オルカン投資、NISAで本当に増えるのか? 長期投資・分散投資の成果を徹底解説

長期投資の「オルカン」、30年後の元本はどうなる?

「NISAつみたて投資枠フル活用して15年間投資!その後15年間継続保有したら合計30年で元本はどう変わる?」という記事(LIMO)をきっかけに、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))の長期運用効果に注目が集まっています。

オルカンは、世界の主要株式に低コストで分散投資できる投資信託で、新NISA(2024年スタート)の成長投資枠でも大変人気の商品です。たとえば、NISAのつみたて投資枠で毎月一定額を15年間積み立て、その後15年間そのまま保有した場合、30年後の元本はどうなるのか?実際の運用リターンを慎重にシミュレーションした記事では、世界株式の過去のリターン(年率5〜7%程度)を踏まえると、元本が数倍になっている可能性も示されています。もちろん、将来のリターンが過去と同じとは限りませんが、手数料や税金がかからないNISA制度のメリットを活かせば、積立投資の“複利効果”が大きく期待できます。

分散投資の失敗?「オルカン」1本で良かったかも

「6銘柄に分散投資中だが、オルカン1本でよかったかも」と語るのは、45歳・年収800万円の男性。彼はNISA口座内で6つの投資信託に分散投資していましたが、運用成績を比較すると、オルカンだけで十分なリターンが得られていたと振り返ります。

オルカンは、世界約50カ国・約2,000社以上の株式に分散投資しているため、個別企業や特定国のリスクを大きく減らせるのが特徴です。たとえば、日本やアメリカなど特定の市場が大きく下落しても、他の地域の成長でカバーされる可能性が高くなります。また、S&P500連動型の運用商品も人気ですが、オルカンのような全世界型の方が、より幅広く分散できる点が魅力と言えます。

  • オルカンの利点は「全世界分散」「低コスト」「運用の自動調整」の3つ
  • 分散投資はリスク軽減にはなるが、運用コストや手間が増えることがある
  • リターン面では、オルカン1本でも十分な効果が得られるケースも多い

「複数の投資信託に分けていたけれど、結局オルカンだけで十分だったかも…」という声は、実際の投資家からもよく聞かれます。ただし、目標やリスク許容度によっては、ゴールドや高配当株など他の資産も組み合わせる選択肢もあります。大切なのは「自分にとって最適な分散の形」を考えることです。

積立投資8年目の34歳女性「本当に増えるのか半信半疑だった」

一方で、リスク資産1000万円を積み立てて約8年運用している34歳女性は、「オルカンに投資し始めた頃は本当に元本が増えるのか、半信半疑だった」と率直に語ります。新NISA前から始めた彼女の投資対象はオルカンが中心。最初は値動きに一喜一憂していたものの、年数が経つごとに不安が減り、現在は「毎月の積立を淡々と続けるだけ」という心境に変化しています。

このような層にとって、オルカンの魅力は「世界的な分散投資」に加え、「手間がかからない」点です。毎月自動で積立投資を行うことで、「感情に流されず、機械的に投資を続けられる」ことが、長期運用成功のポイントと言えるでしょう。

  • 投資経験が浅い層でも、オルカンの積立投資は手間がかからず、初心者に優しい
  • 世界的な分散投資なので、“どこかの市場が下がっても大丈夫”という安心感がある
  • 投資歴が長くなるほど、短期の値動きに一喜一憂しなくなる傾向が見られる

オルカン投資の注意点・今後の戦略

もちろん、オルカン投資にもリスクがあります。たとえば、2024年8月の「日本版ブラックマンデー」や2025年4月の「トランプ・ショック」と呼ばれる暴落時には、オルカンも大きく値下がりしました。そうしたときに「NISA損切り」という言葉がSNSに飛び交い、慌てて売却してしまう人も少なくありませんでした。

重要なのは、「短期の下落に慌てて売らない」「長期目線で淡々と積立投資を続ける」ことです。投資歴が長い人ほど、暴落時に冷静でいられる傾向があります。また、オルカンのみならず、リスク資産全般に言えることですが、資産の流動性(例:急な出費に備えられる現金の確保)などライフプランに合わせた資産配分も大切です。

  • 短期の暴落時には、焦って売却しないことが長期運用のポイント
  • オルカンは“万能薬”ではないので、他の資産とのバランスも意識したい
  • 毎月の積立ペースや、ライフプランに合わせた資産配分を見直すことも大切

まとめ

オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー))は、新NISAの成長投資枠で爆発的な人気を集め、運用資産も7兆円超の巨大ファンドに成長しました。長期積立投資やNISAの税制優遇を活用すれば、元本が大きく増えるケースも期待できます。一方で、暴落時には感情に流されず、長期的な視点で投資を続けることや、ライフプランに合わせた資産配分が大切です。

「オルカンだけでいいのか?」と迷う方も、まずは自分の投資方針や目標、リスク許容度をじっくり考えてみてください。オルカンは長期積立投資の“有力な選択肢”の一つですが、万能ではありません。焦らず、無理せず、自分のペースで投資を楽しむ――そんな姿勢が、結果的に大きな成果をもたらしてくれるかもしれません。

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