岩手県北バス「盛岡大学線」運行停止のお知らせ:背景と今後の対応

盛岡大学線とは

盛岡大学線は、岩手県北バスが運行する路線で、盛岡バスセンター・盛岡駅と盛岡大学を結ぶ重要な交通手段です。長年、盛岡大学の学生や教職員、そして沿線地域の住民にとって通学・通勤を支える公共交通機関として親しまれてきました。特に盛岡大学が現在の場所に移転して以来、大学との通学輸送契約に基づき運行されてきた歴史があります。

運行停止の経緯と背景

2025年度末(令和7年度末)をもって盛岡大学線の運行停止が決定しました。主な理由として、盛岡大学と岩手県北バスが結んでいた通学輸送契約が2025年度で終了することが挙げられます。これにより、2026年4月以降は基本的に運行を取りやめる予定です。

ここ数年、盛岡大学では通学負担軽減を目的に通学費用無償化施策が導入されてきました。また、バス利用者の利便性向上のため、割引定期券の発行、増便や運行時間の調整が図られていました。しかし、2026年度からは大学が通学支援対象を路線バスから鉄道に切り替える方針を表明したため、岩手県北バスとの契約継続が難しくなった経緯があります。

  • 大学側:通学交通機関事業の新システム導入を発表。IGRいわて銀河鉄道による鉄路輸送を軸とし、巣子駅からはシャトルバスや複数のスクールバス路線が設定される方針。
  • バス会社側:公共交通維持への提案や運行継続要望を出すも、学生利用者の減少が見込まれるため停止を決断。

地域と利用者への影響

運行停止は、盛岡大学の学生のみならず、沿線住民、盛岡農業高校の生徒にも影響します。主たる利用客の学生が大きく減ることで路線維持が困難になりますが、岩手県北バスは

  • 盛岡バスセンター・盛岡駅~厨川・巣子エリアへの新規路線を計画
  • 同エリア運行中の沼宮内線・八幡平線の利用案内
  • 盛岡農業高校への通学輸送は従前通り継続予定

といった代替策の検討・実施を進めていく方針です。

また利用状況等に応じ、盛岡バスセンター・盛岡駅から厨川・巣子エリアまでの新規系統を計画し、今後、バス時刻や運賃などの詳細は確定次第発表される予定です。

盛岡大学の新たな通学交通計画

盛岡大学では、従来のスクールバス無料化制度から新しい通学交通システムへ移行することとなりました。2026年度以降は、

  • 盛岡駅から巣子駅までIGRいわて銀河鉄道利用
  • 巣子駅から盛岡大学・短期大学部キャンパス、附属高校までのシャトルバス運行
  • 「青山・みたけ線」「学生会館線」「松園線」「滝沢線」4路線のスクールバス新設

というシステムとなります。

学生・生徒は「年間登録料」納入で利用可能となり、現在在籍している学生や生徒は所定の卒業年次まで無償で利用できる措置も講じられています。スクールバスの運営は複数社の見積を精査し、最終的に(株)富士モーターサービスへ委託されます。

地域交通のこれからと利用者へのメッセージ

盛岡大学線の停止は、地域交通網にとって大きな変化となります。公共交通は単なる移動手段ではなく、通学・通勤・買い物・地域交流など、日々の生活に欠かせないインフラです。岩手県北バスは、今後も

  • 地域住民の移動手段の維持
  • 利用状況に応じたバス新路線の設定
  • 既存路線(沼宮内線・八幡平線など)の案内強化
  • 盛岡農業高校生の輸送継続

など、利用者視点に立った対策を講じていくとしています。

運行時刻や運賃などは詳細が決まり次第、公式サイトや案内等で随時発表される予定です。日ごろバスをご利用されている皆様には大変ご不便をおかけしますが、今後とも岩手県北バスをご利用いただきますようお願い申し上げます。
問い合わせなどについては、岩手県北バスインフォメーション:019-641-1212(平日9時~17時)にて受付しています。

今後の情報発信と利用者へのお願い

この件に関しては、岩手県北バス公式サイトや盛岡大学の公式情報、自治体のお知らせなどで随時発表されるため、今後の「バス時刻」や「新路線の運行開始」も注視していく必要があります。

また、盛岡大学線に限らず地域の公共交通利用促進が重要です。利用者一人ひとりが乗車することで路線継続の可能性も高まり、地域の足を守ることにもつながります。

最後に改めて、盛岡大学線を長年支えてきた全ての皆様に感謝申し上げます。新たな交通システムが安全で便利に運用され、地域の学生および住民の皆様の移動がより円滑になることを願っています。

参考元