TDK株価、目標株価2,860円に引上げ──専門家評価と最新動向を詳しく解説
TDK(証券コード:6762)は、電子部品や記録メディア分野で国内外に広く事業を展開する、東証プライム市場の代表的企業です。このたび大手米系証券会社がTDKの目標株価を2,860円に引き上げ、レーティングを「強気(Buy)」で継続するという発表がありました。この記事では、TDK株価の直近の動きやアナリスト評価の背景、市場が注目している要因をわかりやすく詳しくご紹介します。
最新のTDK株価と値動き
2025年10月28日時点のTDKの終値は2,572.5円となりました。前日10月27日には一時高値2,609円を記録し、出来高も増加しています。株価は年初来最安値である4月7日の1,165円から大きく回復し、10月以降に一段高となっています。直近の数日間で2,500円台後半を維持し、力強い値動きが続いています。
(2025年10月27日、始値2,567.5円、高値2,609円、安値2,557.5円、終値2,589円、出来高7,373,400株、10月28日終値2,572.5円)
- 年初来高値:2,609円(2025年10月27日)
- 年初来安値:1,165円(2025年4月7日)
- 高値更新時は取引量も増加し、投資家の関心が高まっています
アナリストの評価と目標株価は?
米系大手証券会社は、TDKの今後の成長期待を評価し、目標株価を2,860円に引き上げました。レーティングは引き続き「強気」とされており、今後12カ月間の上値余地を示唆しています[ニュース内容1]。また、国内外のアナリストからも最上位評価が複数出されており、目標株価の増額や強気継続の動きが目立ちます。
- アナリスト平均12カ月予想目標株価:2,503円
- 下値目途:1,524円(PBR1.63倍時)/上値目途:2,462円(PBR2.63倍時)
- 直近では目標株価を上回る水準まで株価が上昇する場面もありました
決算結果と業績のポイント
TDKの最新四半期(2026年3月期第1四半期)決算では、売上高は5,357.53億円(前年同期比3.3%増)と微増となる一方、営業利益は564.19億円(同2.5%減)、親会社株主に帰属する四半期利益は414.62億円(同30.5%減)と減益でした。円高の進行、自動車市場向け製品の出荷減少などで利益が落ち込んでおり、今後の市場環境を注視する必要があります。
- 営業利益・純利益は減少したものの、売上は堅調を維持
- 自動車市場向け電子部品の出荷動向、為替影響が重要材料
- 2025年10月31日に中間決算の発表予定
TDK株価指標と投資家の見方
TDKの株価指標を見ると、PBR(株価純資産倍率)2.75倍、PER(株価収益率)36.2倍(2025年10月28日時点、予想)とやや割高な領域にあり、成長期待が株価に織り込まれつつある状況です。また、ADR(米国預託証券)でも日本市場とベースを合わせて堅調な推移を示しています。
- BPS(1株あたり純資産):936円
- EPS(1株あたり利益、予想):71.1円
- PER(予想):36.2倍(会予)/24.2倍(予想EPS106.2円の場合)
- 株主還元や配当方針も一定の注目材料となっています
なぜTDK株価は上昇したのか?──市場環境と材料
TDK株価が2025年下半期に大きく上昇した背景には、下記のような材料があります。
- AI・車載向け電子部品需要の強さ
世界的な半導体需要や自動車の電動化・自動運転化推進により、主力のMLCCやインダクタなど電子部品が堅調。 - 円安トレンドの業績押上げ効果
為替変動に伴う売上・利益面での増額修正期待。 - 構造改革・事業ポートフォリオ見直しの進展
非注力分野からの撤退や注力分野(エネルギーデバイス・センサー等)へのリソース集中。 - アナリストによる目標株価増額とレーティング据え置き=機関投資家の買い安心感
一方、電子部品業界全体の成長減速や自動車市場向け資材価格・物流コスト上昇など、中長期的なリスクも忘れてはいけません。
今後の見通しと注意点
アナリスト評価や強気な株価目標の裏づけとしては、グローバル市場での需要の高さや、製品構成の最適化が評価材料となっています。しかし、為替やマクロ景気動向の不透明感、決算で示された一時的な業績減速への警戒も残ります。
- 今後の注目材料:10月31日の中間決算発表、自動車・IT関連市場の需要動向、円相場の安定性
- アナリスト予想が強気でも、株価の短期変動には注意が必要です
まとめ──投資家・個人の方へのメッセージ
TDKは、日本を代表する電子部品メーカーとして、引き続き世界市場で成長が期待されています。アナリストからの高評価や目標株価の引き上げは励みになるものですが、現実の業績や世界情勢を冷静に見極めて投資判断を行うことが大切です。特に、今後発表予定の決算内容や、主要市場の動向にもぜひ注目してください。
- 強気評価が続く一方、急な相場変動やリスク要因があることも理解しましょう。
- TDKの特徴ある製品展開やイノベーションは今後も注目です。
- 中長期目線での企業価値向上に期待がかかります。



