東洋大学が「朝霞研究機器共同利用センター」を学外に開放──社会とつながる先進的な研究拠点の新展開

「朝霞研究機器共同利用センター」、ついに学外利用スタート

東洋大学は、2025年10月1日から埼玉県朝霞キャンパスに設置された「朝霞研究機器共同利用センター」の学外共同利用を本格的に開始します。これにより、企業や他大学の研究者、さらには各種研究機関が東洋大学の持つ先進的な研究機器やリソースを活用できるようになります。2024年に同センターを開設して以来、段階的な利用環境の整備が進められてきましたが、今回の学外開放によって、「知」の交流やイノベーション共創の場が大きく広がります。【出典:1】【出典:2】【出典:3】【出典:4】

学外利用開始の背景──今、大学の研究設備は開かれる時代へ

近年、文部科学省による「研究設備・機器の共用推進ガイドライン」策定などを受け、大学が保有する高性能な研究機器を学外に開放し、社会の研究力を底上げする動きが加速しています。東洋大学もこうした国の方針を受け、学内外の研究者と協力して研究力の向上と資源の有効活用を目指しています。

「朝霞研究機器共同利用センター」とは?──研究者の知が集まるハブ

  • 「生命と食」の研究拠点として機能する朝霞キャンパス内に設置
  • 極限環境微生物の基礎・応用研究や、気候変動による生態系の変化の追究など、独自性の高いテーマに取り組む研究が進行中
  • 約30台に及ぶ先端研究機器を学外利用へ開放。総計約250台の研究機器を誇る
  • 4つの部門(生体情報部門・エンジニアリング部門・形態解析部門・機器分析部門)に分かれ、幅広い分野を対象
  • 各部門には「研究技術員」を配置し、機器利用の講習やサポート、メンテナンスを実施

これらの環境により、生物・工学・分析・形態観察など多彩な分野での卓越した研究活動が展開されています。社会課題解決や新規技術創出の基盤として、オープンで多様な交流を生み出す場としての役割が期待されています。【出典:1】【出典:2】

企業や研究機関向け──利用までの流れとサポート体制

  1. 利用申込フォームで申し込み
  2. 担当者による利用目的や条件のヒアリング・確認
  3. 機器ごとの利用講習会を受講(専門知識のない方も安心)
  4. 理解度チェックをパスした後、利用日時の調整・許可書発行
  5. 利用終了後に報告書提出/利用時間に応じて使用料が発生

専門スタッフによる手厚いサポート体制が敷かれるため、技術的な壁を感じることなく研究活動に集中できます。

学内外の連携による新たな価値創造

東洋大学では従来から「文理融合型の独創的な研究」、産学連携による技術開発、社会課題解決など、多様なイノベーションを推進してきました。朝霞センターの学外共同利用開始により、企業や他大学との受託研究・共同研究が一層活性化されることが期待されます。専門スタッフのサポートや効率的な設備投資も推進され、分野を超えた知のネットワークが形成されつつあります。【出典:2】

具体的な部門・機器の紹介と利用メリット

  • 生体情報部門: 生命科学研究を支援するゲノム解析や細胞観察など
  • エンジニアリング部門: 先端材料開発や装置設計、プロトタイピングをサポート
  • 形態解析部門: 顕微鏡などを用いた微細構造の可視化
  • 機器分析部門: 分析機や評価装置による各種生体・環境サンプルの精密測定

これらの機器・技術を活用することで、企業の新製品開発や試験、学会・論文での高度なデータ取得が可能となり、研究活動の質が飛躍的に向上します。設備導入コストの負担も削減できるため、イノベーション創出のハードルが下がり、結果として社会全体の発展へとつながります。

今後の展望と社会的インパクト

2025年度内にはさらなる利用環境の拡充が予定されており、分野横断的なオープンサイエンス拠点としての地位を確立しつつあります。「朝霞研究機器共同利用センター」の活用を通じ、産学官連携、ベンチャー支援、地元自治体との協働など、多層的な連携ネットワークが広がっていくでしょう。これにより、地方創生や社会課題の解決、新産業育成、環境保全など、広範な社会的インパクトが期待されています。

さいごに──「知」をつなぎ未来を拓く東洋大学の挑戦

「朝霞研究機器共同利用センター」の学外開放は、東洋大学が「世界水準の大学」への進化を目指す中で象徴的な取り組みです。分野や所属を超えて人と「知」がつながることで生まれる、新たな可能性。東洋大学はこれからも、オープンイノベーションを推進し社会の成長エンジンであり続けます。「共同利用」という形の新たな扉は、多くの人々に新発見・新技術・新関係性をもたらすはずです。

参考元