東海理化が語る「新規事業開発のリアル」――SamuraiDX 2025冬で見えるもの

株式会社東海理化のニュービジネスマーケティング部長・日比良介氏が、ビジネスカンファレンス「SamuraiDX 2025冬」に登壇することが発表されました。自動車部品メーカーとして長年モノづくりに取り組んできた東海理化が、どのように新規事業に挑み、その過程で得た“実戦知”を共有するのかに注目が集まっています。

「SamuraiDX 2025冬」とはどんなイベント?

「SamuraiDX 2025冬」は、名刺アプリ「Eight」と名古屋テレビ放送(メ~テレ)が共催するオンライン型ビジネスカンファレンスです。 テーマは「戦国や幕末の英雄たちが実践したイノベーションを経営に生かす」というユニークなもので、歴史上の英雄たちが成し遂げた変革をヒントに、現代企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)や新規事業の成功のヒントを探る場となっています。

イベントは2025年12月11日(木)・12日(金)の2日間にわたり開催され、Eight独自のオンラインイベントプラットフォーム「Meets」上で配信されます。 参加対象は業種・職種を問わないビジネスパーソンで、約4,500名の参加が見込まれています。 東海地方を中心に、全国のDXや新規事業に関心を持つ人々が集う大型イベントです。

東海理化・日比良介氏が登壇するセッション概要

日比良介氏は、「4部クローズセッション『大企業4社 新事業担当が語る実戦録』」に登壇します。 このセッションは、複数の大企業の新規事業担当者が一堂に会し、それぞれの現場での試行錯誤や成功・失敗の経験を共有するクローズドなディスカッション枠です。

  • セッション名:4部クローズセッション「大企業4社 新事業担当が語る実戦録」
  • 日時:2025年12月12日(金)16:05〜16:55
  • 登壇者:株式会社東海理化 ニュービジネスマーケティング部長 日比 良介
  • 会場:オンライン(事前申込制)
  • 主催:Eight × メ~テレ

セッションでは、多様な新規事業群がどのように立ち上がり、成長していったのか、その中で直面した課題をどのように乗り越えてきたのかについて、具体的な事例を交えて語られる予定です。 参加者は、単なる成功談ではなく、現場でのリアルな葛藤や工夫を知ることができます。

東海理化とはどんな会社か

東海理化は、愛知県丹羽郡大口町に本社を置く自動車部品メーカーで、自動車用各種スイッチ、シートベルトを中心としたセイフティシステム、セキュリティ・キーシステム、電子部品などの開発・製造を行っています。 トヨタ系サプライヤーとして知られ、自動車の安心・安全・快適性を支えるモノづくりで長年にわたり信頼を築いてきました。

一方で、同社は従来の事業領域にとどまらず、新規事業にも積極的に挑戦しています。 既存の自動車関連事業で培った技術力を活かしながら、新たな市場やサービスの可能性を模索しているのが現在の東海理化の大きな特徴です。

なぜ新規事業に挑むのか――登壇の背景

PR TIMESの発表によると、東海理化が今回のセッションに登壇する背景には、「多様な新規事業群」を立ち上げてきた経験を共有したいという思いがあります。 自動車産業を取り巻く環境変化、CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)などのトレンド、少子高齢化やライフスタイルの変化など、メーカーを取り巻く状況は大きく変わり続けています。

その中で東海理化は、「モノづくりメーカーだからこそ持つ強み」と「新しい事業に挑むうえでの難しさ」を両方抱えながら、新規事業に取り組んできました。 日比氏の登壇では、こうした背景のもと、どのように組織を動かし、事業を形にしていったのかが語られる予定です。

セッションで語られる「実戦知」とは

東海理化の発表によると、今回の登壇では、メーカーとしての強みや課題を踏まえた新規事業開発の「実戦知」が紹介されます。 「実戦知」とは、机上の理論ではなく、実際のプロジェクトの現場で得られた知見やノウハウのことです。

具体的には、次のようなポイントが語られるとされています。

  • 複数の新規事業がどのような経緯で生まれ、どのように立ち上がったのか
  • 立ち上げの途中で直面した壁や失敗、それをどう乗り越えたのか
  • 既存の自動車部品事業とのシナジーや、あえて分けて考えた点
  • 社内外のステークホルダーを巻き込みながら進めるための工夫
  • モノづくり企業がサービスやデジタル分野に挑戦する際のポイント

こうした話は、同じく新規事業に悩む大企業の担当者だけでなく、スタートアップや中小企業、これからDXに本格的に取り組もうとする企業にとっても、多くのヒントとなりそうです。

