ネット流行語大賞2025発表 ガンダム新作「GQuuuuuuX」が年間大賞、「ゴジュウジャー」「忍たま乱太郎」も存在感

2025年にインターネットで特に話題を集めた言葉を選ぶ「ネット流行語100」の年間大賞と各賞が発表されました。今年は、アニメや特撮、ネットミームなど、エンタメ分野を中心に多彩なワードがランクインし、ネット文化の広がりをあらためて感じさせる結果となりました。

年間大賞には、ガンダムシリーズ最新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』(ジークアクス)が選出。さらに、特撮作品『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が全体ランキングで5位に入る健闘を見せたほか、pixiv賞には『忍たま乱太郎』が輝きました。

「ネット流行語100」とは?

「ネット流行語100」は、ドワンゴとピクシブが共同で実施している年間企画です。

  • 2018年にスタートし、2025年で8回目の開催。
  • ドワンゴの「ニコニコ大百科」と、ピクシブの「ピクシブ百科事典」に掲載された各単語ページのアクセス数を、前年との比較で集計。
  • その伸び率をもとに「今年ネットで最も流行った100単語」をノミネートし、ランキング化。
  • 12月11日に表彰式を行い、年間大賞とあわせて「ニコニコ賞」「pixiv賞」「ネット新語賞」などの特別賞も発表。

テレビや紙媒体の流行語大賞とは少し違い、あくまで「ネット上でどれだけ話題になったか」「どれだけ検索・閲覧されたか」という観点で選ばれているのが大きな特徴です。

年間大賞はガンダム新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』

2025年の年間大賞に選ばれたのは、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』でした。

本作はガンダムシリーズの最新作として大きな注目を集め、TVシリーズ放送(2025年4〜7月)に先立ち公開された劇場先行版が、興行収入35億円を記録する大ヒットとなりました。

その結果、作品名や関連キャラクターの項目がニコニコ大百科やピクシブ百科事典で一気にアクセス数を伸ばし、「ネット流行語100」でも堂々の1位に。ガンダムシリーズ関連単語が年間大賞を受賞するのは、前年度の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に続き2年連続となり、同一シリーズの関連ワードが連覇するのは企画開始以来初めての快挙です。

特撮『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が第5位に

今年のランキングの中で目を引くのが、特撮ヒーロー作品『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の健闘です。「ネット流行語大賞2025」において第5位にランクインしました。

東映株式会社やテレビ朝日の制作陣も表彰式に出席し、「『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』が『ネット流行語大賞2025』第5位に選ばれたとのこと、大変光栄に思います。インターネットを通していつも応援の声をくださっている皆様、本当にありがとうございます」とコメントを寄せています。

ゴジュウジャーは、王道の“戦隊ヒーロー”らしい明るさや熱さに加え、SNS映えするデザインやセリフも多く、X(旧Twitter)や動画配信サイトを中心にファンアートや考察投稿が増加。これらが百科事典系サイトへのアクセス増にもつながり、今回のランクインに結びついたとみられます。

ネット上では「私たちにとってはナンバーワン!」といった声も多く、順位以上の存在感を放っている作品と言えるでしょう。

pixiv賞は『忍たま乱太郎』 投稿数前年比トップの伸び

「ネット流行語100」では、イラスト投稿サイトpixiv上での盛り上がりを反映する特別賞として「pixiv賞」が設けられています。2025年のpixiv賞に選ばれたのは、長年愛されるアニメ・漫画作品『忍たま乱太郎』でした。

pixiv賞は、pixiv内での作品タグなどに紐づく投稿数の前年からの増加を指標に選ばれます。2025年は『忍たま乱太郎』関連の投稿が前年比で最も大きく伸び、堂々の受賞となりました。

劇場版『忍たま乱太郎』が興行収入30億円超えの大ヒット

『忍たま乱太郎』躍進の背景には、劇場版アニメの大ヒットがあります。2025年に公開された劇場版は、興行収入が30億円を超えるヒットとなり、幅広い世代から支持を集めました。

もともと長寿作品として根強いファン層を持つ『忍たま乱太郎』ですが、劇場版をきっかけに、久しぶりに作品に触れた大人のファンや、新たに興味を持った若い層が一気に増加。映画公開に合わせてキャラクターへの愛情や考察を描いたイラスト・漫画がpixivに多数投稿されました。

