テーマソング抜擢から広がる炎上、ねぐせ。と「ずっと好きだから」をめぐるSNSと世論の動向
お急ぎニュースメディアOISOの長嶋 駿です。昨今、ネット上では新たな”炎上”案件としてバンド「ねぐせ。」による楽曲「ずっと好きだから」が盛大に議論を巻き起こしています。本記事では、今回の炎上がどのような現象なのか、また炎上の中心にある「ずっと好きだから」の何がネット世論の逆鱗に触れたのか、その詳細を徹底的に掘り下げていきます。
まずは本件の経緯や炎上の構図を整理したうえで、その発端から拡散、世論形成のメカニズム、さらに再発防止の観点までを多角的な観点から検証します。
炎上の経緯と概要:「ずっと好きだから」、甲子園タイアップで一躍注目
- 2024年夏の甲子園テーマソングに「ねぐせ。」の『ずっと好きだから』が抜擢される。
- タイアップ発表直後から、歌詞内容や表現、楽曲タイトルへの違和感により、ネット上で疑問や批判が噴出。
- 公式MVに誤字が多発していたことがさらなる火種に。
- さらに炎上鎮火前に、サイレント修正・謝罪文の対応も新たな批判を呼ぶ。
結論:炎上した主な理由や背景
今回の炎上を引き起こした主な要因は、大きく3点に整理できます。
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① 甲子園応援歌にふさわしくない”ラブソング系”タイトル・歌詞
「ずっと好きだから」というタイトルや歌詞が、「高校野球」という文脈に合致していない、”恋愛ソングでは?”との違和感の声が相次ぎました。
さらに、野球そのものに対するリスペクトや熱さが感じられない、といった観点からも批判が高まっています。 -
② MV・歌詞テキストなどに多発する誤字とその修正姿勢
公式ティザー映像やMV公開時、肝心の歌詞テキストに誤字が複数確認される事態となりました。
しかも公式発表などを挟まず無断でテキストが修正(=サイレント修正)されたことで、「批判を無視した姿勢」「説明責任の不足」といった新たな論点に発展しました。 -
③ ねぐせ。自体への既存のアンチ意識やバッシング構造
「TikTok発の新鋭バンド」「女性人気が強い」「メンバーの背景」「パクリ疑惑」「ファン層への嫉妬」等、元から一定のアンチや懐疑的な層が存在し、炎上の加熱に拍車をかけています。
詳細徹底解説:炎上の背景と口コミ分析
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「甲子園×ラブソング」への違和感・反発
甲子園テーマソングには「友情・感動・青春・汗と涙」という普遍的なキーワードや雰囲気が強く期待されています。
しかし実際には「ずっと好きだから」という語感が、「高校野球の熱さや団結」を称えるイメージとは乖離があるとの指摘が目立ちました。
Xや動画共有サービスのコメント欄では「恋愛要素が強すぎ」「なぜ応援歌が告白ソング?」といった受け止め方が繰り返し投稿されています。
実際に昭和~令和を通じて採用されてきた多数の甲子園テーマソングと比べても、今回の曲名の主題やワードチョイスに違和感を抱くユーザーが多かったようです。 -
「歌詞が野球をナメてる?」との怒りの声拡大
歌詞の中に「外野」など野球用語が登場するものの、その使い方が浅い、また野球と無関係な恋愛描写が多いと感じる層が批判的なコメントを拡散しました。
野球へのリスペクトや競技の象徴性を欠いている、という論調がXやまとめサイトの主要意見となっていきました。 -
「誤字乱発」×「サイレント修正」で批判集中
MVや歌詞テロップに明らかな表記ミス、誤変換、脱字等が複数発見され、その後に予告なく修正が行われた点が「不誠実」「公式としての姿勢に疑問」と炎上が拡大する燃料となりました。
また、謝罪文のタイミングや言い回しにも、誠意が感じられない、遅すぎるとの非難も加わっています。 -
既存のアンチ層×感情的拡大再生産
ねぐせ。は元々、“TikTok発のバンド”・“ファン層が若い”という属性から、伝統や格式といった「硬派な野球」層との親和性が必ずしも高くありませんでした。
既存のアンチや批判的な人々が積極的に炎上拡大を主導し、例えばメンバー個人のプライベートや、別件の”パクリ疑惑”など異なる論点までが本件炎上の材料として付与されています。
ネットユーザーの声・評判まとめ(実際の口コミ傾向)
- 「こんなラブソングが甲子園のテーマとか、野球舐めてる」「青春や友情、努力を歌ってほしい」
- 「誤字修正をサイレントでやるとか誠実さがなさすぎ」「炎上商法じゃないの?」
- 「TikTokで売れたバンドだからでしょ どうせまたゴリ押し」
- 「自分たちの世代とは合わない。でも若い人には支持されてるのか…」
- 「MV見てみたけど、誤字云々以前にインパクト弱い」
旧来ファンや若い層からは「爽やかで好き」「逆に斬新」などのポジティブな意見もあり、対立構造がさらに鮮明です。
炎上回避のためにできたこと・再発防止策
- 甲子園テーマ曲という「伝統」×「競技性」が強く問われるタイアップの場合、歌詞やタイトル選定で現場関係者・世論を積極的にヒアリングし、協働性を高める必要があったと考えられます。
- 表記ミスや誤字等は、事前の複数チェック体制やユーザー参加型プレビューなどを導入して、未然に防ぐことが重要です。
- 万が一炎上した場合も、誤字等への修正・釈明は即時かつ丁寧な説明・発信が不可欠です(サイレント修正は逆効果)。
- 新進気鋭のバンド・創作者と保守的な伝統コンテンツとのタイアップでは、世代・価値観のギャップが大きくなるため、双方の良さを引き出すディレクションが不可欠でした。
専門記者・長嶋駿の独自視点:なぜ「ずっと好きだから」はここまで燃えたのか?
ここからは長年トレンドニュースを追ってきた経験から得られた洞察を記します。
本件炎上は「伝統×時代変化×SNS時代の共感ギャップ」が複合的に作用した、典型的な”世代間ネット炎上”の構造に見受けられます。甲子園という国民的コンテンツは、各世代がそれぞれの価値観や思い出を投影しやすいため、「時代の空気を読んだつもり」のアーティストワークが、むしろ”忖度不足”とみなされやすい土壌をもともと持っています。
また、「若者文化発信バンド」が世襲的な行事の顔役を担うこと自体が、守旧派・新世代双方にとって居心地の悪さ/違和感を生みやすく、その小さな引っかかりがSNSによって一気に可視化・増幅されるのが現代の炎上モデルです。加えて、誤字などミスの放置・不誠実な謝罪や対応は、ネット空間での”アーティスト性”や”誠実さ”そのものに大きく影響し、炎上の火種が絶えません。
もし炎上を避けるためには、選曲やタイトルの段階で伝統・文脈・世代性について配慮し、リリース前後のコミュニケーションを密に行う必要があったのではないでしょうか。さらに、全方位批判が拡大しやすい現代においては、どんな新しい試みにも「説明責任」や「誠実さ」を示さないことが最大のリスクになる、という教訓をもたらした事件と考えられます。
最後に、本件の根底にあるのは「多様な価値観のせめぎ合い」と「ネット空間に漂う共感ギャップ」であり、この線引きや橋渡し役となるメディアや制作陣の存在意義が、これからより強く問われていくのでは、と推測しています。