スズキ、初の電気自動車「eビターラ」を国内2026年1月発売へ - 価格は399万円から

スズキ株式会社は、2026年1月16日より国内初となるバッテリー電気自動車(BEV)「eビターラ」を発売すると発表しました。この新型モデルは、スズキがこれまで世界戦略車として各国に投じてきた経験とノウハウの集大成とも言えるものです。価格は399万3,000円からとなります。

スズキ初のEV「eビターラ」――その概要と特徴

「eビターラ」は、スズキにとって初のBEV(バッテリー電気自動車)です。
2024年11月にイタリア・ミラノで、翌2025年1月にはインド・デリーの「Bharat Mobility Global Expo 2025」にてそれぞれお披露目され、そこから満を持して日本市場に投入される運びとなりました。

  • 発売日:2026年1月16日
  • 価格(税込):399万3,000円~492万8,000円
  • 車体種別:SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)
  • 駆動方式:2WDおよび4WD(電動4WD「ALLGRIP-e」)
  • 電池容量:49kWh または 61kWh
  • 一充電走行距離(WLTCモード想定):433〜520km(仕様による)

「Emotional Versatile Cruiser」――商品コンセプト

「eビターラ」は、「Emotional Versatile Cruiser」という商品コンセプトを掲げ、
BEVならではの先進的な走行感覚とSUVの力強さを両立するデザインに仕上げています。

  • 先進のBEVパワートレーン:レスポンスの良さと加速感、静粛性を高次元で両立。
  • 電動4WD「ALLGRIP-e」:電動化による細やかなトルク制御で、オフロードや雪道を含めあらゆる路面状況に対応。
  • 新開発プラットフォーム「HEARTECT-e」:独自の新構造で、軽量かつ高剛性、電池パックを最適配置。

安全・環境性能への取り組み

「eビターラ」は国土交通省の定める安全運転サポート車「サポカーS ワイド」認定車、および「ペダル踏み間違い急発進抑制装置(PMPD)」認定車に該当し、先進安全技術を多数搭載しています。また、エコカー減税(重量税の免税)対象となっている点も見逃せません。

「eビターラ」の価格と主要グレード

日本で販売される「eビターラ」は、主に以下の3つのグレードが設定されます。それぞれの特徴は下記の通りです。

グレード 駆動方式 電池容量 一充電走行距離
(WLTCモード)
価格(税込) エコカー減税
X 2WD 49kWh 433km 3,993,000円 重量税免税
Z 2WD 61kWh 520km 4,488,000円 重量税免税
Z 4WD 61kWh 472km 4,928,000円 重量税免税

デザインと装備について

「eビターラ」は、BEVならではの近未来的なフロントグリルやシャープなLEDランプ、SUVらしい堂々としたプロポーションが特徴です。室内には最新のインフォテインメントシステムや、スマートフォン連携機能、大容量ラゲッジスペースなど、使い勝手と快適性を両立しています。

  • 大型ディスプレイオーディオ搭載
  • 先進運転支援システム(ADAS)(自動ブレーキ、アダプティブクルーズコントロール等)
  • シートヒーターやサイドエアバッグ等、快適・安全装備が充実

環境配慮と充電性能

「eビターラ」は、日本国内のEV充電規格(CHAdeMO、普通充電)に対応しており、家庭や商業施設などでの利用しやすさにも配慮されています。
また、スズキ独自のバッテリーマネジメントシステムで、電池寿命や安全性向上にも取り組んでいます。

背景 ― 国内外で進むEV普及とスズキの戦略

近年、世界的に電気自動車(EV)の需要は急速に増加しています。スズキはインド、ヨーロッパを中心にグローバルでBEV市場を開拓し、日本国内でも本格的な導入を決断しました。
「eビターラ」は、スズキのEV戦略の中核を担う車種となり、今後ラインナップの拡充や国内外市場でのシェア拡大が期待されます。

競合他社との比較と今後の展望

EV市場では海外メーカーや国内他社もさまざまな新型BEVを投入していますが、「eビターラ」はスズキらしい手頃な価格帯と、実用性・信頼性を重視した設計で差別化を図っています。今後もスズキは、EVラインナップの充実化を計画していることから、エントリーモデルやミニバン、軽自動車EVの発表にも注目が集まるでしょう。

ユーザーの関心と今後のサポート体制

今回の発表を受けて、全国のスズキ販売店には多くの問い合わせが相次いでいるとのことです。また、充電インフラの整備や、EV専用サービスメニューの提供など、購入後のユーザーサポート体制も順次強化されていきます。

まとめ ― 「eビターラ」はスズキEV時代の幕開け

「eビターラ」は、〈安価で身近なSUV〉というスズキの企業精神を受け継ぎながら、電動化時代に最適化された次世代自動車として大きな注目を集めています。今後の日本のEV市場の成長とともに、「eビターラ」のさらなる活躍が期待されます。

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