東京都板橋区が発信する新たな防災の形
東京都板橋区は、従来の「防災」の固いイメージを払拭し、「新しい価値・要素」を加えることで、より身近で親しみやすい防災啓発を目指す「いたばし防災+(プラス)プロジェクト」を推進しています。このプロジェクトの一環として、女性の視点から考えた防災グッズや災害への備えを紹介するショート動画が制作され、企業やご当地アイドルの女性たちと協力して配信されています。
女性の視点で考える防災
近年、防災における女性の視点が重要視されており、全国各地で防災・危機管理担当部局の女性職員の割合が増加しています。板橋区の危機管理部でも、令和6年度には職員の四分の一が女性職員となり、これまでになかった新たな視点で防災を考える機会が増えています。これにより、女性ならではのニーズに基づく防災対策が進められています。
板橋区では、区内商業施設と連携し、「家庭で備えておくもの」の周知啓発や防災グッズと交換できるカタログの全世帯配付など、性別の垣根を越えた自助の力を推進する取り組みを行っています。特に「私」が必要とする備えについて、女性の視点からのニーズに着目しているのです。
災害時の多様なニーズに応える
板橋区では、災害時にも役立つ機能性下着「アンジェライト」(カフカ株式会社)や、常温で保存可能な液体ミルク「アイクレオ 赤ちゃんミルク」(江崎グリコ株式会社)などの製品を知り、これらの企業に協力を依頼したところ、快く賛同を得ることができました。これにより、女性の視点で作成された防災動画が完成したのです。
また、区内の「JA東京あおば女性部」やご当地アイドル「CUTIEPAI まゆちゃん」の協力を得て、女性が制作する防災動画が実現しました。この動画は、実際の被災地で生理用品や美容に関する悩みが多く聞かれることを踏まえ、視聴者に「備え」を考えるきっかけを提供することを目的としています。
今後の取り組みと動画の視聴
板橋区では、今後も「女性目線」の防災情報に加え、様々な立場の方々に向けた情報発信を行う予定です。今回のショート動画を含む情報は、どなたにも役立つ内容となっているため、ぜひ視聴してみてほしいとのことです。
詳しくは、板橋区の公式サイトをご覧ください。
いたばし防災+(プラス)プロジェクトの意義
「いたばし防災+(プラス)プロジェクト」は、板橋区が展開するブランド事業の一環であり、防災に「楽しい」「おいしい」「新しい」といった価値を加えることで、これまで防災に関心が薄かった若い世代にもアピールしています。これにより、地域の防災力を向上させることを目指しています。
これまでの取り組みでは、啓発事業や全世帯向けの防災グッズの配布、防災備蓄食品を用いたレシピ紹介などが行われており、最近ではYouTubeやインスタグラムを活用した情報発信も積極的に行われています。これにより、あらゆる層の人々が日常的に防災に関する知識を得られる環境が整っています。
終わりに
板橋区の「いたばし防災+(プラス)プロジェクト」は、女性の視点を取り入れることで新しい防災の形を提案しています。今後も多様な視点からの情報発信が期待され、地域全体の防災力向上に寄与することが期待されます。防災に対する関心が高まる中、誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、板橋区の取り組みが一層進展することを願っています。