中国・上広深の和食店での日本酒提供が昨年比約150%増
日本食品海外プロモーションセンター(JFOODO)は、2024年12月27日から2025年1月26日までの期間、上海、広州、深圳にある80店舗の和食店と連携し、日本酒と和食のペアリング体験を促進するキャンペーンを実施した。このキャンペーンは、開始から5年目を迎え、「寻清酒韵 品和食香(自分に合う日本酒を見つけ、日本酒と和食の魅力を引き出そう)」をテーマに展開された。結果として、58,202杯の日本酒が提供され、前年と比較して約150%の増加を記録した。
キャンペーンの目的と成果
このキャンペーンの主な目的は、多様な日本酒の味わいを知ってもらい、消費者に「日本酒」という選択肢を提供することだった。特に、日本酒への親しみが薄い潜在層をターゲットに、「無料唎酒セット」を導入し、自分に合った日本酒を見つける機会を提供した。その結果、各店舗で平均5本分のボトルが追加で販売され、キャンペーンは大成功を収めた。
日本酒市場の成長と消費者の傾向
日本酒が中国で受け入れられる市場は、近年急成長を遂げている。2013年に「和食」が無形文化遺産に登録され、2024年には「伝統的酒造り」がユネスコの無形文化遺産に正式登録されることが決定した。これにより、日本食とともに楽しむ日本酒の需要が高まると予想されている。
さらに、飞瓜社の「2024年酒类线上消费趋势洞察报告」によると、米酒などの低アルコール飲料の売上高は前年同期比128%増加しており、健康的な飲酒文化が定着しつつある。日本酒はこのトレンドの中で成長する可能性が高いと見られている。
新たな試み「無料唎酒セット」の導入
今回のキャンペーンでは、特に「無料唎酒セット」が注目された。上海、広州、深圳の80店舗で、注文したお客様に対し、2~3種類の日本酒を試飲できるセットが提供された。この試みは、初めて日本酒を楽しむ人々にとって、味を確認しやすい機会となり、多くの好評を得た。
和食とのペアリングメニューの開発
キャンペーン期間中、各店舗の料理長が開発した日本酒と和食のペアリングメニューも販売され、消費者の興味をさらに引き出した。日本酒のペアリングメニューを通じて、消費者は日本酒をより美味しく楽しむ方法を学ぶことができた。
高所得者層向けの品評会とインフルエンサーイベント
キャンペーンに先立ち、高所得者層と酒ファンを対象とした品評会も開催された。参加者は唎酒セットやペアリングメニューを楽しみながら、日本酒のプロから直接教えを受けることができた。また、インフルエンサーやメディア記者を招待した試食イベントも行われ、キャンペーンの内容が広く発信された。
終わりに
今回のキャンペーンは、日本酒の魅力を広めるための重要なステップとなった。今後も日本酒市場は成長を続け、多くの消費者に親しまれる存在となることが期待されている。JFOODOの取り組みを通じて、日本酒と和食の新たな関係が築かれることを願っている。