎやかに過ごす」よりも「夫婦や少人数でゆっくり過ごす」スタイルに向いた温泉地として知られています。
その中で、今回の65歳以上向けプランは、リタイア後の夫婦旅行や、一人旅、親世代へのプレゼント旅行といった需要の受け皿としても期待されています。

シニア世代の温泉需要と、湯河原の「癒やし」の価値

日本では、高齢化が進むなかで、「元気なうちに旅を楽しみたい」というアクティブシニアが増えています。
温泉地は、そうした世代にとって、体をあたため、自然の中でリラックスできる「心と体のリフレッシュの場」として、依然として高い人気があります。

湯河原は、派手な観光施設が並ぶタイプの温泉地ではありませんが、静かな山々、川のせせらぎ、歴史ある温泉街など、「何もしない時間を楽しむ」にはぴったりの場所です。
奥湯河原温泉「山翠楼」のような旅館がシニア向けプランを打ち出したことで、「『がんばる旅』ではなく『休みに行く旅』」という新しい温泉の楽しみ方が、さらに広がっていきそうです。

横浜駅キャンペーンが示す、ポストコロナ時代の温泉観光

今回の横浜駅での観光キャンペーン再開には、ポストコロナ時代の観光のかたちが表れているとも言えます。
これまでオンラインでの発信が中心だった観光PRが、あらためて「対面での情報発信」の場を取り戻したことで、旅の相談や不安解消をその場で行えるようになりました。

とくに温泉旅行は、年齢層が幅広く、健康面の不安を抱える人も多い分野です。
「駅から旅館までの移動はどのくらいか」「階段は多いか」「食事の内容は変更できるか」といった具体的な質問に、直接答えてもらえる機会は、旅行を検討するうえで大きな安心材料になります。

また、熱海・箱根・湯河原のように、近いエリア同士が連携して情報発信を行う取り組みは、旅行者にとっても選択肢が広がるメリットがあります。
「次は箱根、その次は湯河原へ」と、リピーターとして別の温泉地を訪れるきっかけにもなり、地域全体としての継続的なにぎわいにもつながっていきます。

これから湯河原を訪れる人へのメッセージ

湯河原は、華やかな観光地というより、「そっと心と体を休めたい時に訪れたい場所」です。
今回の横浜駅キャンペーンや、奥湯河原温泉「山翠楼」のシニア向けプラン発表は、そうした湯河原の魅力をあらためて見直すきっかけにもなっています。

仕事や家事、育児をがんばる世代には、週末の小さな温泉旅として。
リタイア後の世代には、無理のないペースでのんびり過ごす長めの滞在として。
湯河原は、それぞれのライフステージに合った過ごし方を受け止めてくれる温泉地です。

この冬、首都圏から少し足を伸ばして、「あたたかいお湯」と「静かな時間」に身をゆだねてみてはいかがでしょうか。
6年ぶりのキャンペーン再開と、シニア向け新プランの登場をきっかけに、湯河原はまた一つ、やさしい温泉地としての歩みを進めています。

参考元