東京ガス、「ヒナタオソーラー」でJクレジット化サービス開始とガスミュージアム新企画展「明治おしゃれ物語」

東京ガスが、エネルギー分野と文化活動の両面で新たな取り組みを進めています。法人向け太陽光PPAサービス「ヒナタオソーラー」では、太陽光で発電し自家消費している分の環境価値をJクレジットとして見える化し、お客さまの負担軽減につなげる新サービスがスタートしました。一方、東京ガスの歴史やガス灯文化を伝えるガスミュージアムでは、「明治おしゃれ物語」と題した企画展が開催され、明治時代の暮らしやファッションを通じて、“近代日本のくらしの変化”を楽しく学べる内容となっています。

「ヒナタオソーラー」とは何か

ヒナタオソーラー」は、東京ガスが提供する法人向けの太陽光発電サービスで、いわゆるPPAモデル(第三者保有モデル)を採用しています。これは、太陽光発電設備をお客さま自身が購入して所有するのではなく、東京ガスが設備を設置・保有し、発電した電気を長期契約で利用してもらう仕組みです。

このサービスの大きな特徴は、次のような点です。

  • 初期費用0円で太陽光発電設備を導入できる
  • 設備の保守・メンテナンスや故障対応もサービス料金に含まれ、原則追加費用が不要
  • 軽量パネルを採用し、これまで荷重の制約などで設置が難しかった屋根にも対応できる
  • おおむね200㎡以上の設置可能面積があれば、PPAで提案が可能
  • 不足分の電力は、既存の電気契約をそのまま利用することも可能で、東京ガスへの切り替えは必須ではない

お客さまは、発電した電力の利用量に応じて月々のサービス料金を支払い、その中に設備費用やメンテナンス費用などが含まれているため、導入時の大きな投資や運用の手間を抑えつつ、太陽光発電を利用できます。

太陽光自家消費分をJクレジット化する新サービスとは

東京ガスは、2026年1月8日に、「ヒナタオソーラー」で発電し、導入先の建物で自家消費される電力の環境価値をJクレジットとして創出し、お客さまへ還元する新サービスを開始したと発表しました。

ここでのポイントは、次の3つです。

  • 自家消費している太陽光発電の「環境価値」を埋もれさせずに、きちんとクレジットとして見える化すること
  • 創出されたJクレジットの価値を活用し、PPAサービス料金の値引きという形でお客さまへ還元すること
  • お客さま側には追加の費用負担や手続きの手間が発生しないように設計されていること

東京ガスによると、このJクレジット化による値引きシステムは特許出願済であり、再生可能エネルギー導入の経済的なハードルを下げる独自の仕組みとなっています。

Jクレジットとは?企業・自治体になぜ重要か

Jクレジットとは、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用によるCO₂排出削減量、あるいは適切な森林管理によるCO₂吸収量などを「クレジット」として国が認証する制度で、日本政府が運営しています。認証されたクレジットは、国内の温暖化対策基本法や省エネルギー法に基づく報告のほか、海外イニシアチブへの報告など、さまざまな用途で活用できます。

近年、企業や自治体のあいだで脱炭素への取り組みが加速しており、信頼性の高いカーボンクレジットに対する需要が急速に高まっています。特に、

  • 自社のCO₂排出量を正しく把握・報告したい企業
  • カーボンニュートラル目標を掲げる自治体や事業者
  • ESG投資やサステナビリティ評価に対応したい企業

にとって、Jクレジットは重要な手段となっています。

なぜ「自家消費分」の環境価値が埋もれていたのか

太陽光発電には、「発電そのものがCO₂を出さない」という非常に大きな環境価値があります。しかし実際には、その価値を報告や取引に活用するための手続きが分かりにくく、実務負担も大きいことから、せっかくの環境価値が「埋もれてしまっている」ケースが多くありました。

特に、法人が自社の屋根などに設置した太陽光設備で発電し、その電気を自社内で自家消費している場合、「どれだけCO₂削減に貢献したのか」をクレジットとして整理し、制度上認証を得るには専門的な知識や手続きが必要となります。

東京ガスは、このように見過ごされてきた環境価値をJクレジットとして創出し、PPA料金の値引きという具体的なメリットに変えて還元することで、お客さまの再エネ導入を後押ししようとしています。

新サービスで期待できるお客さまのメリット

今回の「ヒナタオソーラー」におけるJクレジット化サービスによって、法人のお客さまは次のようなメリットを享受できます。

  • 初期費用0円Jクレジットによる料金値引きで、トータルの費用負担をさらに抑えながら太陽光発電を導入できる
  • 自家消費している太陽光発電の環境価値が可視化され、自社の脱炭素への取り組みとして社内外に説明しやすくなる
  • Jクレジットは、各種報告制度や海外イニシアチブへの報告などにも活用できるため、サステナビリティ戦略の一環として有効活用できる
  • Jクレジットの創出や申請にかかる専門的な手続きは東京ガス側が担うため、お客さまに追加の手間や費用が発生しない

