円安進行、米経済指標強さが後押し――2025年9月25日の為替市場動向

2025年9月25日、ニューヨーク外国為替市場で円が対ドルで大きく値下がりし、1ドル=149円台前半と今年8月以来の円安水準へ下落しました。この動きの背景には、発表されたアメリカ経済指標の良好な結果が強く影響しています。

今回の円安の背景――米経済指標が市場心理を変化

米国の4~6月期の実質国内総生産(GDP)確定値が、当初の改定値からさらに予想外の上方修正となりました。また、8月の米耐久財受注速報値も前月比で市場の予想を上回る増加を記録。この二つの統計データが示したのは、米経済の底堅さです。

この結果を受けて外国為替市場では、しばらくの間米国の金融政策で利下げが見送られるという見方が強まりました。そのため、今後も米国の長期金利が高い水準で推移するとの予想が広がりました。一方、日本では長期間にわたり超低金利政策が続いているため、日米の金利差拡大が再び注目され、円を売ってドルを買う動きが加速しました。

為替市場での値動き詳細

  • 25日午前8時40分(米東部時間)時点でドル/円相場は1ドル=149円17~27銭でした。
  • 一時は149円35銭付近と、8月1日以来の高水準を記録しました。
  • 同時に他の主要通貨もドル高の影響を受け、ユーロ/ドルは1.17割れ、ポンド/ドルは1.34割れとなるなど、ドルの強さが際立ちました。
  • ユーロ/円は174円58~68銭。

なぜ米経済の良さが「円安」を招くのか?

ここで「なぜアメリカの経済指標が良いことで円安が進むのか?」という疑問を持つ方もいるでしょう。その仕組みを簡単に解説します。

  • アメリカの経済が好調だと、今後も利上げ(または高金利維持)の可能性が高まります。
  • 日本は依然として超低金利政策(マイナス金利など)を続けています。
  • この「日米の金利差」が大きくなると、投資家は利回りの良いドル資産に魅力を感じ、円を売ってドルを買います。
  • 結果的に、円安(ドル高)が進むのです。

日本経済や私たちの生活への影響

円安が進むと、ニュース番組や新聞でも毎回大きく取り上げられます。その理由は、私たちの生活や企業活動に直接・間接的に大きな影響を与えるからです。

  • 輸入品の価格上昇
    食料やエネルギーなど多くを海外に依存している日本では、円安が進むと輸入コストが上昇し、結果として商品の値段が上がりやすくなります。
  • 海外旅行の費用増加
    円安時には日本円の価値が下がるため、海外旅行先でのショッピングや宿泊費などが割高に感じられるようになります。
  • 輸出企業の収益増
    自動車や機械、電子機器などを世界中に輸出する日本の企業にとっては、円安は収益増加につながるという側面もあります。
  • 個人投資家や資産運用への影響
    外貨預金や海外資産に投資している場合は円安の恩恵を受けやすい反面、国内資産中心の人には影響が感じにくい場合もあります。

今後の動向――為替市場参加者が注目するポイント

今回の円安進行により、多くの市場参加者はFRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策動向に目を向けています。今後の政策金利の動きや、インフレ指標、雇用統計など、一つひとつの経済指標発表が相場に与える影響が大きくなりやすい状況です。また、日銀の政策修正の可能性にも引き続き注目が集まっています。

専門家はどう見ている?為替市場の今後

現時点では、アメリカ経済が引き続き好調であれば、円安ドル高傾向がしばらく続くとの声が強くなっています。逆に、もし米国で景気減速が明らかとなったり、突然FRBが慎重な姿勢に切り替えるような展開となれば、ドル高・円安の流れも変調をきたす可能性があります。

一方で、日本銀行が現状の金融政策を大きく変更するか、あるいは物価や賃金動向を受けて新たなシグナルを出すような場合は、為替相場が再び大きく動く可能性があるため、幅広いムードの変化にも注意が必要です。

2025年9月25日の為替市場・まとめ

  • アメリカの経済統計(GDP・耐久財受注)が予想以上の強さを見せ、ドル買いが加速。
  • 結果として、円は1ドル=149円台前半まで下落、円安が顕著となった。
  • 背景には「日米金利差」や「FRB政策金利見通し」があり、今後もこれらの要因に市場の目が向けられる。

今後も世界経済や各国の政策動向から目が離せません。日々のニュースから最新情報を積極的にキャッチし、ご自身の生活や仕事にも活かしていきましょう。

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