トライアルの「ダサかわいい」998円フリースが150万枚突破!人気爆発の理由をやさしく解説
九州や北海道を中心に展開するディスカウント型スーパー「トライアル」で販売されている税込1,097円(本体998円)のフリースが、大きな話題になっています。
正式名称は「シルキーフリースジャケット」。その累計販売枚数は150万枚を突破し、「ダサかわいい」「激安なのにあったかい」とSNSやメディアで取り上げられるほどの人気商品になりました。
この記事では、このトライアルの998円フリースがなぜここまで爆売れしているのか、価格・品質・デザイン・開発の裏側などを、やさしい言葉でわかりやすくまとめてご紹介します。
トライアルの998円フリースってどんな商品?
トライアルのフリースは、24時間営業の店舗などで気軽に購入できる、生活密着型のオリジナルアパレル商品です。 代表的な特徴は次のとおりです。
- 正式名称は「シルキーフリースジャケット」
- 本体価格998円(税込1,097円)という手に取りやすい価格
- 軽くて柔らかく、保温性もしっかりしているフリース素材
- 洗濯機でガンガン洗える、お手入れ簡単な仕様
- レディース・メンズ・キッズなど、サイズ・タイプのバリエーションが豊富
トライアル公式の紹介によると、このシルキーフリースは「シルクのようになめらかな肌ざわり」を目指して作られており、毛足もマイクロフリースとファーフリースの中間程度で、心地よい着用感が特長です。
累計150万枚突破!伸び続ける売り上げ
トライアルのシルキーフリースシリーズは、ここ数年で急成長しています。東洋経済オンラインなどの報道によると、販売枚数の推移は次のように紹介されています。
- 2022年:40万枚
- 2023年:50万枚
- 2024年:60万枚
このように毎年右肩上がりで売り上げを伸ばし、シリーズ累計では150万枚を突破しました。 トライアルとしては、2025年には年間80万枚の販売も目標にしているとされています。
もともとは「スーパーで買える、ちょっとお得なあったかウェア」といった位置づけでしたが、今では「トライアルに行ったら、ついでにあのフリースもチェックしたくなる」と言われるほど、お店の顔になる人気商品になっています。
「ダサかわいい」デザインが逆に刺さる理由
このフリースを語る上で外せないキーワードが「ダサかわいい」という評価です。 記事などでは、「スタイリッシュでおしゃれ最前線」というよりは、どこかホッとするような柄や雰囲気が特徴だと紹介されています。
具体的には、次のようなポイントがあります。
- アルファベット柄やチェック柄、犬や猫の柄など、遊び心のあるプリント
- かつては「城」や「ドクロ」といったユニークな柄も登場したことがある
- 「ちょっとダサいようで、でも着ていて恥ずかしくはない」という絶妙なバランス
この「ちょっと力の抜けたかわいさ」が、「ダサいけど、なんだか愛着がわく」「部屋着としてはむしろちょうどいい」と、多くの人の心をつかんでいます。 トライアル社内でも、この「ダサかわいい」加減は意識されており、あえて完璧な“おしゃれ”を狙いすぎないデザインが、結果として幅広い層に受け入れられているといえそうです。
柄はどうやって決まる?社内投票も活用
ユニークな柄のフリースは、どのように企画されているのでしょうか。報道によれば、柄の企画は外部の企画会社に依頼しながらも、トライアルの販売チームと綿密な打ち合わせを行い、ときには社内投票をしながら決定しているとのことです。
その結果、次のようなバランスに落ち着いています。
- かつては「無地:柄物=7:3」くらいの構成
- 現在は「無地:柄物=8:2」程度に変化
無地のほうが外でも着やすく、幅広い層に指示されやすい一方で、柄物フリースの根強い人気も続いているそうです。 トライアルとしても、柄物フリースは「名物商品」として今後も続けていく方針が語られています。
「スーパーで買えるフリース」がここまで人気のワケ
ユニクロやワークマンなど、多くの企業がフリースを展開するなかで、なぜトライアルの998円フリースがこれほど注目されているのでしょうか。主な理由は次のように整理できます。
- とにかく価格が安い
ユニクロのフリースが2,990円前後、ワークマンのフリースが1,900円前後の商品が多いのに対し、トライアルのシルキーフリースは998円(税別)と、約3分の1〜半分程度の価格帯になっています。 物価高が続く中で、この価格は家計にとって非常に魅力的です。 - 手触りとあたたかさのバランスが良い
シルキーフリースという名前のとおり、なめらかな質感と、日常使いには十分な保温性を兼ね備えています。 - 洗濯機で気軽に洗える
「ガンガン洗える」という点は、家事を担う人にとって特に重要なポイントです。 毎日着るものだからこそ、気をつかわずに洗えて、すぐに乾いて、また翌日も着られる。この手軽さが、リピート購入にもつながっています。 - ついで買いしやすい売り場
食料品や日用品を買いに行ったついでに、「そういえば冬物がなかったな」と思い出してカゴに入れやすい価格と場所に並んでいることも、大きな強みです。
つまりトライアルのフリースは、「安くて、ラクで、そこそこおしゃれ」という、日常生活で求められる条件を、うまくバランスよく満たしている商品だと言えます。
開発の裏側:お客さんとパート従業員の声を反映
トライアルのシルキーフリースは、価格だけではなく、開発プロセスにも特徴があります。東洋経済オンラインの記事によると、商品開発に反映されているのは、お客様の声だけではありません。
大きな役割を担っているのが、店舗で働く「アソシエイト(パート従業員)」の意見です。 アソシエイトの多くは40〜50代の女性