これにより、従来は費用面がネックとなっていた企業や自治体でも、より導入しやすい形で太陽光発電を検討できるようになります。

カーボンニュートラル社会に向けた東京ガスの取り組み

東京ガスは、再生可能エネルギーの普及やカーボンクレジットの調達・創出などを通じて、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する方針を掲げています。信頼性の高いカーボンクレジットの調達を進めるだけでなく、自社サービスを通じたクレジット創出にも取り組んでいることが特徴です。

また、2023年11月にはソリューション事業ブランド「IGNITURE(イグニチャー)」を立ち上げ、家庭・法人・地域コミュニティに対して、経済性・利便性の向上と脱炭素・レジリエンス向上を両立させるソリューションを本格展開しています。ヒナタオソーラーをはじめとするサービスは、この「IGNITURE」の一環として位置付けられています。

東京ガスグループは創立140周年を迎え、「東京を越え、ガスを越え、未来を先取りする企業」として挑戦を続ける姿勢を示しており、エネルギー事業だけでなく、文化や教育の分野でもさまざまな活動を展開しています。

ガスミュージアムとは

東京ガスが運営するガスミュージアムは、ガス事業の歴史や、ガス灯・ガス機器が日本の暮らしにどのような変化をもたらしてきたかを伝える施設です。近代化の進展とともに、人々の生活がどのように便利で豊かになっていったのかを、実物資料や写真、当時の広告などを通じて学ぶことができます。

特に、ガスミュージアムでは企画展を通じて、特定のテーマに焦点を当てながら、暮らし・文化・ファッション・都市の発展などを多角的に紹介しており、子どもから大人まで楽しめる内容が特徴です。

企画展「明治おしゃれ物語」展開催のお知らせ

ガスミュージアムでは、新たな企画展「明治おしゃれ物語」展が開催されています。この展覧会は、その名の通り、明治時代の「おしゃれ」をテーマに、当時の人々の装い、流行、暮らしぶりを紹介するものです。

明治時代は、日本が急速に近代化・西洋化していった時代であり、服装や髪型、アクセサリー、持ち物などの「おしゃれ」も大きく変化しました。和装と洋装が混在し、町にはガス灯が灯り、電車やカメラなど新しい技術が生活に入り込んでいった時代でもあります。

企画展では、こうした時代背景のなかで、

  • 和装と洋装が混ざり合うハイカラなファッション
  • 雑誌や広告に見る当時の流行と美意識
  • ガス灯の灯りがもたらした夜の街のにぎわいと、人々の装いの変化

といったテーマが、わかりやすい解説とともに紹介されています。

「明治おしゃれ物語」展の見どころ

「明治おしゃれ物語」展の魅力は、単に歴史的な資料を並べるだけでなく、「当時の人たちの気持ち」に寄り添いながら紹介している点にあります。

たとえば、

  • 初めて洋装に身を包んだときのワクワク感
  • ガス灯のやわらかな光のもとで楽しむ夜の散歩やお出かけ
  • 雑誌や広告を見ながら、「次はどんな服を着ようか」と考えるおしゃれ心

といった、時代を越えて共感できる視点から、展示が構成されています。

また、ガスミュージアムならではの特徴として、「ガス灯とおしゃれ」の関係に注目している点もあります。ガス灯が街を明るく照らすようになると、人々は夜の時間も外出を楽しむようになり、結果として「夜のおしゃれ」が広がっていきました。そうした、照明技術の進歩が暮らしとファッションにもたらした変化を、具体的なエピソードや資料から学ぶことができます。

子どもから大人まで楽しめる内容

ガスミュージアムの企画展は、専門的な内容だけでなく、イラストや写真、わかりやすい解説パネルを多く用いているのが特徴で、「明治おしゃれ物語」展も同じように、初めて明治時代の文化に触れる方でも楽しめる構成となっています。

また、学校の社会科見学や自由研究の題材としても活用しやすく、

  • 近代日本の歴史
  • 生活文化・ファッションの変遷
  • エネルギーと暮らしの関係

といったテーマを、一度に学ぶことができるのも大きな魅力です。

エネルギーと文化、両面から暮らしを支える東京ガス

今回ご紹介した「ヒナタオソーラー」のJクレジット化サービスと、ガスミュージアムの企画展「明治おしゃれ物語」は、一見すると全く別の話題に見えます。しかし、どちらも「暮らしを豊かにする」という東京ガスの姿勢を、異なる角度から示しています。

エネルギーの分野では、太陽光発電やカーボンクレジットを通じて、企業や自治体の脱炭素経営を支援し、文化・教育の分野では、ガスミュージアムを通じて、過去から現在、そして未来へとつながる暮らしとエネルギーの物語を伝えています。

かつて明治の人々が、ガス灯や新しいファッションに心躍らせたように、現代の私たちは、再生可能エネルギーやカーボンニュートラルといった新しい価値観のもとで、これからの暮らしを形づくっていく段階にいます。そのなかで東京ガスは、技術とサービス、そして文化発信を組み合わせながら、「環境にも家計にもやさしい暮らし」「歴史に学びながら未来を考える暮らし」を支えていると言えるでしょう。

参考元