ヤマハ発動機が株主優待制度を変更へ 長期保有株主向けに優待ポイントを拡充

ヤマハ発動機株式会社は、2025年12月4日に株主優待制度の一部変更を発表しました。2026年12月期の期末優待から新しい基準が適用され、長期保有の株主に対してより大きなメリットを提供する制度へと移行します。この変更は、株主の皆様の投資魅力をさらに高めるための施策として位置づけられています。

変更内容の概要

今回の変更のポイントは、以下の3つにまとめられます。

  • 保有期間1年未満の株主は対象外:従来よりも長期保有を重視する姿勢が強まります
  • 長期保有(3年以上)の株主に優遇措置:3年以上保有している株主のポイント数が引き上げられます
  • 中間優待(カレンダー)の廃止:6月末に進呈されていたカレンダー優待は2026年より廃止となります

具体的な優待ポイント変更内容

現在の優待制度では、保有株式数に応じて異なるポイントが進呈されており、3年未満と3年以上で分けられていました。新制度では、保有期間を1年未満、1年以上、3年以上の3段階に細分化し、より明確に長期保有を奨励する設計になります。

現行優待(12月末)の場合、例えば3,000株以上保有している株主は、3年未満で4,000ポイント、3年以上で5,000ポイントを受け取っていました。

変更後の優待(2026年12月期以降)では、同じく3,000株以上保有している株主は、1年以上で4,000ポイント、3年以上で6,000ポイントへと拡充されます。つまり、3年以上の長期保有株主は、ポイント数が従来の5,000から6,000へと増加し、より高い優待を受けることが可能になるわけです。

100~999株の保有者の場合も同様に、従来は1年以上保有で1,000ポイント、3年以上で2,000ポイントでしたが、新制度では1年以上で1,000ポイント、3年以上で3,000ポイントとなり、長期保有への報酬がさらに手厚くなります。

中間優待の廃止について

これまで株主に提供されていた中間優待として、6月30日現在の株主名簿に記録された3,000株以上保有の株主に対してカレンダーが進呈されていました。しかし、2026年6月期からは、この中間優待は廃止されることになります。これまで半年ごとに優待を受け取っていた株主にとっては、制度が単年化される変更となるため、注意が必要です。

変更が適用される時期

新しい優待基準は、2026年12月31日を基準日とする優待から適用されます。つまり、2025年12月31日現在の株主に対しては、まだ現行の基準が適用され、2026年12月31日の時点で保有している株主から新基準が導入される予定です。この間に保有期間を重ねることで、より高い優待を受けられるようになるまでの準備期間が設けられています。

制度変更の背景

ヤマハ発動機がこのような変更を導入する背景には、長期保有株主の獲得と定着を目指す戦略があると考えられます。短期的な売却を避け、安定して企業を支援してくれる株主を増やすことは、企業の経営基盤を安定させるために重要です。新制度により、3年以上保有する株主に対してより高いポイントを進呈することで、株主の長期保有を促進し、投資家にとってもより魅力的な投資対象となることを期待しているのです。

株主が知っておくべきポイント

既存株主および新規投資家にとって、この変更はいくつかの留意点があります。

  • 長期保有のメリットが拡大:3年以上保有することで、より多くのポイントが得られるようになります
  • 短期保有は対象外:1年未満の保有では優待の対象外となるため、優待目的での投資を検討している場合は注意が必要です
  • 中間優待の廃止:カレンダーなどの中間優待がなくなるため、年1回の優待受け取りになります

今後の展開

ヤマハ発動機の今回の株主優待制度変更は、株主価値の向上とともに、企業として長期的な成長を志向する姿勢を示すものです。今後、この新制度がどのような反応を示すかは、投資家コミュニティから注目される重要なポイントとなるでしょう。

同社のバイク、マリンレジャー、そのほか各事業を通じて、ヤマハ発動機はグローバルな事業展開を続けています。こうした投資家への施策を通じて、さらなる企業価値の向上を目指す企業姿勢に期待が寄せられています。

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