テスラ株が急落リスクに直面、28日決算で2026年見通しが焦点
電気自動車(EV)大手のテスラ株が現在、大きな下落リスクに直面している。1月28日の決算発表を控えて、市場は2026年の経営見通しに対する強い懸念を抱いており、投資家の間で緊張感が高まっている。過去1年間、テスラ株は複合的な要因によって下落傾向が続いており、その背景には販売不振、競争激化、そして政策変化など多くの課題がある。
販売台数減少が重大な懸念材料に
テスラの業績悪化を象徴する最大の問題が、販売台数の減少である。2025年のテスラの納車台数は前年を下回る結果となり、特に第4四半期の結果は市場の期待を大きく下回った。1年前の2025年1~3月期の段階で販売台数が13.0%減となっており、この販売不振の継続は投資家に大きな不安を与えている。
さらに深刻なのは、生産能力と需要のギャップである。テスラの生産台数が第4四半期の納車台数を3万4000台以上も上回ったことが明らかになり、これはテスラ車に対する需要が減速しているとの懸念を生じさせた。在庫が積み上がっている状況は、今後の販売促進のための値下げ圧力につながる可能性があり、利益率の低下をもたらすリスクがある。
EV市場の競争激化とシェア喪失
もう一つの重大な課題が、グローバルEV市場での競争激化である。特にプレミアムEV市場では選択肢が増え、消費者の関心が分散している。注目すべきは、中国市場でBYDが世界最大のEVメーカーとなったという事実であり、テスラが長年築いてきた業界での優位性が揺らぎ始めている。
米国でのEV補助金廃止も大きな影響を与えている。トランプ氏が2025年7月に成立させた減税関連法案により、EV購入時の税額控除制度が9月末で廃止されたことで、消費者需要が一時的に落ち込むリスクが指摘されている。加えて、中国や欧州でのEV需要の成長がやや停滞しており、グローバル市場全体での成長鈍化が顕著になっている。
テスラの高すぎるバリュエーション評価
テスラ株が過去から高いバリュエーション(将来成長を織り込んだ株価)で取引されていることも、現在の株価下落の背景にある。過去の急落時でさえ、実績PER(株価収益率)は約130倍という極めて高い水準であり、期待が失望に変われば現在の水準は維持できなくなるだろう。
自動運転戦略の実現遅れや、アナリストの間での目標株価引き下げが相次いでいることも、将来の成長見通しに不透明感をもたらしている。投資家心理が慎重になり、株価下落の圧力となっているのが現状である。
マクロ経済環境の悪化も追い風
テスラ株の下落を加速させている要因には、マクロ経済環境の悪化も含まれる。金利上昇や世界経済の不透明感といったマクロ要因が株価を揺さぶる要素になっており、特にドナルド・トランプ大統領が貿易戦争懸念に火をつけたことで投資家心理が暗くなっている。
さらに、米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ見通しの後退といった逆風も目立つようになっている。これらのマクロ要因が、テスラ株だけでなく株式市場全体に対して下押し圧力をかけている状況が続いている。
1月28日決算発表が重要なターニングポイント
こうした複雑な背景を抱える中、1月28日のテスラの決算発表が極めて重要なターニングポイントとなる。市場では、調整ベースの1株当たり利益(EPS)が26.7%減の0.44ドルになると見込まれており、4~6月期以来の減収減益という冴えない結果になりそうだという予想もある。
テスラは直近23回の四半期決算のうち10回で総収入が市場予想を超えられず、1株当たり利益では前回を含む11回で市場予想のクリアに失敗している。こうした失敗の歴史から、投資家の多くは決算発表での悪い結果を想定している。
ただし、テスラが1年前の2025年1~3月期で販売台数が13.0%減となっており、販売不振が一巡する中、2026年1月以降の業績が上向くことも考えられる。2026年のEV事業や人工知能(AI)関連の取り組みで強気な姿勢が示されれば、株価が上昇する可能性があるとの見方もある。
好材料がなければ大幅下落も想定
しかし現実的には、28日の決算会見で好材料がなかった場合には、株価が大きく値下がりする展開が想定されている。これまでテスラの対立構図の歴史を見ると、CEO イーロン・マスク氏とトランプ米大統領の対立が表面化したときには、1日で時価総額22兆円が失われるという大幅な急落も経験している。
現在のテスラの株価は、過去の栄光と将来への期待の上に成り立っている側面が強い。販売実績の低迷、競争激化、期待先行による評価見直し、そして経営者リスクなど、複数の要因が重なっているため、市場の反応は極めて敏感になっている。
投資家は長期戦略を確認する必要
テスラ株への投資を考える際は、短期の株価変動だけでなく、長期的な戦略や企業の基本的な状況(ファンダメンタルズ)を慎重に確認することが重要である。市場がテスラに何を求めているのか、そしてテスラがそれに応えることができるのかが、今後の株価動向を左右する大きな要因となるだろう。
現在、テスラ株は極めてボラティリティの高い状況にあり、1月28日の決算発表がその後の株価方向を大きく決定することになると見られている。投資家の間では、テスラが今後の成長ストーリーを説得力を持って説明できるかどうかが、最大の関心事となっている。



