Windows 11の12月セキュリティアップデート「KB5072033」が配信開始 ~16個の有用な改善とセキュリティ強化で話題に

Microsoftが2025年12月9日(現地時間)、Windows 11向けの月例セキュリティアップデート「KB5072033」をリリースしました。このアップデートは、Windows 11バージョン25H2および24H2の両方に対応し、セキュリティ脆弱性の修正と複数の機能改善を含む重要な更新となっています。

セキュリティアップデートの重要性

今月のパッチでは、CVE番号ベースで70件(サードパーティーも含む)の脆弱性が新たに対処されており、その中には実際に悪用されているゼロデイ脆弱性1件と、公開済みゼロデイ脆弱性2件が含まれています。このため、ユーザーにとって今回のアップデート適用は極めて重要です。

特に注目すべきは、Office製品に関する致命的な脆弱性が修正されている点です。これらの脆弱性は、攻撃者がシステムに深刻なダメージを与える可能性があるため、速やかなアップデートが推奨されています。

16個の有用な改善点

KB5072033には、セキュリティパッチに加えて、ユーザーの日常利用に役立つ16個の実用的な改善が含まれています。これらの改善は、前月のプレビューリリース「KB5070311」でテストされた機能から厳選されたものです。

主な改善内容としては、以下の点が挙げられます:

  • ダークモード環境のファイルエクスプローラーにおいて、一瞬表示されていた白い空白画面の不具合が修正されました。これはユーザーにとって非常に気になっていた問題で、目にも優しくない表示でしたが、今回の更新で完全に解決されています
  • 「Ask Copilot」が期待通りに「Click to Do」ウィンドウを起動できない問題に対処。Copilotとデータを共有する際、このウィンドウが前面に表示されるようになり、ユーザー体験が向上します
  • Windows Updateが失敗するトラブルに対して、バージョン24H2以降では、Windows Update経由で同バージョンのWindows 11を再インストールしてコンポーネントとシステムファイルを修復できるようになりました

アップデート適用方法

KB5072033は自動的にユーザーのデバイスに配信されます。具体的には、以下の複数の経路から入手可能です:

  • Windows Updateおよび Microsoft Updateから自動的にダウンロード・インストール
  • Windows Update for Businessを通じた企業環理由での自動配信
  • Microsoft Update Catalogウェブサイトからのスタンドアロンパッケージ取得

ほとんどのユーザーは、通常のWindows Update機能を使用することで、特に追加の操作を行うことなくアップデートを受け取ることができます。

既知の不具合と対応

アップデートの導入に際して、ユーザーが把握しておくべき点があります。ロック画面の「サインインオプション」にパスワードアイコンが表示されない場合があるという既知の不具合が報告されています。

ただし、Microsoftによると、この不具合はWindows 11 HomeやProエディションを使用した一般ユーザーや個人PC環境で発生する可能性は非常に低いとされています。主に企業や組織などのIT部門で管理された環境で発生しているとのことです。個人ユーザーの大多数はこの問題の影響を受けないと予想されます。

新機能とCopilot連携の強化

KB5072033には、AIコンポーネントの更新プログラムも含まれています。ただし、AIコンポーネントはWindows Copilot+ PCにのみ適用され、通常のWindows PCやWindows Serverにはインストールされません。これにより、Copilot機能を搭載した最新のデバイスユーザーは、より高度なAI機能の改善を享受できることになります。

Copilotとのデータ共有機能の改善により、生産性がさらに向上することが期待されています。

サービススタック更新の重要性

今回のアップデートには、サービススタック更新プログラム(SSU)も含まれています。このSSUは、Windowsの更新プログラムをインストールするコンポーネントの品質を向上させるもので、堅牢で信頼性の高いサービススタックの利用を可能にします。これにより、デバイスがより安全かつ確実にMicrosoftの更新プログラムを受信・インストールできるようになります。

ユーザーへの推奨事項

セキュリティ脆弱性の多数の修正と実用的な機能改善を含むこのアップデートは、適用が必須と言えます。特に、実際に悪用されているゼロデイ脆弱性が含まれているため、ユーザーは速やかにアップデートを実施することが強く推奨されます。

多くのユーザーにとって、このアップデートは自動的に配信・インストールされるため、特に追加の操作は必要ありません。ただし、組織的に管理されたPC環境にある場合は、IT部門の指示に従ってアップデートを適用してください。

まとめ

Windows 11の12月セキュリティアップデート「KB5072033」は、セキュリティと利便性の両面で重要な改善をもたらすものです。16個の有用な改善点に加え、70件を超える脆弱性の修正により、ユーザーのシステムはより安全かつ快適な状態になります。このアップデートは、2025年の年末を安心して迎えるために、ぜひ導入しておきたい重要なアップデートです。

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