ソフトバンク 2026年3月期第2四半期決算 ~法人向け事業好調で純利益8%増~
はじめに
ソフトバンク株式会社は、2025年11月5日に2026年3月期第2四半期(2025年4月~9月)の決算を発表しました。今回の決算では、法人向け事業の好調を背景に最終利益が前年同期比8%増
2026年3月期第2四半期(4~9月)決算の概要
- 連結最終利益(純利益)は前年比7.7%増の3,487億円となりました。
- 売上高は3,4008億円(前年比7.9%増)と堅調に推移しています。
- 営業利益は6288億円(前年比7.3%増)、経常利益は5739億円(前年比9.2%増)となりました。
- 進捗率は、通期見通し(5,400億円)に対して64.6%と高水準で、過去5年平均を上回る結果です。
これらの数字はソフトバンクの主力事業が安定した成長を続けていることを示しており、とりわけ法人向けサービスや通信の需要増加が、業績拡大を支えている重要な要因となりました。
直近の四半期(7~9月)の動向
- 2025年7~9月期(第2四半期のみ)の連結最終利益は2,034億円と、前年同期比26.1%増
- 売上営業利益率は17.4%から19.4%
四半期ごとの業績推移を見ると、法人向け事業のライセンス提供やクラウドサービス拡大などが堅調に伸びており、安定した収益構造とコスト効率改善が利益増加に寄与しています。
法人向け事業の好調と要因
今回の決算における最大の特徴は法人向け事業の好調です。企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)需要拡大や、リモートワーク、クラウド導入増加を受けて通信インフラやICTサービスの需要が堅調に推移しています。
- クラウドソリューション、IoT関連サービスの受注増加。
- 既存顧客の深耕と新規大型案件の獲得が進んだ。
- 通信以外の周辺サービスの拡充。
これにより法人部門の売上・利益共に高い成長率を維持し、グループ全体の安定経営に大きく貢献しています。
消費者向け事業の動向
消費者向け事業では、スマートフォンや5G通信サービスの安定した需要が続いているものの、大きな成長加速は見られていません。一方、料金プランの多様化やサブブランドの展開、ポストペイドユーザーの維持施策によって、収益性の底堅さが確保されています。
通期の見通しと課題
通期計画(2026年3月期)の最終利益は5,400億円と据え置かれており、進捗率64.6%で堅調なペースです。今後も法人部門の受注動向や通信サービス全体の成長が注目されますが、下期(10~2026年3月期)は前年同期比でやや減益の見通しもあり、一層のコスト管理と新サービス展開が課題となってきます。
- 10~2026年3月期の連結最終利益は前年同期比5.5%減の試算。
- 競合他社との市場競争激化や価格競争、規制強化への対応。
- 新技術投資や海外展開の戦略がポイント。
株式市場の反応と今後の注目点
ソフトバンクグループ株式は米国ハイテク株安の影響を受け、直近で大幅に値を下げる局面も見られましたが、業績そのものは底堅く、個人投資家の売買にも大きなインパクトを与えています。特にAI関連銘柄への過熱感の反動や、信用買い残の増加、短期的な需給変動には注意が必要です。
- 米国AI・半導体関連株の急落に連動したグループ株の下落。
- 個人投資家のやや過熱した売買と需給調整。
- 市場では法人部門の成長継続や新規サービスへの評価も高い。
今後の決算発表では、通信とITサービスの連携強化、新規事業展開、AI技術を活用したビジネスモデルの進化など、ソフトバンクグループのさらなる発展と安定収益基盤への注目が集まります。
決算発表・株主対応に関するスケジュール
ソフトバンクは定期的な決算発表や投資家説明会を実施しており、2026年3月期の第3四半期決算は2026年2月上旬、株主総会は2026年6月下旬予定です。
- 次回決算発表:2026年2月上旬(第3四半期)
- 2025年12月より中間配当支払い開始
- 第39回定時株主総会:2026年6月予定
株主との対話を重視した経営スタイルや、継続的な配当・IR活動への注力もソフトバンクの特徴です。
まとめ:今後のソフトバンクに期待すること
2026年3月期第2四半期決算は、法人向け事業の成長が業績を牽引した好決算となりました。今後も通信インフラの進化とITサービスの融合、AI・クラウド技術の活用による新たな価値創造など、ソフトバンクらしいチャレンジと安定経営が期待されています。
一方で、海外市場やハイテク株の変動、規制対応やコスト最適化など課題も多く、事業環境変化に柔軟に対応するガバナンス力が求められます。引き続き、株主やユーザーの声に耳を傾ける姿勢と持続的な成長戦略に注目が集まります。
今後もソフトバンクの決算発表や事業展開に、多くの投資家や市場関係者が関心を寄せています。成長の軌跡と新たな可能性を、応援と期待を込めて見守っていきましょう。




