ツクモがBTOパソコン受注を一時停止――広がるPCパーツ高騰と“駆け込み需要”の波

PCショップ「ツクモ」が、同社オリジナルのBTOパソコン全製品の受注を一時停止すると発表しました。想定を大きく上回る注文の急増が理由で、再開時期はあらためて案内するとしています。この動きはツクモに限ったものではなく、ほかのBTOメーカーやPCショップにも広がっており、背景にはメモリやストレージなどPCパーツ価格の高騰供給不足があります。

ツクモ、BTO全製品の受注を一時停止

家電量販店ヤマダデンキ傘下のPCショップツクモは、ショップオリジナルのBTO対応PC全製品について、受注を一時停止するとX(旧Twitter)公式アカウントおよび公式サイトで告知しました。

告知では、

  • 想定以上の注文が寄せられている
  • 受注再開時期は未定で、決まり次第あらためて案内する
  • 検討中のユーザーに対してお詫びを表明

といった内容が伝えられています。

ツクモはこれまでも、パーツ価格動向に合わせてキャンペーンや構成変更を頻繁に行ってきたショップですが、「全BTOモデルの受注そのものを止める」という対応は異例と言えます。それだけ、現在の需要増と供給状況の逼迫が厳しいことを示していると考えられます。

背景にあるのは「メモリ価格急騰」と「パーツ不足」

今回のツクモの判断の根底には、PCパーツ市場の大きな変動があります。各種報道によると、2025年11月以降、メモリやストレージの価格が急速に上昇しており、これがBTO各社の生産計画や価格設定を直撃しています。

たとえば、PC情報サイトやショップのアナウンスでは、

  • DDRメモリやSSDなどの仕入れ価格が上昇
  • グラフィックスカードなど、一部パーツで在庫不足が顕在化
  • その結果として、「今の価格のうちに買っておきたい」という駆け込み需要が発生

といった流れが指摘されています。価格高騰が伝わることで、ユーザー側は「値上がり前にゲーミングPCやクリエイター向けPCを購入したい」と考え、BTOメーカーやパソコンショップへの注文が集中する形になりました。

ソフマップゲーミングも価格改定を告知、一部パーツ供給不足の影響

同じPC販売大手のソフマップも、ゲーミングPC関連製品の価格改定を告知しており、その理由として一部パーツの供給不足を挙げています(ニュース要約による)。

具体的な改定内容や値上げ幅は製品ごとに異なりますが、背景にはやはり、

  • メモリ・ストレージなどの原材料コストの上昇
  • GPUなど一部パーツの供給不安

があるとされ、ツクモを含めた複数ショップで「価格見直し」や「一時的な販売停止」が広がる状況となっています。

「高騰前の駆け込み」で注文急増、発送遅れも――パソコンショップSEVEN

PC専門ショップ「パソコンショップSEVEN」でも、メモリ等の価格高騰を受けて注文が通常より大幅に増加しており、製造・出荷に時間がかかっていることがPC関連メディアで報じられています(PC Watch報道要約)。

同ショップは、

  • 価格高騰前の駆け込み注文が増加している
  • その結果、通常よりも製造・出荷に時間を要する状況

であると案内しており、ユーザーに対して納期の遅れへの理解を求めています。

このような「駆け込み需要」と「製造リソースの逼迫」は、ツクモやソフマップゲーミングだけでなく、多くのBTOショップに共通する傾向となりつつあります。

他社BTOメーカーでも相次ぐ受注停止・納期遅延

今回のツクモの発表は、業界全体の動きの中に位置づけて見る必要があります。実際に、

  • マウスコンピューター:想定を大きく上回る受注とパーツ不足により、一部製品の販売停止や出荷遅延の可能性を告知し、翌年1月以降の価格改定も予定している
  • サイコム:受注増加を理由に、BTOパソコン全製品の受注を一時停止し、対応品質維持のための措置であると説明
  • ストーム(STORM):想定以上の注文増により、年内出荷分の受付を終了。BTO構成のPCは年内発送を締め切り、翌年1月以降の出荷と案内

など、複数メーカーが同様の対策を取っています。

さらに、XENOVAなど一部メーカーは、年末年始の工場休業に伴う出荷スケジュールの制限も案内しており、年末にかけてBTOパソコン全体で「納期が伸びやすい時期」になっていることがうかがえます。

ユーザーの反応:「値上がり前に買いたい」一方で「間に合わない」声も

リアルタイム検索やSNSのまとめでは、ツクモのBTO受注停止をめぐり、

  • 「やっぱり値上がりが来た」「メモリ高すぎる」
  • 駆け込みで注文しておいてよかった」「もっと早く決めればよかった」
  • 「年末に新PCを組もうと思っていたのに、間に合わなくなった

といった声が多く見られます。

特に、自作PCに慣れておらず、BTOパソコンに頼ってきたユーザー層にとっては、

  • 「ツクモもサイコムも止まると、どこで頼むべきか悩む」
  • 「他社も同じように納期がかかりそうで不安」

という戸惑いも生まれています。一方で、

  • 「BTOは時間がかかるから、即納モデルや中古も検討したほうがよさそう」
  • 「メモリを今のうちに買っておいて、PC本体は後で組む」

など、柔軟に選択肢を切り替えようとする動きも見られます。

今後のポイント:受注再開と価格動向はどうなる?

現時点で、ツクモは受注再開の具体的な時期を明らかにしていません。また、メモリやストレージ価格の高騰が、各社のBTOパソコン本体価格にどの程度反映されるかについても、詳細はこれからの案内次第です。

ただし、

  • マウスコンピューターが翌年1月以降の価格改定を予告している
  • ソフマップゲーミングが一部パーツの供給不足を理由に価格改定を案内している(ニュース要約)
  • メモリやストレージの仕入れ価格上昇が続いている

といった点から、ツクモを含めた各社が「安値維持」のまま受注を再開するのは難しいとみられています。

ユーザーとしては、

  • ツクモや各BTOメーカーの公式サイト・公式Xアカウントの告知をこまめに確認する
  • どうしても急ぐ場合は、即納モデル在庫モデル、あるいは中古PC・パーツも選択肢に入れる
  • 用途によっては、一時的にメモリ容量を抑えた構成で購入し、価格が落ち着いてから増設を検討する

といった対応が現実的になりそうです。

ツクモの動きが象徴する「BTO市場の転換点」

ここ数年、BTOパソコンは、

  • 自作よりも手軽に高性能な構成が選べる
  • メーカーによる動作検証やサポートがある
  • セール時には自作より割安なケースもある

といった理由で、多くのゲーマーやクリエイター、在宅ワーカーに支持されてきました。

その中心的存在のひとつであるツクモが、BTO全製品の受注を一時停止する事態は、

  • PCパーツ市場の価格変動が、
  • 最終製品である完成品PCの供給にも直接影響しはじめた

ことを象徴しているとも言えます。

今回の受注停止はあくまで一時的な措置とされていますが、受注再開時の価格や納期がどうなるのか、そしてこの動きが他社にどこまで波及するのかは、引き続き注目されます。

PCの買い替えや新規購入を検討している方は、

  • 「本当に今必要か」
  • 「必要なスペックはどの程度か」
  • 「BTO・完成品・中古・自作のどれが最適か」

をあらためて考えながら、ショップの最新情報とあわせて慎重に判断していくことが大切になりそうです。

参考元