国内象牙市場閉鎖に関する請願署名キャンペーン実施中
ゾウは地上最大の動物であり、生物多様性の象徴として知られていますが、象牙目的の密猟によってアフリカでの生息数が急激に減少し、絶滅の危機に直面しています。1964年から2016年の間に、アフリカマルミミゾウ(シンリンゾウ)の個体数は平均90%減少し、アフリカサバンナゾウも平均70%減少したとされています。この深刻な状況を受け、国内象牙市場の閉鎖を求める請願署名キャンペーンが実施されています。
象牙市場閉鎖の必要性
この問題の根本的な解決策として、世界各国が国内象牙市場を閉鎖し、象牙の売買を禁止することが求められています。主要な象牙消費国が次々と市場を閉鎖した結果、需要が低下し、象牙価格が下落、密猟も減少したとの評価が国連機関からも発表されています。しかし、日本は国際的な批判を受けながらも、さまざまな種類の象牙製品を販売し続けている現状があります。さらに、日本が関与する違法輸出が明らかになったことも問題視されています。
法改正の動き
日本国内でも、2026年には絶滅危惧種の取引規制を行う「種の保存法」の改正案が通常国会に提出される見通しであり、その中に象牙の売買禁止が盛り込まれる可能性が高まっています。このような背景から、国内象牙市場の閉鎖を求める請願書が今年5月に国会に提出されました。請願の内容は、必要最小限の例外を除き、象牙売買の禁止を求めるものです。
著名人や団体の賛同
この請願には、青森大学前副学長の見城美枝子氏や、前恩賜上野動物園園長の土居利光氏、漫画家のヒサクニヒコ氏をはじめとする多くの著名人が賛同しています。また、認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパンやトラ・ゾウ保護基金などの団体もこの運動を支持しています。これらの活動は、アフリカのゾウを絶滅から守るための重要な一歩となります。
署名の呼びかけ
署名キャンペーンは、特に手遅れにならないようにと呼びかけています。請願書は原本の提出が必要で、送付先は以下の通りです:
〒105-0001 東京都港区虎ノ門2-5-4末広ビル3階
認定NPO法人トラ・ゾウ保護基金 国内象牙市場閉鎖に関する請願実行委員会宛
署名用紙と返信用封筒を希望する方は、トラ・ゾウ保護基金まで連絡をするよう呼びかけています。問い合わせ先は、TEL: 03–3595–8088、Email: hogokikin@jtef.jpです。
署名の注意点
署名は必ず自分の名前で書く必要があり、代筆は不可です。また、住所は省略せずに記入することが求められています。署名が集められた後、国会(衆議院)に提出される予定で、他の目的で使用されることは一切ありません。締切は2025年5月21日必着です。
終わりに
この請願署名キャンペーンは、アフリカのゾウを絶滅から守るための最後のチャンスとも言える重要な取り組みです。未来の世代に美しい自然と共生する環境を残すために、国際的な協力と国内での意識改革が求められます。多くの人々がこの活動に賛同し、署名を通じて声を上げることが期待されています。詳細は、トラ・ゾウ保護基金の公式サイトをご覧ください。