Valveが次世代ゲーム体験を提案──Steam Machine・Steam Controller・Steam Frameを一挙発表
米国時間2025年11月12日、ゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveは、次世代のSteam対応ハードウェア3製品を同時に発表しました。注目は、超小型コンソール「Steam Machine」、復活したコントローラー「Steam Controller」とともに、スタンドアロン型VRヘッドセット「Steam Frame」です。これらの新製品は、2026年初頭より出荷開始予定となっています。この記事では、それぞれの特徴や仕様、今後の展望など、最新情報を優しい口調でわかりやすくお伝えします。
小さな巨人「Steam Machine」──160mmキューブの新コンソール
Steam Machineは、約160ミリ四方の小型立方体ボディに、高性能ゲーミングPC同等の構成を凝縮した新世代コンソールです。テレビの下やデスク上、さらには好きな場所へと運んで手軽に設置できる大きさが魅力です。SteamOSがプリインストールされており、電源を入れたその瞬間からAAAタイトルを含む膨大なSteamライブラリへシームレスにアクセス可能です。4K/60fps出力など最新要件もカバーします。
- サイズ:約160mmの立方体で、重さも設置場所を選びません。
- OS:SteamOSを搭載し、PCと同じ柔軟な使い勝手を実現。
- Steamとの連携:Steamライブラリから好きなゲームを即座に起動可能。
- 映像出力:4K/60fpsに対応し、美麗な映像を楽しめます。
これまで「Steam Deck」などの携帯型や従来型Steam Machineで培った技術・UIが昇華され、家庭据え置き機市場に本格参入する意欲作となっています。
復活!新しい「Steam Controller」──より直感的な操作で
かつて根強いファンを生んだSteam Controllerがアップデートされて再登場します。従来モデルから改良された新型コントローラーは、人間工学に基づいて設計されており、従来型ゲームパッドにもSteam独自の操作性をプラス。
新生Steam Controllerは、以下のような特長を持っています。
- アナログスティック・十字キー・各種ボタンの配置がより自然に
- 触覚フィードバックで臨場感UP
- Steam対応の全てのゲームでカスタマイズ可能な入力設定
- PC、Steam Machine、さらには新しいSteam Frameでも利用可能
- ワイヤレスアダプター同梱。最大40時間駆動の省電力設計
新しいゲーム体験だけでなく、従来のPCゲームも、家庭用ゲーム機の感覚で快適に楽しめる柔軟性が自慢です。
次世代の没入体験へ ──「Steam Frame」 スタンドアロンVRヘッドセット
最大の注目を集めているのが、Valve初となるスタンドアロンVRヘッドセット「Steam Frame」(スチームフレーム)です。Steam Frameはパソコンが不要な一体型VRデバイスでありながら、高い性能・柔軟性・使いやすさを実現しています。
- 軽量設計:ヘッドストラップ・バッテリー込みで440g。コア部は185gとクラス最軽量。
- プロセッサ:最新4nm Snapdragon 8 Gen 3 ARM64搭載
- メモリ:16GBの統合LPDDR5X RAM
- ストレージ:256GB/1TBモデル。MicroSDカード対応で拡張も柔軟。
- ディスプレイ:片目2160 x 2160ピクセル LCDパネル。リフレッシュレート72〜144Hz。広視野角最大110度
- 通信:Wi-Fi 7およびデュアルバンド(5GHz/6GHz)無線ストリーミング。
- バッテリー:21.6Wh搭載。連続使用時間も十分。
- トラッキング:外部4カメラとアイトラッキング。コントローラーも高精度6DoF対応。
- フォビエイテッドレンダリング:ユーザーの視線に応じて描画負荷を最適化する次世代技術に対応。
Steam Frameは、PC不要でVR体験がすぐに始められるだけでなく、Wi-Fi経由でゲーミングPCやSteam Machineからストリーミングして高負荷なVRゲームにも対応できます。Meta Quest 3などと同様のパンケーキレンズ構造により、小型・高画質・広視野角も両立。
さらに、Apple Vision Proの「スペースコンピューティング」的な体験も目指し、仮想空間内でさまざまな情報ウィンドウを自在に展開できる「Frames」機能を搭載しています。
Steam Frame Controller──新設計のVRコントローラー
Steam Frame本体には、専用の「Steam Frame Controller」が付属します。
- IMU搭載、6DoFトラッキングで複雑な動きもキャッチ
- 指の動きを検知するフィンガートラッキング
- 触感や振動による「ハプティックフィードバック」
- 正確無比なアナログスティックには高精度TMR磁気センサー採用
- 単三電池駆動、最大40時間の連続利用
VR専用ゲームだけでなく、Steamライブラリのあらゆるタイトルに活用できるよう設計されています。通常のゲームパッドのように使えるため、非VRゲームの操作性も抜群です。
主な技術仕様一覧
- プロセッサ:4nm Snapdragon 8 Gen 3 ARM64
- メモリ:16GB LPDDR5X(ユニファイド、全システム共用)
- ストレージ:256GB / 1TB モデル、MicroSDスロット付き
- ディスプレイ:2160×2160ピクセル(片目)、LCD、リフレッシュレート72~144Hz(144Hzは実験的)
- レンズ:パンケーキレンズ構造
- 通信:Wi-Fi 7(2×2)、デュアル5GHz/6GHzストリーミング対応
- トラッキング:外部4カメラ&アイトラッキングカメラ内蔵
- バッテリー:21.6Wh(背面ストラップ部内蔵、分離可能)
- 重量:コア部185g、フルセット440g
- オーディオ:デュアルマイクアレイ、内蔵スピーカー
- その他:付属ワイヤレスアダプター(低遅延リンク)、ヘッドセット・コントローラー間完全ワイヤレス
市場・今後の展開
Steam用ハードウェア3製品の同時発表は、Valveがこれまでにない本格的なリビングルーム市場進出を果たす決意の表れです。Steam Frameは、Meta Quest 3など世界的VR競争の流れを捉えつつ、新たな「Steam体験」を掲げ、すべてのSteamゲーマーに向けて設計されています。PC要らずで気軽に始められる期待の新型デバイスは、日本でもKOMODOを通じて順次発売される予定。発売日や価格などの続報が待ち遠しいところです。
まとめ
今回Valveが発表した「Steam Machine」「Steam Controller」「Steam Frame」は、それぞれの分野で新しい価値とゲーム体験を拡張する画期的な製品です。Steamユーザーはもちろん、これからゲームやVRを始めたい方々にも、使いやすく楽しい選択肢が拡がります。今後の詳細発表・発売に是非ご期待ください。



