テスラ、イーロン・マスクCEOに4兆円超の株式報酬を承認

アメリカの電気自動車大手テスラは、CEOのイーロン・マスク氏に対して約4兆3000億円、日本円でおよそ4兆2600億円相当の制限付き株式報酬の付与を決定しました。この株式報酬は、マスク氏が2027年までCEOおよび経営幹部として在籍し続けることを条件としています。

報酬の詳細と背景

テスラの取締役会は、マスク氏への報酬案として9600万株の制限付き株式報酬を承認しました。この株式の総額は約296億ドルに相当し、日本円に換算すると約4兆3600億円となります。今回の報酬はマスク氏が今後も最低2年間、CEO職を続けることが条件です。

テスラ側は、近年の電気自動車の販売減少や株価の低迷を背景に、マスク氏の経営継続を強く望んでいます。巨額のインセンティブを提供することで、彼を引き留め経営に集中させる狙いがあります。

株主や過去の報酬をめぐる議論

この報酬案は、2025年11月の年次株主総会での投票を経て正式決定される予定です。また、マスク氏の大量の株式保有は議決権の強化にもつながる可能性があり、企業経営における影響力がさらに高まると見られています。

マスク氏の高額報酬は今回が初めてではありません。2018年には約8兆円相当の報酬案が承認されましたが、その際には「過剰な報酬」として一部株主が訴訟を提起し、2025年1月にデラウェア州の裁判所がその報酬案を無効と判断しました。この判決に対し、マスク氏側は不服として控訴し、現在も裁判は継続中です。

今後の見通しと業界への影響

今回の報酬案は、テスラの株主や投資家に大きな注目を集めています。マスク氏の経営手腕を高く評価する声がある一方で、その報酬の高さを問題視する意見も根強く存在します。

電気自動車業界は競争が激化しており、テスラにとっては技術革新や事業成長が求められる重要な局面です。マスク氏の継続的なリーダーシップが企業の将来を左右するとの見方が強まる中、この株式報酬は経営の安定化と強化を目的とした決断といえます。

テスラの株主総会での最終判断が注目されるとともに、報酬問題をめぐる裁判の動向も今後のマーケットや経営方針に影響を与える可能性が高いと見られます。

(参考:フジテレビ国際取材部、TBSテレビ、BSフジプライムニュース)

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