XRP ETF市場が急速に拡大、機関投資家の関心が集まる
2025年11月のSEC承認以来、暗号資産市場に大きな変化がもたらされています。XRP(リップル)の現物ETF(上場投資信託)が次々と承認され、従来の暗号資産取引所を経由しない新しい投資方法が一般的になりつつあります。アメリカの投資家にとって、より身近で安全な形でXRPに投資できる環境が整備されたのです。
6つのSEC承認XRP ETFがスタート
現在、米国市場では6つのXRP現物ETFが取引されており、それぞれが異なる手数料体系で提供されています。最も手数料が低いのはFranklin Templeton XRP ETF(XRPZ)で、2026年5月31日まで手数料が無料化されています。その他、21Shares XRP ETF(TOXR)が0.30%、Bitwise XRP ETF(XRP)が0.34%、Grayscale XRP Trust ETF(GXRP)が0.35%(2月24日まで無料化)といった選択肢があります。さらにCanary XRP ETF(XRPC)が0.50%、Rex-Osprey XRP ETF(XRPR)が0.75%の手数料となっており、投資家は自身のニーズに合わせてファンドを選択できるようになっています。
これらのETFが登場する前は、XRP市場へのエクスポージャーを得るには暗号資産取引所で直接取引するか、先物などのデリバティブを活用したETFに投資する限定的な方法しかありませんでした。しかし今では、一般的なブローカーを通じてETF形式でXRPを購入できるようになり、より多くの個人投資家や機関投資家がアクセスしやすくなったのです。
急速に増加するETF資金流入
XRP ETFの市場での注目度は非常に高く、2025年11月の立ち上げ以来、11億5,000万ドルを超える資金流入を記録しています。この数字は、市場がこれらのファンドに強い関心を寄せていることを明確に示しています。特に注目すべきは、30日連続で資金流出がなかったという実績です。これは投資家の信頼度が高く、売却圧力が少ないことを意味しており、市場の安定性を示す重要な指標となっています。
資金流入の増加に伴い、XRPの供給構造にも変化が起こっています。ETF発足時点で、交換市場に存在するXRPの保有量は45%減少し、39億5,000万トークンから26億トークンへと大幅に減少しました。これはETFプロバイダーが株式を裏付けるためにXRPを大量に購入し、市場から引き上げていることを示しています。こうした供給面の変化は、価格形成に構造的な上昇圧力をもたらす可能性があります。
規制環境の改善がもたらした機会
このようなETF承認の道が開かれた背景には、重要な規制上の発展があります。2023年7月に連邦判事はリップル社のXRP販売が未登録有価証券ではないと判断し、さらに2025年8月にはSECがリップル社との訴訟を完全に取り下げました。この規制上の明確さが、ETFの承認と機関投資家の参入を大きく促進したのです。
規制面での不確実性が払しょくされたことで、Standard Charteredのような大手金融機関も市場分析に乗り出すようになりました。同行のデジタル資産研究部門責任者Geoffrey Kendrick氏は、XRP ETFが2026年末までに100億ドルの資金流入を達成した場合、XRP価格は8ドルに到達する可能性があると予測しています。これは現在のおよそ1.86ドルから330%の上昇を意味しており、機関投資家の間で相当な期待が寄せられていることがうかがえます。
機関投資家による構造的な需要の形成
Standard Charteredの分析によると、このXRP価格上昇シナリオは単なる投機的な期待ではなく、構造的な要因に基づいています。同行は、ETF資金流入による供給削減と、リップル社の国際送金パートナーシップの進展を含む実務的な採用の拡大が、長期的な価格支持要因になると考えています。
より保守的な見方を示すMotley Foolでさえ、2026年のXRP価格目標を3ドルと設定しており、これは現在水準から約58%の上昇を示唆しています。同社は規制面の明確さとETF承認の恩恵を認めつつも、より慎重なアプローチを取っています。
今後の展開と投資家の注視点
XRP ETF市場はまだ発展途上段階にあります。CoinSharesやWisdomTreeといった他のETF発行者も、SEC承認を待つXRP現物ETFの申請書を提出しており、市場にさらに多くの選択肢がもたらされる可能性があります。これにより、競争が激化し、手数料がさらに低下する可能性も考えられます。
現在のところ、Franklin TempletonとGrayscaleが実施している手数料無料キャンペーンは時間制限付きです。Franklin Templeton XRP ETFは5月31日まで、Grayscale XRP Trust ETFは2月24日までとなっており、これ以降は通常の手数料体系に戻る可能性があります。投資家はこうしたキャンペーン期間を考慮した上で、投資判断を行う必要があります。
XRP投資環境の大きな転換点
2025年のSEC訴訟解決とそれに続く2026年のETF承認は、XRP市場にとって歴史的な転換点となります。従来の暗号資産投資家だけでなく、年金基金や保険会社といった大型機関投資家が参入する道が開かれたのです。これまでのように専門的な取引所での複雑な手続きを経ずに、一般的な証券口座でXRPへの投資が可能になったことの意義は大きいといえます。
11億5,000万ドルを超える資金流入という数字は、まだ初期段階における成功を示しています。Standard Charteredが予測する100億ドルの資金流入シナリオが実現するのか、それとも市場が別の道を辿るのかは、2026年の重要な注視点となるでしょう。いずれにせよ、XRP ETF市場の出現は、暗号資産全体の機関化と民主化を象徴する重要な動きであることは確実です。


