気候変動と暴力危機を乗り越える「みんなが食べられる地域」プロジェクト始動

認定NPO法人ハンガー・フリー・ワールド(HFW)は、気候変動と暴力危機の影響を受ける地域で「みんなが食べられる地域」を作るための新プロジェクトを発表し、クラウドファンディングを開始した。目標金額は180万円で、実施期間は2025年4月1日から4月30日までとなっている。詳細はクラウドファンディングページ(こちら)で確認できる。

ブルキナファソの現状とプロジェクトの必要性

ブルキナファソは、乾燥した厳しい気候や異常気象の影響を受け、常に食料不安にさらされている国である。さらに、軍事クーデターや暴力事件が相次ぎ、状況は深刻化している。特に、ワルドゴ村とヴォセ村の住民は、99%が土壌劣化を経験し、農業生産が困難な状況にある。しかし、農業当局からの技術指導を受ける機会がなく、適切な対策を講じることができずにいる。

また、周辺国との国境地域では武装集団によるテロや誘拐事件が頻発し、4万2000人が壊滅的な食料不安に直面し、200万人以上が避難を余儀なくされている。国際社会からの支援は十分に届いておらず、ブルキナファソは「世界で最も忘れられた危機」として2年連続で1位に選ばれている。

プロジェクトの具体的な取り組み

このプロジェクトは、2025年4月よりブルキナファソのヴォセ村とワルドゴ村の住民が主体となり、農業生産量の向上を目指す5ヵ年計画である。HFWは「食料への権利」の実現を目指し、住民が自らの未来について決定権を持ち、地域活動を継続できるようエンパワーメントに取り組んでいる。

具体的には、住民たち自身が農作物の生産量減少の原因を調査し、解決策を考え、活動を計画する。住民が問題に立ち向かうことで、気候変動や暴力といった新たな課題が生じる厳しい環境の中でも、「食」を守り、安定した生活を続けることが可能になる。

レジリエンスを育む取り組み

プロジェクトを通じて、住民たちは「レジリエンス=困難な状況に遭遇してもしなやかに立ち戻る力」を身につけ、自立を目指す。HFWは、住民が自らの力で未来を切り開く手助けをすることで、持続可能な地域づくりを促進していく。

クラウドファンディングの詳細と支援のお願い

クラウドファンディングの目標金額は180万円で、支援金はブルキナファソでの活動を推進するための国内経費に使用される。HFWは、現在支部国への送金を止めておらず、支援が必要な状況にあるブルキナファソの住民たちを支えるために、国際社会からの支援が求められている。

また、プロジェクトの一環として、2025年4月5日には茨木市文化・子育て複合施設でイベントが開催され、参加者はブルキナファソの料理や菓子を試食することができる。参加は無料で、オンラインでも参加可能である。

終わりに

ブルキナファソのような厳しい環境においても、住民たちが「みんなが食べられる地域」を目指して自らの力で未来を切り開く姿勢は、希望の光をもたらすものである。HFWの新プロジェクトが成功し、住民たちが安定した生活を送れるようになることを願っている。今後の活動が、多くの人々にとってのインスピレーションとなり、支援の輪が広がることを期待したい。