楽天グループ株価に注目集まる理由とは?2025年相場とあわせてやさしく解説

2025年も日本株市場ではさまざまな銘柄が話題になっていますが、その中でも楽天グループ(証券コード:4755)の株価動向が個人投資家を中心に大きな関心を集めています。この記事では、楽天株の最近の値動きや業績動向を、2025年相場全体の流れとあわせて、わかりやすく整理していきます。

楽天グループ株価の足元の水準と推移

まずは、直近の楽天グループの株価水準を確認してみましょう。

  • 2025年12月12日 13時55分時点の株価:928.3円
  • 前日終値:929.5円(2025年12月11日)
  • この日の値動き:高値939.6円、安値927.1円
  • 年初来高値:1,068~1,068.5円(2025年11月11日)
  • 年初来安値:695円(2025年4月7日)

年初来安値の695円から年初来高値の1,068円台まで、2025年の楽天株は大きく上下してきました。12月時点では900円台前半で推移しており、年初から見るとある程度戻してきた水準と言えます。

直近の株価の動きを日足ベースで見ると、12月上旬は930~960円前後のレンジでの推移が続いています。具体的には、以下のような値動きです。

  • 12月11日:終値929.5円(始値952.9円から下落)
  • 12月10日:終値952.9円
  • 12月9日:終値958.6円
  • 12月8日:終値942.7円
  • 12月5日:終値952.1円

このように、短期的には上下を繰り返しながらも、900円台前半~半ばでのもみ合いとなっている様子がうかがえます。

時価総額や投資尺度から見た楽天株

次に、株価以外の基本的な指標も押さえておきましょう。

  • 時価総額:およそ2兆200億円前後
  • 発行済株式数:約21.6億株
  • 単元株数:100株(最低購入代金は9万円台前半)

楽天グループは、時価総額が2兆円規模の大型株であり、売買代金・出来高も多く、個人・機関投資家の双方から売買が活発な銘柄です。

一方で、投資指標の面では、自己資本比率やROEなどで課題も指摘されています。

  • ROE(自己資本利益率):-18.41%(直近実績)
  • BPS(1株あたり純資産):375円(連結ベース実績)
  • 自己資本比率:一般的に望ましいとされる30%を大きく下回る水準

楽天は、携帯事業などへの先行投資により有利子負債が膨らんでおり、財務の安定性面では慎重な見方も多いとされています。その一方で、後述するように、業績面では回復の兆しが見え始めています。

業績は改善傾向:黒字転換とフィンテックの好調

楽天グループの株価が注目される背景には、業績の持ち直しがあります。2025年12月期第3四半期決算では、以下のような動きが確認されています。

  • 売上収益:前年同期比10.5%増の1兆7,876億円
  • Non-GAAP営業利益:583億円の黒字に転換
  • 全セグメントで増収、特にフィンテック事業が好調

直近12四半期ベースで見ると、収益性は改善傾向にあると評価されています。

  • 純利益率のマイナス幅が縮小し、売上高も持ち直し
  • 営業利益率も前年同期比で改善し、直近はプラスに転じている
  • 総合的に収益性の「下げ止まり」が見える段階

成長性の面でも、売上高は増加傾向にあり、EPS(1株当たり利益)は変動が大きいものの、回復の芽が出てきていると分析されています。

ただし、自己資本比率が低いことや、有利子負債の増加傾向などから、財務の安定性については引き続き注視が必要とされています。この「業績は改善・財務は課題」という構図が、株価の上値・下値の両方を意識させる要因になっています。

2025年の日本株相場の中で見た楽天株

ニュースでは「日本株の2025年 結局、何が上がった? 午後4時から生配信」といったテーマで、年間を通じた相場の振り返りや、上昇した銘柄・セクターが取り上げられています。こうした議論の中で、楽天グループのように業績が改善しつつある銘柄も話題になりやすい状況です。

2025年相場全体としては、金融・自動車・半導体関連などが注目される一方で、インターネット関連やフィンテック企業にも資金が向かいました。その中で、楽天は以下のようなポイントから投資家の関心を集めています。

  • ネット通販、金融、通信など複数の事業を抱える総合グループであること
  • 携帯事業の投資負担が重かったものの、黒字化に向けた転換点が意識されていること
  • フィンテック事業(カード、証券、銀行など)が好調で、成長ドライバーとして期待されていること

