2026年のお年玉事情、現金から「キャッシュレス化」へ…物価高でも金額据え置きが大多数
40代・60代が主役、4割が渡す予定
2026年のお正月を控え、お年玉に関する実態調査から興味深い傾向が明らかになりました。全国の20代以上の男女2,405名を対象にした調査によると、来年のお正月にお年玉をあげる予定の人は40.4%(約4割)となっています。特に40代が47.1%、60代以上が46.0%と、この世代がお年玉を渡す中心となっていることがわかります。
一方、お年玉をもらう側では、新しい変化が起きています。なんとキャッシュレスでお年玉をもらいたいという希望が39%に達し、前年比で8ポイント増加しました。従来の現金中心のお年玉文化に、デジタル化の波が押し寄せているようです。
相場は「1,000円台~4,000円台が主流」、1万円が定番も
では、実際にはいくら渡すのが相場なのでしょうか。調査結果によると、お年玉の金額は1,000円台から4,000円台が主流であり、これは相手が子どもでも大人でも変わらないとのことです。別の調査では、一人あたりのお年玉は1万円が定番という結果も出ており、金額の選択肢は比較的幅広いことが伺えます。
興味深いのは、年齢によって相場が細かく異なる点です。小学生は3,000円、中学生は5,000円が基準とされており、高校生になると1万円が主流化しているとの指摘もあります。ただし、1,000円札3枚と5,000円札1枚では、子どもにとって枚数が多い方が「いっぱいもらった!」と感じるという心理的側面も注目されています。
「3,000円は少ない?」―世代間ギャップが生じる現実
物価高が続く中、ニュース内容に示されるように、久しぶりの帰省で甥甥姪に3,000円をあげたところ「微妙な反応」が返ってきたというエピソードは、現代のお年玉事情を象徴しています。あげる側の大人と、受け取る子ども側で金額に対する期待値にズレが生じているようです。
しかし、物価高の影響は想像ほど大きくないようです。調査では、2026年のお年玉の金額について「増やさない」が85.2%と、ほとんどの人が金額を維持する意向を示しています。さらに、来年渡す予定の総額を今年2025年と比較すると「変わらない」が59.9%と最多で、次いで「増える」が21.2%という結果から、物価インフレにもかかわらず、多くの大人たちが相手の喜びや楽しみを優先していることが読み取れます。
渡す人数は平均3人、総額は2万円が中央値
お年玉の渡し方についても、新しい動きが出ています。従来は「現金をポチ袋に入れて手渡し」が一般的でしたが、キャッシュレスでの受け取りを望む声が増えている。特に高校生以上の年代では、スマートフォン決済やプリペイドカードでのお年玉受け取りをニーズとする傾向が強まっています。
渡す側の実態をさらに詳しく見ると、あげる予定の人数は平均3人で、あげる相手は「親戚の子ども」「自分の子ども」「孫(ひ孫)」など、子どもが中心となっています。別の調査では、あげる人数の中央値は2人で、総額は「1~3万円」が最も多く、中央値は約2万円と報告されています。つまり、二人の子どもに各1万円程度を渡すというのが、現在の標準的なお年玉スタイルのようです。
いつまであげるべき?「高校卒業まで」が35%で最多
もう一つ気になる点は、お年玉をいつまであげるべきかという問題です。調査によると、「高校卒業まで」あげるという人が35%で最多となっており、大学進学に伴い、多くの家庭ではお年玉を卒業させる傾向が見られます。
インフレ下でも「据え置き」が正解、大切なのは渡し方
結論として、2026年のお年玉事情は以下のようにまとめられます:
- インフレ下でも金額は「据え置き」が一般的―3.5%の物価上昇があっても、わざわざ金額を調整する人はほとんどいません
- 相場は年齢に応じて異なる―小学生3,000円、中学生5,000円、高校生1万円が目安
- キャッシュレス化が加速中―従来の現金渡しから、スマートペイメントや電子マネーへのシフトが進んでいます
- 金額よりも「気持ち」が重要―多くの大人たちが、物価高の中でも相手の喜びを優先する姿勢を示しています
インフレが家計を圧迫する昨今、お年玉の金額を据え置きにするのは容易ではありません。しかし、調査結果から浮かぶのは、子どもや孫の笑顔や感謝の気持ちを大切にしたいという、大人たちの優しい心遣いです。2026年のお正月も、そうした「心のこもった」お年玉文化が続いていくのかもしれません。
ただし、子どもの「微妙な反応」を避けるためには、事前に金額について親戚同士で話し合っておくなど、コミュニケーションを取ることが大切でしょう。また、キャッシュレス化の動きも視野に入れ、若い世代の好みに合わせた渡し方を検討するのも、今後のお年玉トレンドになりそうです。