モノづくりメーカーがDXカンファレンスに登壇する意味

「SamuraiDX 2025冬」は、その名の通り「DX(デジタルトランスフォーメーション)」を軸にしたカンファレンスですが、登壇するのはIT企業だけではありません。 東海理化のような伝統あるモノづくりメーカーが登壇することには、いくつかの意味があります。

まず一つは、DXが「IT導入」にとどまらず、ビジネスモデルや組織、事業ポートフォリオ全体の変革につながる取り組みであるという点です。自動車部品メーカーが新規事業に挑むプロセスそのものが、DXの一側面といえます。

もう一つは、歴史の長い企業だからこそ抱える課題の存在です。既存事業が強いがゆえに、新しいことに取り組む際には、社内での理解やリソース配分、評価制度など、独自の難しさが生まれます。東海理化がどのようにその課題を乗り越え、新規事業の芽を育ててきたのかは、多くの伝統企業にとって共感度の高いテーマになるでしょう。

Eightとメ~テレの共催ビジネスカンファレンスとしての特徴

今回のイベントは、Eightとメ~テレの共催である点も特徴的です。 Eightはビジネスパーソン向けの名刺アプリ・ビジネスネットワークサービスであり、そのネットワークを活かして多様な企業や参加者をオンライン上に集める力を持っています。

一方、メ~テレは東海地方を代表するテレビ局として、ビジネスドキュメンタリー番組「SamuraiDX」を展開しており、地域に根ざした企業の挑戦を伝えてきた実績があります。 今回のカンファレンスは、この番組とのコラボレーションとして位置づけられており、東海地方のビジネスパーソンを中心に、DXや新規事業の事例を広く届ける場になっています。

フロンティア株式会社など他社の登壇とあわせた「学びの場」

同じく「SamuraiDX 2025冬」には、Ready Crewを運営するフロンティア株式会社など、さまざまな企業が登壇することも発表されています。[ニュース3の内容を要約] これにより、スタートアップから大企業まで、多様なプレイヤーが一堂に会し、それぞれのDX・新規事業の取り組みを共有する場となります。

東海理化のような大企業と、フロンティア株式会社のような新興企業が同じイベントに登壇することで、規模や業種を超えた学びやコラボレーションのきっかけが生まれることが期待されます。大企業はスタートアップのスピード感や発想から学び、スタートアップは大企業の事業構築力や品質保証のあり方などから学ぶ、といった相互作用が起こりやすい環境です。

オンライン開催ならではの参加しやすさ

イベントはすべてオンラインで実施されるため、場所を問わず参加できる点も魅力です。 事前申込を行えば、自宅やオフィスから気軽に参加できるため、東海地方以外のビジネスパーソンにとっても、有益な情報収集の機会となります。

特に、新規事業・DX担当者だけでなく、

  • これから新しいプロジェクトを立ち上げたいと考えている方
  • 社内でイノベーションを推進する立場にある方
  • モノづくり企業の変革事例に興味がある方

にとっては、東海理化をはじめとする登壇企業のリアルな声を聞くことで、明日からの一歩を考えるヒントが得られるでしょう。

「戦国・幕末の英雄」になぞらえたイノベーションのヒント

「SamuraiDX」という名称が象徴するように、本イベントは歴史上の英雄たちのイノベーションをヒントに、現代の経営や事業開発を考えるというコンセプトを持っています。 戦国時代や幕末の武将・志士たちも、変化の激しい時代の中で、新しい戦略や組織づくりに挑んできました。

そうした歴史の“物語”と、東海理化のような現代企業の新規事業の“物語”を重ね合わせて見ることで、変化の時代に必要な「意思決定」や「行動」のヒントを得ることができそうです。モノづくりの現場で培われた東海理化の実践知が、歴史と現代をつなぐ一つの答えとして提示される場になるかもしれません。

東海理化の今後の動きにも注目

今回の登壇は、東海理化の新規事業への取り組みを外部に広く発信する貴重な機会です。 これまで自動車部品を中心に事業を展開してきた同社が、どのような新しい事業領域に挑み、どのようなパートナーシップやビジネスモデルを模索しているのかは、今後も注目されるポイントです。

「SamuraiDX 2025冬」で語られる内容は、その一端を知る手がかりとなるでしょう。参加者にとっては、単なる事例紹介にとどまらず、自社の変革やキャリアの次の一歩を考えるためのヒントを得られる場になりそうです。

参考元