米債券市場2026年は厳しい局面へ、利回り上昇で投資家に試練

米国債券市場が大きな転換点を迎えようとしています。2025年に投資家に大幅なリターンをもたらした米債券市場ですが、2026年は昨年に比べて厳しい年になると予想されています。この変化の背景には、米連邦準備制度(FRB)の金融政策の転換と、トランプ政権の財政政策が深く関わっています。

2025年の好調から一転、2026年は冬の時代へ

2025年の米債券市場は、投資家にとって非常に良い年でした。FRBが合計75ベーシスポイント(bp)の利下げを実施し、米債相場の大きな追い風となったのです。期間1年以上のドル建て債を反映するモーニングスター・USコアボンド・TR・YSD指数を見ると、トータルリターンは約7.3%で、2020年以来で最高の成績を上げました。

しかし、2026年は状況が大きく異なります。市場が織り込むFRBの利下げ幅は約60bpにとどまり、昨年よりも大幅に縮小が見込まれているのです。さらに、トランプ米大統領による減税・財政支出政策が成長率を押し上げることで、米国債利回りは昨年ほど大幅に下がらないと予想されています。

国債利回りが上昇、投資環境が悪化

具体的な利回り水準を見てみましょう。10年物米国債利回りは2025年に40bp余り低下して年末には4.1%前後となりました。一方、2026年1月2日時点では4.20%まで上昇しています。この上昇傾向は今後も続くと見られており、多くのアナリストは2026年末の10年国債利回りが現水準かこれをわずかに上回る水準になると予想しています。

JPモルガンのアナリストチームは年末の10年物国債利回りを4.35%と予想しており、BofAセキュリティーズの金利アナリストチームは4.25%と予想しています。これらの予想が実現すれば、債券投資のリターンは大幅に縮小することになります。

景気再加速が長期債に悪影響

トランプ政権の政策が引き起こす景気の再加速によって、長期債利回りが押し上げられる可能性も指摘されています。同時に、世界的な政府債務水準の上昇により、利回りが押し上げられるリスクもあります。

ナビーン社の最高投資責任者は、10年物国債利回りが約4%に低下すると予想しつつも、長期債全般のパフォーマンスについては慎重な見方を示しており、債券投資の難しさが浮き彫りになっています。

社債市場にも警戒が必要

国債だけでなく、投資適格級社債の環境も変わろうとしています。米国債に対する信用スプレッド(上乗せ利回り)は12月29日時点で約80bpと、年初とほぼ同水準で、1998年以来の最低に近い水準です。

JPモルガンは、テック企業の社債発行が増える見通しであることなどから、この信用スプレッドが2026年には110bpに拡大し、投資適格級社債のトータルリターンは3%に低下する可能性があるとみています。一方、BNPパリバは信用スプレッドが2026年末も80bpで変わらないと予想するなど、見方が分かれています。

投資家にとって2026年は忍耐の年

2026年の米債券市場は、2025年の好況から一転して、投資家にとって厳しい環境になると予想されています。FRBの利下げペースの鈍化と、トランプ政権の財政刺激策による景気加速期待が、債券相場を押し下げる要因となるでしょう。

利回りが上昇傾向にある中で、債券投資のリターンは大幅に縮小が見込まれます。このため、投資家は債券投資戦略の見直しが求められる年になると言えます。また、一部のアナリストは「債券市場はディスインフレと景気減速を織り込んでいない」と指摘しており、予想外の経済展開も否定できません。

いずれにせよ、2026年の米債券市場は注視が必要な局面を迎えています。投資家は、利回りの動向や経済指標を注視しながら、ポートフォリオの調整を検討する必要があるでしょう。

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