しまむら、900店舗でPASSTOによる衣料品回収を実施
株式会社ECOMMITと株式会社しまむらは、2023年10月27日から11月11日までの期間、しまむらグループ全国900店舗において衣料品回収を実施することを発表した。この取り組みは、循環型社会の実現を目指し、不要品の回収・選別・再流通のインフラを構築するためのものだ。
新たなリユースのスキームを導入
今回の衣料品回収では、従来の「リサイクル」に加え、ECOMMITが提供するPASSTOのスキームを活用した「リユース」が新たに導入される。これにより、リユースとリサイクルによる資源循環の仕組みが強化され、より多くの衣料品が再利用されることが期待されている。
しまむらは、2024年には一部店舗で衣料品回収を実施し、これまでに約170トン以上の衣料品を回収してきた実績がある。また、11月5日からは回収した衣料品を再生素材として活用した「サステナブル商品」の販売も行う予定だ。
回収の流れと対象商品について
回収期間中に店舗で集められた衣料品は、ECOMMITが運営するサーキュラーセンターに集約される。ここでは専門スタッフが状態や素材ごとに選別を行い、以下の2つのルートで資源の循環が行われる。
- リユース:ECOMMITの資源循環サービス「PASSTO」の選別基準に基づき、国内外でリユース品として再販売される。
- リサイクル:協業先の株式会社カイタックファミリーの「MUDA ZERO」プロジェクトを通じて、服から服へのリサイクルが実施される。
回収対象商品は衣料品であり、他社製品も受け付ける。ただし、下着や靴下、靴、服飾雑貨、寝具類、革製品などは対象外となるため、注意が必要だ。また、持ち込む前には必ず洗濯を行い、貴重品がポケットに入っていないか確認することが求められている。
しまむらのサステナビリティ活動
しまむらは、環境への取り組みを「しまエコ」と名付け、ロゴマークを作成している。この活動では、ごみの削減や資源の再利用、環境に配慮した商品づくりなど、サステナブルな取り組みを推進している。詳細は公式サイトで確認できる。
ECOMMITとMUDA ZEROプロジェクト
株式会社カイタックファミリーは、メンズ、レディース、キッズのカジュアルウェアやデニム、パジャマなどを取り扱う総合アパレルメーカーであり、持続可能なファッション産業の未来に向けて「MUDA ZERO」プロジェクトを2023年にスタートした。このプロジェクトでは、回収した衣料品を糸や生地、製品としてリサイクルする取り組みが行われている。
PASSTOの意義と効果
PASSTOは「次の人に渡す、未来へつなぐ」という意味を持つ。このサービスは、生活者が身近な場所で資源循環の入口となり、不要品を回収し、最適な使い道を選別し、リユース・リサイクルの循環を生み出すことを目的としている。PASSTOで回収された衣類のリユース・リサイクル率は約98%であり、CO2排出量の削減にも寄与している。
終わりに
しまむらとECOMMITの共同による衣料品回収の取り組みは、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩である。今後もこのような循環型社会に向けた活動が広がり、多くの人々が参加することで、環境への負荷を軽減し、より良い未来を築くことが期待される。