- どんなデザインなら部屋着としても外出着としても使いやすいか
- どこにポケットがあれば便利か
- どのくらいの厚みなら、家の中でも動きやすいか
- どの価格帯なら「家族分もまとめて買いやすい」か
トライアルでは、こうした現場の声をもとに、使われるシーンや生活スタイルをかなり細かく想定しながら、仕様やデザインを決めていると紹介されています。 「安さ」を売りにしつつも、お客さんの声を聞く部分には、あえて手間ひまをかけている点が、他の商品との差につながっているようです。
「生活密着型アパレル」としての強み
トライアルのシルキーフリースは、いわゆる「ファッションブランド」の服というよりも、生活に密着した実用品としてのアパレルという位置づけが強い商品です。
トライアルは、九州に100店舗以上、北海道にも30店舗以上を展開し、車移動が中心のローカルエリアで特に強いチェーンとして知られています。 来店客の多くは、40〜50代の女性で、自分の分だけでなく、夫や子どもなど家族の服をまとめて代理購入するケースも多いといいます。
そのため、フリースにも次のような視点が盛り込まれています。
- サイズ展開を広くし、家族全員分をそろえやすい
- 柄物を含め、バリエーションを豊富にして「選ぶ楽しさ」を提供
- 価格を抑えることで、まとめ買いしやすい設定に
- 部屋着にも近所への外出にも使える、ほどよいカジュアルさ
こうしたコンセプトは、「ついで買い」で試してもらう段階から、「あのフリースを目当てにトライアルに行く」という指名買いへとつながりつつあります。 まさに、スーパーならではの「生活密着型アパレル」として支持を広げているといえるでしょう。
トライアル公式が明かす最新ラインナップと進化ポイント
トライアルの公式サイトでは、シルキーフリースシリーズの最新ラインナップやリニューアル内容も紹介されています。 代表的なアイテムと価格帯は次のようになっています。
- キッズシルキーフリースジャケット(キッズサイズ120〜160cm)
本体価格998円(税込1,097円) - シルキーフリースノーカラージャケット(レディース S〜3L)
本体価格998円(税込1,097円) - そのほか、メンズ向けやパンツタイプなど、シーンに応じたバリエーションを展開
また、公式の紹介によれば、最近のリニューアルでは次のような点が強化されています。
- 肌ざわりをよりなめらかにし、着心地をアップ
- シンプルなデザインで、着回しのしやすさを重視
- 柄物は「遊び心あふれるデザイン」として、手に取りやすい価格で提供
トライアルは、「おうちでのリラックスタイムから、ちょっとした外出まで使える」ことを意識して企画しており、部屋着だけでなくワンマイルウェアとしても活躍できるフリースを目指しているとしています。
ユーザーアンケートから見える人気の背景
トライアルでは、フリースに関する自社調査も行っており、2025年1月には「フリース購入に関するアンケート」(回答数589名)を実施しています。 詳細な数値はすべて公開されているわけではありませんが、こうしたアンケートを通して、ユーザーが求めるポイントを反映させていることがわかります。
予想される声としては、次のようなものが挙げられます。
- 「価格が安いので、子どもが汚してもあまり気にならない」
- 「家族全員分をそろえやすい」
- 「冬の普段着として、とりあえずこれを着ておけば安心」
- 「柄物が毎年変わるので、コレクション感覚で楽しめる」
トライアル公式も、「毎年コレクションしたくなるような楽しさが詰まっている」と表現しており、機能面だけでなく“選ぶ楽しさ”も重視していることがうかがえます。
「激安フリース=安かろう悪かろう」ではない理由
価格が998円と聞くと、「本当に大丈夫?」「すぐ傷んでしまうのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、各種記事では、実際に着用したうえでのコスパの高さが繰り返し紹介されています。
ポイントを整理すると、次のようになります。
- 価格以上の着心地:軽くて柔らかい質感で、部屋着として長時間着ていてもストレスが少ない
- 必要十分な保温性:真冬の屋外用というより、日常生活の多くのシーンでちょうどいい暖かさ
- 洗濯耐性:洗濯機で何度も洗える前提で作られているため、気兼ねなく使える
もちろん、高機能アウトドアブランドのフリースと比べれば、細かい機能性で劣る部分もあるかもしれません。しかし、「毎日の生活を快適にする一着」という意味では、価格と品質のバランスが非常に優れていると評価されています。
これからの「生活密着ウェア」としての可能性
トライアルのシルキーフリースは、単なるヒット商品というだけでなく、スーパー発のアパレルがここまで支持されるという新しい流れを示しているともいえます。
物価高やライフスタイルの変化が進むなかで、
- 高すぎないこと
- 手に入りやすい場所にあること
- 家族全員で共有しやすいこと
- ちょっとした「かわいさ」や「遊び心」があること
といった条件を満たす服のニーズは、今後も高まっていくと考えられます。そのなかで、トライアルの998円フリースは、生活者のリアルな感覚に寄り添った「生活密着アパレル」として、これからも注目され続けそうです。
「これ本当に1,000円台でいいんですか?」と驚かれることも多いというトライアルのシルキーフリース。 気軽に試せる価格なので、近くに店舗がある方は、食料品や日用品の買い物のついでに、売り場をのぞいてみると、その人気の理由を実感できるかもしれません。



