スバル「フォレスター」が2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーに決定
2025年12月4日、日本を代表する自動車の栄誉を決める「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考会・表彰式が開催されました。栄えある大賞「イヤーカー」には、スバルの主力SUV「フォレスター」が選ばれました。今回の受賞は、スバルが長年大切にしてきた安全性と、最新技術を融合させた新型フォレスターの高い評価を示すものです。
日本カー・オブ・ザ・イヤーとは
日本カー・オブ・ザ・イヤー(JCOTY)は、1980年に創設された日本でもっとも権威のある自動車の賞です。40年以上の歴史を持ち、自動車関連メディア41媒体が主催しており、毎年一定期間に発表された新型車の中から「その年を代表する1台」を選出します。今回は第46回目の開催となり、ノミネートされた35台の新型車の中から、最高得点を獲得した1台を決定するという重要な選出プロセスを経ています。
選出プロセスと規模
選考の対象となるのは、2024年11月1日から2025年10月31日までに発表または発売された乗用車です。今回のノミネート車は全35台と、豊富な選択肢の中から選出されました。自動車評論家やジャーナリストなど、各メディアから選出された60名の選考委員による投票で決定される仕組みになっています。一次予選で10台の「10ベストカー」が選出され、その後、この10台の中から最終的に「イヤーカー」が選ばれます。
スバル「フォレスター」が選ばれた理由
走行性能と燃費性能の両立
新型フォレスターが高く評価された最大の理由は、スバルの独自技術と最新のハイブリッド技術の融合です。2025年4月にフルモデルチェンジした6代目のフォレスターには、待望のストロングハイブリッド(S:HEV)が初めて搭載されました。スバルが60年以上にわたって磨き続けてきた水平対向エンジンと、最新のハイブリッド技術が組み合わさることで、燃費性能と走りの愉しさの両立を実現しています。
これにより、フォレスターは「スバルらしい環境エンジン」へと進化し、環境性能と運転の楽しさという、相反する要素をバランスよく備えた車となりました。選考委員からは、この技術的な革新性が特に高く評価されています。
総合的な高い完成度
スバル フォレスターが受賞した理由は、燃費性能だけにとどまりません。選考理由として挙げられているのは、以下のような多角的な評価です。
- ミドルサイズSUVとしての実用性と快適性
- オフロード性能の充実
- 走行性能の高さ
- スバルが一貫して重視してきた安全性の実装
つまり、フォレスターは単なる燃費の良いクルマではなく、SUVとして求められるあらゆる要素を高い次元で融合させた完成度の高い1台として評価されたのです。
先進安全装備の進化
スバルが創業以来こだわり続けている安全性能についても、新型フォレスターは大きな進化を遂げています。アイサイトXをはじめとした最先端の運転支援技術が搭載され、ドライバーの負担を軽減しながら安全性を大幅に向上させています。
特に注目されるのは、歩行者だけでなくサイクリストの傷害低減にも寄与するエアバッグなど、他の車種では見られない細かな配慮です。これらの安全装備の進化が、選考委員から特に高い評価を受けました。
2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤーの「10ベストカー」
イヤーカーに選ばれたスバル フォレスターを含む、「10ベストカー」は以下の通りです。
- スズキ eビターラ
- スバル フォレスター
- ダイハツ ムーヴ
- トヨタ クラウン(エステート)
- 日産 リーフ
- ホンダ プレリュード
- BMW 2シリーズ グランクーペ
- ヒョンデ インスター
- プジョー 3008
- フォルクスワーゲン ID.Buzz
10ベストカーには、国産車から輸入車まで、様々なジャンルの新型車が選出されています。これらの中からスバル フォレスターが最高得点を獲得し、イヤーカーとなったのです。
その他の受賞車種
イヤーカーのほかにも、日本カー・オブ・ザ・イヤーではいくつかの部門賞が設けられています。
- インポートCOTY(輸入車部門):フォルクスワーゲン ID.Buzz
- デザインCOTY:フォルクスワーゲン ID.Buzz
- テクノロジーCOTY:ポルシェ 911カレラGTS
フォルクスワーゲン ID.Buzzは、インポートCOTYとデザインCOTYの両部門でダブル受賞を果たし、輸入車の中でも特に高い評価を得ています。また、ポルシェ 911カレラGTSがテクノロジーCOTYを獲得するなど、各部門で様々なメーカーの新型車が栄誉に輝いています。
スバル フォレスターの進化の歴史
ミドルサイズSUVの代表選手
フォレスターはスバルの主力車種の一つで、ミドルサイズのSUV市場において確固たる地位を築いています。2025年4月に実施されたフルモデルチェンジにより、6代目へと進化しました。このモデルチェンジは、単なる外観のリニューアルにとどまらず、エンジン技術からハイブリッドシステム、安全装備に至るまで、あらゆる面での革新を含んでいます。
スバルの哲学の実現
新型フォレスターが体現しているのは、スバルが60年以上にわたって追求してきた理念です。水平対向エンジンの採用、安全性を最優先にした設計思想、そして環境への配慮——これらすべてが、新型フォレスターに集約されています。
ストロングハイブリッド技術の採用は、スバルにとって大きな転換点となります。燃費性能と環境性能への対応は、現代の自動車メーカーにとって避けられない課題ですが、スバルはこれをスバルらしい走りの愉しさと両立させることに成功しました。この技術的な成熟度が、選考委員から高く評価された理由の一つです。
カー・オブ・ザ・イヤーが示す市場のトレンド
安全性と環境性能への関心の高まり
今回の「10ベストカー」の顔ぶれを見ると、いくつかの重要なトレンドが浮かび上がります。電動化への対応(日産 リーフ、フォルクスワーゲン ID.Buzz)、安全装備の進化、そして燃費性能の向上が、すべてのジャンルで重視されていることがわかります。
スバル フォレスターがイヤーカーに選ばれたことは、自動車業界が単なる電動化だけでなく、従来のエンジン技術を最大限に活用しながら、同時に環境性能と安全性を実現する車を高く評価していることを示しています。
SUVカテゴリーの重要性
10ベストカーの中にはSUVやクロスオーバー車が複数含まれており、このカテゴリーが市場で最も注目されているジャンルであることが明らかです。スバル フォレスター、スズキ eビターラ、プジョー 3008など、様々なメーカーのSUVが選ばれている事実は、消費者ニーズの多様化を反映しています。
まとめ
2025年12月4日に開催された「2025-2026日本カー・オブ・ザ・イヤー」の最終選考会で、スバル「フォレスター」がイヤーカーに選ばれました。この受賞は、走行性能、実用性、快適性、オフロード性能、そして安全性を高い次元で融合させた完成度の高いSUVが、日本を代表するクルマとして認められたことを意味します。
ストロングハイブリッド技術の採用による燃費性能と走りの愉しさの両立、先進運転支援技術による安全性の向上、そしてサイクリストの傷害低減にも寄与するエアバッグなど、新型フォレスターは現代の自動車に求められるあらゆる要素を備えています。
このイヤーカーの受賞は、スバルの技術力と哲学が正当に評価されたことを示すとともに、今後の自動車業界全体の方向性を示唆するものとなっています。安全性と環境性能、そして運転の楽しさを両立させる——それが、次代の自動車メーカーに求められる課題なのです。