こうした投稿の急増が、「pixiv賞」という形で可視化されたと言えるでしょう。長年愛され続けてきた作品が、改めてネット上で脚光を浴びた一年だったとも言えます。

ネット新語賞は「エッホエッホ」 ミームとして定着

2025年の「ネット新語賞」には、『エッホエッホ』が選ばれました。

ネット新語賞は、その年に新たに広まり、大きな話題を呼んだ言葉を選ぶ特別賞です。『エッホエッホ』はX(旧Twitter)などでミーム化し、特有の文章構造をもった“構文”として広く使われるようになりました。

他の新語と比べても拡散の勢いが目立ち、今年を象徴するネットスラングとして選出されています。

ニコニコ賞は「グエー死んだンゴ」 ネットスラングと現実の出来事が交差

ユーザーアンケートにより選ばれる「ニコニコ賞」は、『グエー死んだンゴ』が受賞しました。

もともとなんJ(なんでも実況J)などで使われてきたネットスラングですが、2025年10月14日に、希少がんで闘病していたユーザー「なかやま」さんが、生前に予約投稿していたとみられるXの投稿でこのフレーズが使われたことをきっかけに、大きな反響を呼びました。

その投稿に対し、他のユーザーが「成仏してクレメンス」とコメントを添えて拡散したことで、一種の弔いと連帯の象徴のようなかたちで広がっていきました。

この出来事を機に、がん研究センターなどの関連施設には弔意を込めた寄付が寄せられるなど、ネットスラングを通じて現実世界にも影響が及んだ点が注目されています。

「見なよ…オレの司を…」など、アニメ由来の台詞も上位に

ランキングには、『見なよ…オレの司を…』といった、アニメ作品の印象的なセリフも上位に食い込んでいます。

こうしたフレーズは、作品本編での強い印象に加え、切り抜き動画や画像付き投稿などを通じて繰り返し共有されることで、一種の“ネットミーム”として独り歩きしていく傾向があります。元ネタを知らなくても、セリフだけが広まり、スタンプ的・ネタ的に使われるケースも多く見られます。

アニメ・特撮・ネットスラングが入り混じる、2025年のネット風景

今回の結果をあらためて眺めると、2025年のネット文化の特徴がいくつか見えてきます。

  • 大型アニメ作品の存在感:ガンダム新作『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』が年間大賞となり、関連ワードも多数ランクイン。
  • 特撮・長寿作品の再評価:『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』の5位、『忍たま乱太郎』のpixiv賞受賞など、長く続くシリーズが新たな盛り上がりを見せた一年でした。
  • ネットスラングの広がり方の変化:「エッホエッホ」のような新語がミームとして構文化される一方で、「グエー死んだンゴ」のような既存のスラングが現実の出来事と結びつき、深い意味合いを持つようになった例もあります。
  • ユーザー参加型の文化:pixiv上で『忍たま乱太郎』投稿が急増したり、X上でフレーズが拡散したりと、ユーザー自身の創作・投稿活動が流行語の原動力となっています。

「ネット流行語100」が教えてくれるもの

「ネット流行語100」は、単に流行した言葉を並べているだけではなく、「なぜその言葉が広まったのか」「その背後にどんな作品や出来事があったのか」を考えるきっかけにもなります。

たとえば、今年の大賞『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』の陰には、劇場版の大ヒットやTVシリーズの人気、そしてそれを支えるファンコミュニティの存在があります。

また、『忍たま乱太郎』や『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』のように、長く続く作品が新たな形で注目を集める様子は、「昔から好きだった作品を、今のネット文化の中でどう楽しみ直すか」というファンの工夫を感じさせます。

一方で、「グエー死んだンゴ」や「エッホエッホ」のようなネットスラングは、笑いやユーモアの中に、時に社会的なメッセージや人と人とのつながりが垣間見えることもあります。

こうした多様な言葉たちが同じランキングに並ぶこと自体が、現在のネット文化の豊かさを象徴していると言えるでしょう。

これからのネット流行語に向けて

毎年、新しい作品や出来事が生まれ、それに伴って新しい言葉も次々と生まれていきます。2025年の結果だけを見ても、アニメ・特撮・ゲーム・ネットミームなど、さまざまなジャンルが互いに影響し合いながら、独自の「ことばの文化」を形作っていることがわかります。

来年、そしてその先の年には、どのような言葉が私たちのタイムラインを賑わせるのでしょうか。ランキングを眺めながら、自分自身がどの言葉に反応し、どの作品に心を動かされたのかを振り返ってみるのも、ネット流行語大賞のもうひとつの楽しみ方かもしれません。

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