こうした点から、「増益率が加速している企業」を特集するランキングや、「半年後の株価と為替」をテーマにしたアナリスト解説の中で、楽天グループの名前が挙がる場面も少なくありません。増益率や業績改善がキーワードとなる場面では、楽天のように「赤字幅縮小から黒字転換」を果たした企業は、投資家にとってチェック対象となりやすいのです。

個人投資家のセンチメント:上昇予想が優勢

個人投資家の「みんなの株価予想」では、楽天グループ株に対して上昇を予想する声が多い状況が確認されています。

  • 上昇予想:88%
  • 下降予想:12%

もちろん、これはあくまで投票形式の指標であり、将来の株価を保証するものではありません。ただ、業績が改善傾向にあることや、株価が年初来高値からやや調整した水準にあることなどから、個人投資家の間では「今後の上昇余地に期待したい」というムードも感じられます。

一方で、信用取引のデータを見ると、信用買い残が多く、信用倍率も高めとなっており、短期的な値動きが荒くなる可能性もあります。投資判断にあたっては、こうした需給要因にも注意が必要です。

アナリスト目線での注目ポイント

マーケット関連のニュースでは、証券会社のストラテジストやアナリストが、「半年後の株価と為替はどうなるか」というテーマで議論を行う特集が組まれています。こうした中で、楽天グループのように

  • 業績が改善しつつある
  • しかし財務の安定性に課題を抱える

といった両面を併せ持つ銘柄は、アナリストの解説でも取り上げやすい存在です。

増益率が加速している企業や、来期以降の業績拡大が期待される銘柄をランキング形式で紹介する企画では、売上高が順調に伸び、営業利益率が改善している企業がピックアップされます。楽天グループも、売上収益の2ケタ成長とNon-GAAPベースでの営業黒字転換という実績から、業績モメンタムに注目が集まる銘柄の一つとなっています。

もっとも、アナリストコメントでは、先ほど触れたように

  • 自己資本比率の低さ
  • 有利子負債の水準
  • 今後の投資負担とキャッシュフロー

といった点がリスク要因として挙げられることも多く、「成長性と財務リスクのバランス」をどう評価するかが、投資判断の分かれ目になっています。

楽天株を見るうえでの基本的なチェックポイント

ここまでの内容を踏まえて、楽天グループ株をニュースやマーケット情報で追う際に、注目しておきたいポイントを整理しておきます。

  • 株価水準とレンジ:年初来高値1,068円台と安値695円の間で、足元では900円台前半を中心に推移
  • 業績トレンド:売上高は2ケタ成長、Non-GAAP営業利益は黒字転換と改善傾向
  • 事業別の動き:フィンテックなど収益源となる事業の伸びが続くか
  • 財務の健全性:自己資本比率や有利子負債の推移
  • 需給要因:信用買残・売残、貸借倍率などの動き
  • 市場全体の流れ:日本株全体で「何が上がっているのか」というテーマの中で、楽天の位置づけを確認

ニュース番組や生配信では、こうしたポイントを背景に、「なぜ今この銘柄が注目されているのか」「これまでの株価の上昇・下落にはどんな要因があったのか」といった解説が行われています。楽天グループ株の場合、業績改善と財務課題の両面が話題の中心になっていると言えるでしょう。

投資初心者にとっての楽天株の位置づけ

楽天グループは、日常生活でも楽天市場、楽天カード、楽天銀行、楽天証券などのサービスを通じて身近に感じられる企業であり、「知っている会社だから投資してみたい」という初心者の方も多い銘柄です。

初心者の方がニュースを通じて楽天株を見る際には、次のような点を意識してみると理解しやすくなります。

  • 「株価が上がった・下がった」という結果だけでなく、その背景にある業績や財務のニュースを見る
  • 1日単位の値動きだけでなく、3か月・1年といった期間でのチャートも確認する
  • 他のネット関連株やフィンテック銘柄と比較しながら位置づけを考える

2025年の相場を振り返る特集や、増益率ランキング、半年後の株価・為替見通しといった企画は、こうした視点を身につけるうえでも参考になります。楽天グループは、事業の多角化と投資負担の大きさという特徴を持つため、ニュースを通じて「会社全体のバランス」を考える良い教材にもなります。

もちろん、実際の投資判断は、ご自身のリスク許容度や投資期間、ポートフォリオ全体のバランスなどを踏まえて慎重に行う必要がありますが、「なぜ今この銘柄が注目されているのか」を理解することは、マーケットニュースを読み解く第一歩と言えるでしょう。

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